福村国春のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文化とは「人の精神を形にしたもの」である。文化は経済力が無ければ発展しない。
中世には「不平等・不自由」「神がいる」近代は、「自由・平等」「神はいない」
近代より人々は存在意義を消失し孤独に陥った。
近代より人々は自由の存在意義を他者との差別化により見出す。ゆえに互いの自己主張は他社の存在の侵害にもなり、しかし相手の承認なしでは存在出来ず、離れられないから対立が産まれる。本当は対立より相互に理解し合い、承認し合えたらいいのにね。
もし、自己の主張が認められなければ、自己の存在は孤独に陥り、不安から敵意が産まれ、自己防衛のヒステリーを引き起こす。
事故が他社の主張を認められない場合も、他社は脅威となり不安と敵意、ヒステリーをこちらも引き起こす。
対立の本質は自己と他者が互いの主張を理解し承認することが出来ないが故に存在意義が成立せず不安や敵意を産み出してしまうのだ。 -
Posted by ブクログ
世界史とあるが、多くは近代以降の出来事が中心だった。
しかし、ただの知識問題ではないことは確かで、(そもそもマークシートではない時点で結構ハードル高い)
問題文を読み解き、自分の中にある知識や情報を適切に引き出してこなければならない。
私にはそもそも知識という土台がないので、考えるよりも読み進めるしかなかったのだが。
知識→思考・読解→論理的な回答という流れは、「具体と抽象」にもあった「知識の拡大×思考の拡大=知の拡大」の図式と同様だと感じた。
また、この思考フローは業務にも活かされる。困難は分解せよ、問題文に戻れ、という言葉は仕事や生活で行き詰まったときに思い出したい。
あと、東大世界史の過去問とその解説が見たくなった。電子版が見つからないので人生初の赤本を本屋さんで覗くか…?
いきなり東大の赤本を手に取るのは、なかなか勇気がいるなぁ…
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Posted by ブクログ
これは当たり本。
東大の実際の世界史の過去問に挑む受験生とそれを解説する講師のストーリーを通じて、その難問を解決する。
東大の世界史の論述問題は指定のキーワードを用いて600字程度に問いに対する解答を略述する。キーワードが多岐にわたっているので、一つの国・地域だけではなく、同じ時間軸の他の国・地域についても論述しなければ正答にはならない。(こういう問題だなんて知らなかった)
ストーリー仕立ての講師の解説は見事で知らないうちに世界史に引き込まれていく。
単なる暗記学習では太刀打ちできない高難易度な問題の数々。こんな問題を限られた制限時間内で解こうとする受験生は本当に感服する。 -
Posted by ブクログ
・独裁の利点は、大胆かつ迅速に組織を動かせること。独裁が成り立つ条件は二つ。一つは短期間であること、もう一つは独裁を行う側とそれに従う側の間で合意が成り立っていること
・7世紀頃までは絹の道が中国とインドやペルシアをつなぎ、12世紀には海の道を使用したイスラーム商人がヨーロッパとアジアをつなぐ形で活躍した。13世紀にはモンゴルがユーラシア大陸を征服することで東西交流が活発化した。そして、近代に入ると世界の一体化の中心はヨーロッパ人に移る。大航海時代(15〜17世紀)には、ヨーロッパが世界へ進出して「近代世界システム」を構築する
・ガンディーが『偉大なる魂』と呼ばれた理由。問題の解決のために、自ら先頭に立ち、己の命を投げ出す覚悟をもって戦った
・1937年盧溝橋の偶発的な武力衝突事件をきっかけに日中戦争がはじまる。政府も日本陸軍も中国への派兵にははっきりと反対の意思を持っていた。にもかかわらず、いざ閣議となると、場の空気により中国への派兵に同意するという意思決定がなされた。近衛首相には意思決定者としての当事者意識、責任者意識がなかった
・マレー沖海戦を境に、それまでの大鑑や巨砲中心から航空機中心の先頭に変わった。米英はその変化に即座に対応したのに対し、日本はそれができなかった。変化を察知する洞察力、変化に対応する決断力、日本にはこれが欠けていた
・主権国家、それ自体が戦争の原因である。EUは、主権国家を否定することにより、各国の国境をなくして「新しい共同体」をつくるという発想 -
Posted by ブクログ
私立文系、英語・国語・社会だけで大学受験をしました。社会は世界史を選択していました。もともと得意科目ではなかったですが、合格した年には、足を引っ張らない程度にはなっていました。
