島田虔次のレビュー一覧

  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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     政治・経済を論じるのは、所詮酔っ払い談義に過ぎないという突き放したような諦観からくる、冷静な分析には舌を巻く。洋学紳士と豪傑君みられるようなタイプの問答は現代でもはっきりと存続している。

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    2012年04月24日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    ネタバレ

    <紹介>
     本書は自由主義的進歩思想、絶対平和観を有した洋学紳士君、帝国主義的国権論者の豪傑君、現実主義の南海先生、三人が対話によって世界の潮流、日本の政治を語るものである。洋学紳士君、豪傑君はどちらもラディカリストであり、それを南海先生がたしなめる形になっている。南海先生は決して自らの主張を述べるでもなく、喋る機会自体が少ないが、先生の言葉一つ一つは比喩を用いながら、思想や政治の本質について核心的な事を述べており興味深い。

    <感想> 
     解説にあるように、三者のうちどれが中江兆民の思想に一番近いのかははっきりしないが、私は洋学紳士君に対する思い入れが大きいように思える。洋学紳士君は西欧の歴

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    2011年12月24日
  • 朱子学と陽明学

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    仏教の汎神論的思想を容れて宋代に確立した朱子学、心即理・致良知・知行合一を説く明代に生まれた陽明学。
    両者とも近世中国を支配した儒教哲学であり、また唯心論的実践哲学である。
    日本人の倫理観にも大きく影響を与えたこれらの学説の成立過程と歴史的役割を明らかにし、中国思想史におけるその位置づけを試みる。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間

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    2011年05月11日
  • 朱子学と陽明学

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    朱子学と陽明学の解説書。

    朱子学と陽明学って何?という本では無く、
    ある程度知っている人のための解説書である。

    朱子以前の宋学から始まり、
    陽明学の成立とその後の影響までを解説する。

    性即理と心即理の具体的な違いや、
    陽明学が自己否定に至ってしまうことなど、
    分かったつもりで分かっていなかった
    新たな発見の連続だった。

    四書と近思録と伝習録を読んでから
    この本を読めば、そういうことだったのか!
    という新しい発見があることだろう。

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    2013年04月29日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    明治時代の国際政治状況を踏まえた日本の選択肢を書いた本。
    解説によると中江兆民の思想を書いた本らしいですが。

    架空の人物「南海先生」のもとに紳士君と豪傑君が現れて
    酒を飲みつつ政治談議を交わす設定です。

    紳士君はリベラリストというかもはやロマンチスト。
    民主主義を標榜し「平等」と「自由」を兼ね備えた国になる事で
    他国は敬意を払い攻めてくる事はないだろう、
    もし攻められたら相手を非難して無抵抗で敗戦した方がましである、と。

    対して豪傑君はリアリスト。
    日本は小国であり、文化的経済的に急速な発展をする事は難しい。
    更に、日本が改革を行うためには闘いを好む懐古主義者と進歩主義者がいてはならない

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    2009年10月04日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    民権運動家、中江兆民(1847-1901)の著。1887年刊。南海仙漁、洋学紳士、豪傑の三人が酒を飲み交わしながら政治を語るという物語。前半は紳士と豪傑の論戦、後半は南海による二人の論の欠点指摘と自論の展開といった流れ。南海は「恩賜的民権」と「回復的民権」の二種類の民権があるとし、上からの恩賜的民権を賜った人民はそれを大切に守り、道徳を身につけ、学問に励み、恩賜的民権を回復的民権の地位まで育て上げねばならないと説く。明治憲法制定の二年前に発刊されたこの著は、市民への政治関心を一層求めるものであった。

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    2009年10月04日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    大学時代の日本政治思想の授業で毎回書評を書く課題があったのだけど、その中で今も印象に残っている本。内容は時代性があるけれど、3人による問答形式という民主主義にとって必要な「対話」を見事に体現している本だと思う。政治学・政治思想に興味があったら、是非読んでほしい。

