安堂信也のレビュー一覧

  • ベスト・オブ・イヨネスコ 授業/犀

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    『授業』
    ☆4.5くらい。
    教室と生徒という、(理想化しすぎかもしれないけど)本来双方向的な横並びの関係であるべきものが、(現実的にも好ましくない)一方通行の垂直関係に変化する際の、暴力性を描いている。

    演劇的なドラグティックさが、全体の基調とよく調和していた。

    何かを教えるという経験をしたことがあると、共感しやすいと思う。

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    2025年10月20日
  • ユダヤ人

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    分類・優劣・差別がいかに社会的、外在的かを的確に論じている。社会的課題を考える上での土壌となると思う。

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    2024年05月15日
  • ベスト・オブ・イヨネスコ 授業/犀

    購入済み

    犀化は破綻か?革命か?

    『犀』は手塚マンガの中で
    短く紹介されていたので
    ずっと気になっていました。

    仕事や人間関係が
    特にひどくうまくいかないのでなければ
    こんな変身は考えないだろうけれど、
    知性が鋭いとこういう不安な状況が
    感じられるのかもしれません。

    犀の、人間とはかけ離れているだろう
    皮膚感覚と、
    人間の持っているおそらく高度な
    いろいろな特性を失う
    恐ろしさを感じます。

    人間の日常のいろいろな対立や
    不幸からの逃避、なのか
    革命への突進、なのか、
    そんなものとして
    魅力なようにも思えるけれども。

    #切ない #怖い #シュール

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    2022年03月23日
  • ユダヤ人

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    もちろん戦後にフランスにおける反ユダヤ主義を批判した本だというのは前提として、古今東西大きなものから小さなものまで、根深ければ根深い程にあらゆる差別と排除、迫害についての構造への考察と批判が記されていた
    現代の様々な人権問題へのインプリケーションが得られるこの本が、日本語でしかもこんなに安価に手に入るということに感謝しつつ、できるだけ多くの人に届く機会があるといいなと思う切なる気持ちが湧き上がるお勧めの一冊です。

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    2021年11月03日
  • ユダヤ人

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    「ユダヤ人とは、他の人々が、ユダヤ人と考えている人間である。これが、単純な真理であり、ここから出発すべきなのである。・・・反ユダヤ主義者が、ユダヤ人を作るのである。」私のユダヤ人に関する知見のほとんどは内田樹氏の『私家版・ユダヤ文化論』に負っているので、サルトルの主張には与しない。しかし、このような思考法も、たまには、必要である。

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    2016年05月17日
  • ユダヤ人

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    今も色褪せない差別論の古典。差別は加差別側が生み出す。加差別と被差別の双方の人間を精緻に描出している。最後の社会主義革命によるユダヤ人問題解決の十分性への言及が唐突で、実効性に疑問が残るがそれ以外はどのくだりも傾聴に値する。

    ・反ユダヤ主義者は恐怖にとらわれ、それもユダヤ人に対してではなく、自分自身に対して、自覚に対して、自分の自由に対して、自分の本能に対して、自分の責任に対して、変化に対して、社会に対して、世界に対して、恐怖を抱いているのである。しかもかれは殺すときには群衆に紛れて、集団的処刑に加わるに過ぎない。
    ・反ユダヤ主義者は、ユダヤ人がユダヤ人であることを非難するのだが、民主主義者

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    2016年03月04日
  • ユダヤ人

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    フランスの哲学者、サルトルの反ユダヤに対する徹底的な批判。
    哲学的な概念を使って記述している部分もあるので、やや難解に思えるところもあるが、論理は実に明快で、認識をベースにした物理学あるいは数学の証明を読んでいるよう。
    「ユダヤ人」とか「ユダヤ人的」という見方を作り出したのは私たちであり、集団内の分断を回避するために、敢えて「ユダヤ人」と「非ユダヤ人」というカテゴリを作り出し、ユダヤ人を敵とみなすことで団結を図っている。
    そして明らかな敵、明らかな悪を設定することで、自らが自らの「善」を積極的に探求することをしないでいられる。
    とにかく痛烈。そして、私たちがなんとなく感じている違和感をきちんと

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    2025年01月14日
  • ユダヤ人

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    ユダヤ人問題について平易に解説した本。しかしやや単純化の趣があり、最終的な解決方法が社会主義革命であるというのはいただけない。

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    2013年07月22日
  • ユダヤ人

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    ジャン=ポール・サルトルの「ユダヤ人」問題論。欧米社会に根強いユダヤ人差別問題を真正面から捉えた論文である。
    「ユダヤ人」という存在について、社会における反ユダヤ主義の構造・心理・思わくなどをベースに分析するとともに、それに対するユダヤ人自身の受け入れの在り方をも考察し、その差別の本質をサルトル的な皮肉を交えた文学的表現にて説明、「ユダヤ人」問題は非ユダヤ人自身の問題であり、われわれ自身の自由の問題でもあるとして、解決の道筋をサルトルならではのアンガージュマンの見地(社会主義革命、連盟結成など)にて指し示す。
    率直に言って「ユダヤ人」については日本ではそれほど馴染みのある話ではないと思われるが

