ニックドルナソのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ真面目に怖すぎた。
現実と非現実の境って曖昧な作品って世の中にはたくさんあるけど、これは意図的に作為的に作られた場所にぐわっと連れていかれる。
怖くて読めないエペペみたい。
これは読んでしまったけど、それは漫画だったからだと思う。
どこに連れていかれるか分からへんなんて読んでても怖い。
しかもみんな、他の人になりきったりしてそれが普通になってて気味悪すぎた。
ロージーはどこへ行くのかも、最後めちゃめちゃ気になりました。
誰のことも本当かわからない訳じゃないですか。
おかしくなっても、当然すぎて寒気します。
異界みたいですよ、これ。
ヤバい。
ヤバいの読んでしまいました!!
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Posted by ブクログ
大学生時代に演劇をやっていたので
「演技をしたいと思う者は普通じゃない」というのがすごくわかる。わりと変な人間がやることだとわかっている。
人生うまくいかないときに自分じゃない何かになりたいと思うのだろう。
この作品で出てくる人物たちも一癖も二癖もある人間で、アクティングクラスにのめり込んでいく。
現実との境界線も曖昧になっていく。
少し人物の描き分けが日本と違うのでわかりにくかった……そのうちキャラクターがわかってくるけれど、難しかったように思う。
それにしても……演劇をやっていたからわかる。こんなに一般人が急にエチュード(即興劇)をやって上手くいくわけがない……みんなプロの俳優さんですか -
Posted by ブクログ
ネタバレ
陰謀論とパラノイアと誹謗中傷。
グラフィックノベルにあまり親しみがないので新鮮。文字数は多く、ショッキングな場面は見せず、サブリナの遺体も見せず、真相というか匂わせやほのめかしが散見されており、ドア越しに包丁を持った緊迫する場面ですらコマ割りは小さい。遠景を撮るため、カメラの位置が少し遠くなったときに舞台の全面が垣間見える程度で、基本的には同じようなトーンの絵が続く。
暗闇と夢の際の効果というか、描き方が秀逸。最後の部分のその効果の使い方も恐ろしく、また小気味良い。
まだ読みきれていない部分もありますが、悲劇に投げ出された登場人物の喪失と再生を描いた、優れたグラフィックノベルでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレマンガ、ではなくグラフィックノベルというらしい。確かに「小説をマンガ化」だったら、小説を読むよりわかりやすくなるのが普通だが、これは、そういうマンガ的なわかりやすさを徹底的に拒否している。
まずキャラクターの描き分けも積極的にはしないし(だから慣れるまでは描かれているのがが誰だか分からない。特にカルヴィンが勤める空軍基地のメンバーを見分けるのに苦労する)、表情というマンガでは極めて大事なところも省略。顔立ちは皆同じ。ラジオの放送内容やメールの文章などが延々と文字だけ続くコマもあるし、努力しないと読めないマンガというのはめずらしい。これは、小説で書いた方が余程わかりやすかったのではないかと思われ -
Posted by ブクログ
ネタバレグラフィックノベルとしては初めてブッカー賞にノミネートされたという話題の本。
平凡な暮らしを送っていた女性 サブリナ が突然行方不明になる。
彼女の恋人テディはそれがきっかけで引きこもりのような鬱状態になり、幼なじみのカルヴィンの家に身を寄せる。
やがて、サブリナが殺されるところが撮影されたビデオテープが複数のメディア等に送られて失踪事件は急転直下誘拐殺人事件となり、犯人はサブリナの家の近くに住む面識もない青年で、彼も自殺して発見される。
ビデオテープはネットに流出してしまい、それをみて根も葉もない解釈、荒唐無稽な陰謀説を唱える者まで現れはじめる。
恋人の死に直面し、それを受け止めきれない -
Posted by ブクログ
少し難しい作品でした。
さらさら読める作品ではなく…
フェイクニュースや昨今のSNSのあり方などを想起させ、考えさせる…
911のことや銃乱射事件のことも絡ませ…
ストーリーが淡々と進むことが、より不気味に感じました。ちょっと怖い。
サブリナはタイトルロールだけれど、1つの素材で、それにまつわるお話。サブリナ自身でも、彼氏のテディでも、妹のサンドラでもなく、テディの友人カルヴィン・ローベルが主たる話でした。
カルヴィン、事務方の軍人。
カルヴィンの同僚も怖かったし、現実にいそう。
夢の表現方法は、なるほどなー、と思いました。
難しいけど、妙に心に引っかかるお話でした。