ジェイムス・スーズマンのレビュー一覧

  • 働き方全史―「働きすぎる種」ホモ・サピエンスの誕生

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    働くということの意義や変遷が大変わかりやすく、読みやすくまとめられた良書と思います。技術の進歩が進んでも仕事が楽にならないカラクリ、原理についても日々何となく感じていることが的確に言語化されています。また、「仕事」という言葉の発明者がコリオリだったなど、トリビア的内容も多く、その点でも楽しく読むことができました。

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    2024年07月27日
  • 働き方全史―「働きすぎる種」ホモ・サピエンスの誕生

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    狩猟採集中心の原始時代は余剰の蓄積という考え方がなく、豊かな自然の恵みがある前提で、今必要な食糧を短時間労働で得て、他の時間は儀式や創作活動などに使っていたらしい。

    現代でも狩猟採集型の伝統を守って生活している部族では、力が強いものや狩りのスキルが高い者が権力を持たないように、食糧を分けることを「恥」と感じるようにする文化があるそうだ。また、自分のモノという所有の概念が我々と異なり、自分が持っていない者を、余剰を持っている者に要求することが当たり前ととらえられている。

    気候変動とともに?、農業を行いはじめた人間は未来のための食糧生産や天候不順等に備えて余剰の生産を行う必要がでてきた。また、

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    2024年04月13日
  • 「本当の豊かさ」はブッシュマンが知っている

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    ネタバレ

    コイサイマンとも呼ばれたブッシュマンについてはこのブログでも何回かとりあげている。「人間にとってスイカ とは何か」とか「ブッシュマン・シャーマン―エクスタティックなダンスでスピリットを呼び覚ます」などである。また「ボーントゥーラン」も記憶に新しい。この本で驚いたことはたくさんあったが、その一つは人類の分化と拡散の遺伝子による研究の結果である。アフリカの大地溝帯で生まれた人類は一方は北に拡散し、ヨーロッパ人やアジア人、アメリカ人となり、一方は南にいきコイサン人となった。コイサンの住むところでは哺乳類は絶滅しなかったが他の民族のところろはマンモスやオーロックスをはじめ多くの野生哺乳類が絶滅していい

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    2020年09月02日
  • 「本当の豊かさ」はブッシュマンが知っている

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    ブッシュマンが太古の昔から、「豊かに」暮らす生活様式を確立していたというのが気になり読んでみた。地球環境や貨幣経済至上主義が行き詰まる社会に生きていて新しい価値観を求めていたこともあって、本書は沢山のヒントをくれた。
    フィールドワークで25年も現地に通ったスーズマン博士の描くジュホアンたちの描写はリアルで力強く引き込まれ、アフリカの荒野で自ら教えを乞うているような感覚を味わえた。
    特に神聖な狩りの描写には息を呑んだ。
    自分たちの存在を自然の一部だと捉えていているからこそ、自然を信頼し、捕食する生き物を前にしずかになる謙虚さには、日本の「ただ足るを知る」にもつながる精神も感じて恐れ入った。
    そん

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    2020年06月28日
  • 働き方全史―「働きすぎる種」ホモ・サピエンスの誕生

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    狩猟採集生活から農業牧畜生活になった時、働き方は大きく変わった。次に大きく変わったのは都市生活が始まった頃。産業革命でも変わったが、根本的に変化したのはやはり農業生活以降。
    つまり、今の働き方にまつわる概念は、必ずしも人間本来のものではない。進化の過程から考えれば、狩猟採集民の働き方が、無理のない働き方と言える。
    そして近未来の高い生産性とAI・ロボットによる自動化産業社会は、働きたいときだけ働く、というあり方が実現できるかも?

    人類学的な観点で、より良い働き方のヒントを探せる本。

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    2024年05月27日
  • 「本当の豊かさ」はブッシュマンが知っている

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    アフリカのブッシュマンと呼ばれる人々について、著者が現地にて知り得たことを書かれています。その過去から現在までの軌跡、外部とのかかわり方の変化など、非常に興味深い歴史を知ることができます。彼らと、それ以外の人々(私たちなど)の違い、価値観や物事に対する認識が違っていることを通して、私たちが考えている豊かさについて振り返るための示唆を与えてくれます。日本語訳のタイトルでは分かりにくいのですが、原題を訳すと「豊富さの無い豊かさ」とでも訳せるものであり、物が豊富な物質社会には無い豊かさを、資産などに拘らない生き方の考え方をすることで手に入れることができるということを彼らを通して学ぶことが出来る内容に

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    2020年01月11日