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    2009年10月04日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    「三酔人経綸問答」は明治の思想家・中江兆民が著した政治対話篇。岩波文庫版では桑原武夫と島田虎次の校訂により酒に酔った三人の人物が日本の未来を語り合う様が生き生きと描かれている。自由民権の理想と現実、急進と保守のはざまで交わされる議論は酔いに任せた戯言のようでいてどこか真理を突く。酒場での会話が妙に深く感じられるのはそのせいか。現代に生きる我々もまた問いながら酔い語らいながら考える。気兼ねなく思考を巡らせ語りたいものだ、そう酔いに任せ。

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    2025年05月23日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    国際政治は権力闘争ではあるが、その枠組みと規則が存在するため、暴力の支配する無秩序とはいえない。非武装でもなく、征服のための軍備でもなく、世界中の国と友好関係を深め、常に防衛戦略をとるべき。中江兆民『三酔人経綸問答』1887

    社会主義は愛の精神ではない。これは一階級が他の階級に抱く敵愾の精神である。社会主義に由って国と国とは戦はざるに至るべけれども、階級と階級との間の争闘は絶えない。社会主義に由って戦争はその区域を変へるまでである。内村鑑三
    ※不敬事件。敬礼はしたが、最敬礼をしなかった。再度、敬礼を依頼されて同意したが、病気で行けなかった

    横山源之助『日本の下層社会』

    軍備と徴兵が国民の

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    2024年05月16日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    近代日本において、民主主義はどのような形で導入されるべきか、という問いに対して幾つかの回答が提唱されている。
    南海先生、紳士君、豪傑君、どの登場人物の論が著者の考えを色濃く反映しているのかは分からないが、いずれの論も著者の考えであるのだろう。
    政治哲学とは本当に難しい。誰しもが賛同する政治制度など実在しないのかもしれないが、そうであっても理想を追い求め続け、いつかその制度が実現する日を願い日々邁進することが大事なのかもしれない。

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    2024年01月07日
  • 朱子学と陽明学

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    書名から勝手に概論的な内容だと思いこんでいたが、全く違った。性即理の朱子学と、心即理の陽明学を対比させ、どのような思想的変遷を辿ったのかを考察したもの。かなり専門的な内容だった。思想というものは突然変異的に出現するものではなく、どんなに対立する思想にも何らかの繋がりがある、という主旨。
    万物が本来持つ”あるべき姿”を性とし、それが世の構成原則(理)になっているという朱熹の『性即理』理論。心は性と情から成り、性は人に元来備わっている(=未発)”善なるもの”で「体」、情は物質である「気」が動いた結果(=已発)としての「用」であり、これらは別物という考え。事物の「性」を正しく理解することによって物事

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    2023年05月01日
  • 朱子学と陽明学

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    基礎知識がある前提で書かれているので難解。
    心を性と情に分けた上で、朱子学は「性即理」、陽明学は「心即理」。

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    2022年04月17日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    中江兆民が明治時代に出版した本ではあるが日本の政治のあり方についてどうあるべきかと言うことをある3人の人物を登場させて語り合いの中で論じているが、今の時代においてもなかなか参考になる本と言える。
    今の時代において政治は社会はどうあるべきか、考察に値する内容である。

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    2021年01月27日
  • 中江兆民 三酔人経綸問答

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    2016/3/12
    南海先生の主張は明治日本の政治体制にまさに反映されている。
    ただ、専守防衛については隔たりがあった。
    ただ戦後日本は専守防衛を軸に政治を行ってきたので、何十年経た結果、実現をしたと考える。

    現実的に考えると南海先生の論が一番適しているが、洋楽紳士の論が叶うような国が理想的だ。

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    2016年03月12日
  • 朱子学と陽明学

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    読んだ。朱子学と陽明学ならびに、その起源が書かれてた。へー、と思った。儒教すらまともに知らない人間にとって、若干なに言ってんのか解らなくて、ハードだった。

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    2012年01月22日
  • 朱子学と陽明学

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    「天地のために心を立て、生民のために命を立て、往聖のために絶学を継ぎ、万世のために太平を開く」
    後書:青年の客気云々。励まされ。

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    2009年10月04日