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    2011年10月30日
  • ユダヤ人

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    ものすごく人種差別がわかる。
    ユダヤと反ユダヤ
    読んでいくうちに、凹みます
    筆者である サルトルが怒りに満ちています。
    もう何世紀も
    人種差別や偏見が続いてるという事実。
    とても昔の本だけど
    読みごたえはあります。
    ただ
    ものすごく句読点が多いのが気になりました。

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    2011年06月23日
  • ユダヤ人

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    [ 内容 ]
    世界中の人びとがユダヤ人に対して抱いている偏見は、実に古くかつ根強い。
    サルトルは、まったく新しい観点から、数々の具体的事実をあげて、この根深い偏見の源をつきとめ、ユダヤ人問題の本質をはじめて明らかにした。
    たんにユダヤ人問題のみならず、今日の人種問題に対して正しい解決の方途を示唆した画期的な書。

    [ 目次 ]
    1 なぜユダヤ人を嫌うのか(ユダヤ人を嫌うのは自由だろうか;嫌う理由があるのだろうか ほか)
    2 ユダヤ人と「民主主義」(抽象的民主主義の弱味;抽象的人間と具体的ユダヤ人 ほか)
    3 ユダヤ人とはなにか(人間の違いは、その状況と選択による;ユダヤ人の状況、人種、宗教、国

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    2011年05月14日
  • ユダヤ人

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     反ユダヤ主義者にとって、ユダヤ人は敵であり、かつ存在理由である。彼らは、ユダヤ人なくして存在し得ない。彼らは、敵を自ら作り、自分を正当な人間であると評価することで、自らの安泰を得る。敵たるユダヤ人と彼らは表裏一体であり、ユダヤ人に自由を認めない限り、彼らにも自由がないことに気づいていない。いや、むしろ自由を恐れている。自由に基づく責任から逃げている。
     以上のようなことが書いてあるわけですが、考えさせられる本であるといえます。ユダヤ人を迫害する人にかかわらず、我々は、他者なしに自己を認識できるのでしょうか。

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    2012年05月31日
  • ユダヤ人

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    -本当はそうでなく、他人に対して厳格な秩序を要求しながら、自分に対しては、責任のない無秩序を求めている-

    サルトルといえば、「実存は本質に先立つ」とした実存主義の思想家。「なんだかな〜難しいんじゃないの〜?」と思うあなた!大丈夫。この「ユダヤ人」は、わかりやすいっ!見事なまでに論理的=論旨が明快。散在する、短くも説得力をもつ名言は珠玉。「ユダヤ人問題」として読むのでなく、自分自身のココロの歪を「ユダヤ人」という存在(あるいは概念)をテーマにして問われていると思いながら、サルトルの名言を拾い読みするのも有!

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    2009年10月07日
  • ユダヤ人

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    作中でサルトルが引用する、リチャード・ライトのことば「合衆国には、黒人問題など存在しない。あるのは白人問題だ」。この考え方には目を見開かされる思いがする。

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    2014年05月10日
  • ユダヤ人

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    ユダヤ共同体は、国家的でも、国際的でも、宗教的でも、人種的でも、政治的でもない。それは、一つの半ば歴史的な共同体なのである。ユダヤ人をユダヤ人たらしめているものは、その具体的な状況であり、彼を他のユダヤ人達と結びつけているのは、状況の一致なのである。
    ・・・・・・『ユダヤ人』180頁

    反ユダヤ主義、日本では馴染みのない問題かもしれないが、世界中に蔓延り、確実に存在している問題。ユダヤ人というものがいかに造られ、利用されてきたのか。その現実とその原因を知るためにとても役立つと思う。

    理性的で批判的な態度は、ユダヤ人の特徴とされているらしい。だが、これも、非理性的な反ユダヤ主義者によって造られ

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    2011年04月11日
  • ユダヤ人

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    授業で原文を一部読んだのでついでに続きを邦訳で読んでみた。サルトルは熱い。他の著作は殆ど読んでないからわからないけど、これはまるでたたき売りのような文章だ。しかも、その主張も暑苦しいくらいに熱い。彼にとって「人間である」とはつねに自らの責任において自らを選び取っていくことと同じで、カッコいい考え方だけど、それに従うとぼくなんかはまさしく「人でなし」になってしまうのです。
    とにかくユダヤ人についてだけの本ではない。もっと広いです。

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    2009年10月04日
  • ユダヤ人

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    日本人にはとっつきにくいかも。ただ、迫害される者は、何らかの理由によって迫害されるのではなく、ただ単に迫害者がいるから迫害される、というのは正しいと思う。

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    2009年10月04日