当時、東大の世界史の問題を目にしたことはありました。自分が受験するわけではないですが、興味もありましたし、英語も国語も基礎固めと実力養成の観点から取り組んだのです。国語は十二分に太刀打ちできましたが、英語はかなり苦戦、そして英語以上にどうにもならなかったのが世界史だったと記憶しています。暗記ではどうにもなりません。
もっとも、早稲田も明治も暗記だけでどうにかなる世界史の問題はなかったのですが、そのレベルではありませんでした。本書を読んで、その感覚を思い出しました。
国語(現代文)もそうですが、東大が暗記型の秀才を合格させたいわけではないことが明確にわかります。クイズ王的な知識ではどうにもなりません。
そして、世界史の勉強をし直すのに、非常に優れた教材になり得ることもわかりました。近現代史をインターナショナル・グローバルな視点で押えないと、回答の取っ掛かりもつかめないと思います。
実際の受験生が対策本として使うには15題では少ないでしょうが、考え方は学べますし、社会人が教養として世界史を学ぶには最適だと思います。クイズ番組で勝ち上がることが目的なら別ですが、本当の意味での教養(言い換えるとリベラルアーツ)を身につけたいならぜったおすすめです。
途中まででも十分楽しめますが、せっかくなので全部読めるといいと思います。15問目が、現代的な意味で、SDGsの観点からも考えられる、とても重要な問題だからです。 -
Posted by ブクログ
・東大の問題は常に「国家」を主題にしている。これは東大がもともと官僚養成学校であったことが大きい。
・現在の「国家」つまり「主権国家」は、16世紀以降の絶対主義に形成され始め、17-18世紀の市民革命によって現在の形を整えます。当たり前のようにある今の「国家」は古代からあったわけではなく、われわれ日本人が作り出したものでもない。主家国家は、近代に入って以降、ヨーロッパによって作り上げられたものである。
(ウェストファリア体制・グロティウス)p.16
・ヨーロッパ諸国の原型は、中世にある。ヨーロッパにおける中世はゲルマン民族の侵入からはじまる(375年)。
・東大の問題は「歴史は、現在の『なぜ』に答えるものである」ということを教えてくれる。世界各地にはそれぞれ独自の秩序があったが、それは欧米によって否定され、欧米の秩序に転換すべく変容が求められた。その努力の末に「国家」としての自立を実現していく。東アジアには中華の概念があったため、特に中国が変化に苦しむことになる。現在、中国はかつての威信を取り戻しつつあり、無視できない動きを撮り始めている。p76
・日本は唯一欧米の秩序にすんなり適応した国家である。よくも悪くも、日本の目は常に外を向いている。卑弥呼、遣隋使・遣唐使の時代から変わらない。ある学者は、日本の歴史を「無限の適応過程としての進化の表象」と表現している。p87
・思考するというのは、具体的なものを抽象化する、抽象的なものを具体化するという作業によって結論を導きだしていくことを言う。その際に重要なのは「語彙力」である。したがって、思考の力は言葉を知っているかどうかで決まるということになる。p 128 -
Posted by ブクログ
予備校講師が贈る、「ヨーロッパ近現代史入門」&「歴史の見方入門」。
本書の性格は二つ。
まずは、現在の世界がなぜこのようなのか、を理解するために、ルネサンス以降のヨーロッパ史を分かりやすく解説している。
歴史の流れを説明するのに、数多くの方法がある中で、入門書ということでシンプルに因果関係を整理することで、何故このような流れで展開していったかを大変理解しやすく解説している。
もう一つの性格は、今後も歴史を勉強していくにあたって有用と思われる「歴史の見方」を読者に身につけてもらおうという試みである。
「歴史の見方」と書いたが、その中身は「歴史の法則・パターン」といったものになっている。もちろん、人間社会の出来事に完全に普遍的な法則というものは存在しえないのだが、やはり「こうなったら、こうなる」というある程度の傾向はある。
それを実際の歴史に即して学んでいくことで、今後ほかの歴史を学ぶときや、現代の政治社会を見る際に、その背景を理解する力を養い、次の展開を予測する基礎とできるものである。
二つの試みに一貫している姿勢は、とにかく噛み砕いた平易な言葉で因果関係を説明していくことで、ここまで築き上げられてきた歴史も我々と同じような「人」が積み重ねてきた、身近なものだということを感じ取ってもらおうという著者の想いであるように思う。
歴史的事実を学ぶ本としては物足りないものの、それを補って余りある、良い入門書になっていると思う。