キタハラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ文句なく星5!前作よりはるかにパワーアップしていて、舌を巻きました。後半情報量が多いのは変わらずで、恋愛要素が出てきた時は最初正直怯んだのですが本当に本当に良かった。
由佳子の立ち位置がすごく共感できて、心情がとてもリアルに伝わってきて応援したくてぐいぐい引き込まれたし、由佳子自身のモノローグもそうですが、彼女を取り巻く人物がそれぞれ語る言葉に力があります。抜き書きしておきたいフレーズがたくさんありました。
読み終わって、仲間っていいな、と、じーんと胸に響きました。今年の上半期良かった本に間違いなく入ります。
そして単行本の表紙袖にある文言、ただの森さんのポップの内容かと思いきやしっかり本文に -
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Posted by ブクログ
書店アルバイト視点のお仕事寄り物語。
一つの章に一人の店員の立場にスポットをあてたお話しで構成されている。
遅番と呼ばれている夕方からの店員の仕事は
多くの書店でこうだろうと思う。
店員あるあるネタもあるけれど、
どちらかというとお客様あるあるが多数。わかる。
お客や仕事に対するアルバイト店員の考え方もさまざまで
出来事含め生々しい。
読みやすく、明るさシビアさのバランスが程よくて
読み手の感情が片寄りすぎないのではないかと思う。
一気に読んでも疲労感はなく楽しめました。
ただ少し不思議を含めたところは
物語ならではかもしれませんが他がリアルなだけに
最初のうちは理解できませんでした。 -
Posted by ブクログ
ジブリような読後感を感じてください。
おそらくサブタイトルと説明に多くの方が期待にお会計ピッとしたと思います。自分もそうでした。はっきり言います、覚悟が足りません!もっと引き締めて読んでください。思ったよりも重いです。でもだからこそ読んでみてほしい。少しスピリチュアルで哲学的で理屈っぽいけどいいんです。これも文学です。気になるところはたくさんあります。けど大丈夫です、バットエンドではないです、そこは安心して読んでいいと思います。たぶん多くの方がこのために最後まで読んでいたんだと感じるはずです。
是非この本のタイトルの意味を考えてみてください。おすすめします。
前置きが長くなりましたが、内容に -
Posted by ブクログ
東京三軒茶屋の爽快堂書店が舞台の群像劇。5話からなる連作短編集で、遅番担当のアルバイト5人が各話の主人公として描かれている。
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コミカルで軽い、ラノベ風のお仕事小説かと思って読んだのですが、違っていました。
4話目までの主人公である学生バイト4人は、仕事や人生に対する甘さがあるものの、現代っ子らしい苦悩や未熟さにはリアリティがあり、青春小説としての体を成さしめていました。
そして何より、学生バイトたちの前に立ちはだかる庄野という中年バイト男の存在がいい。
テンション低めで意思疎通も難しそうなのだけれど、さり気なく学生バイトたちをフォローし、それを誇る