ウィリアム・フォン・ヒッペルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ヒトの進化と生存戦略を社会心理学・進化心理学観点から述べている。
暴論でまとめると、ヒトに永遠の幸せは訪れないらしい。
本が厚揚げくらい分厚い。
男女の違いにも触れており、特に好きなものが
男性はひどいセックスをしたことよりも機会を逃したことを後悔するが女性は逆である という一文です。
男性は繁殖に対するエネルギーは少ないが女性はすごく大きいから(出すだけと約一年お腹の中で育てる)
人類は協力することで知能が発達し繁栄してきたと述べられている。(狩猟農耕など) 以前読んだ他の本でも人類が進化してきたのは、依存し合う(得意な人に任せる)ことで、脳にキャパができ、クリエイティブな発想が出来たから -
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Posted by ブクログ
1部4章を中心に読んだ。ニンゲンの進化を遺伝子学の観点から考察。中でも性淘汰の話は、興味深い。より強い遺伝子を残すためにメスは「質を伝える正直な信号」を見極めるようになる。たとえばそれは、孔雀にとっての派手な柄である。生存のリスクが下がるはずの派手な柄を備えた孔雀のオスはそうでないオスより強く逞しくなければ、ここまで生き抜くことができない。かくして一般的に生存リスクを下げるはずの見た目が逆説的によりメスを惹きつける。
これをヒトに置き換えると、対称性・強さ・身長・ユーモアだそう。また性淘汰の観点からこれらは相対的に優れているかが大切であり、その限りにおいて人は周囲と比べるという事から逃れられな -
Posted by ブクログ
ネタバレ我々の脳が進化の賜物であるならば、我々の心理もまた進化の結果である。
我々が嫉妬しやすく、心配性で悩みが多く、承認欲求を満たしたがる(いいね、が欲しい!)のは、進化の過程で種の維持に有利に働く形質だったからだろう。
という進化心理学者の書いた本。
重要なのが、「種の保存に有利である事と、個人の幸不幸は別物」という事。
進化の過程で残った我々の心理状態を受け入れるだけでは個人としては幸せになれない。いや、むしろ不幸になるだろう。
我々が幸せになるには、種としての心理傾向を理解しつつ、発達した脳で意図的に幸福を得られるように考え方や行動を改善する努力をする事が肝要だ。
そんな考え方に根拠を与 -
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Posted by ブクログ
ー コロモジラミのDNAの突然変異の数からは、我々の先祖が少なくとも7万年前には裸で走り回るのをやめていたと結論できる。
ー ストロンチウムはカルシウムと同じように体内に取り込まれる金属で、主に骨や歯の中に蓄積する。古代人の歯のストロンチウム比が、その地域の岩盤の比率と一致すれば、歯の持ち主は、歯が見つかった地域で育ったことが断定できる。すると、大きめの歯はその場所の地質と一致したが、小さめの歯は一致しないことがわかった。一般的に男性の方が女性よりも大きな歯を持つため、近親交配を避けるため、集団が離れたのは女性である可能性が高いことがわかる。
…という風に色んな証拠を辿りながら人類を解き明 -
Posted by ブクログ
『サピエンス全史』や『銃・病原菌・鉄』のような人類学系の本。そういうジャンルの好きな人は面白く読めると思う。
表紙や帯に書かれているような内容だが、今回面白いと思ったのは「赤道に近づくほど宗教、言語が増え、自民族中心主義になる」理由。熱帯地方ほど病原体の密度が高く、病原体への脅威こそが象徴的偏見の根本となるという。確かにそれはそうだと納得した。簡単にいうと、小さな集団を作り、他の部族との交流を最小化することで病気をもらわず生存確率を上げることができ、自然と言語や宗教も局所化する。
日本は島国であった上に温帯だが湿気も多く病原菌が繁殖しやすいので村社会を形成しやすい民族を進化させたのだろう。
他 -
Posted by ブクログ
進化心理学という人間の進化の過程から、私たちの心がどのように形作られたのか書かれた本。
時々、その結論は急では?と思うところもあったりしたけれど、色々な実験も出てきて面白かった。
最後に、進化心理学の観点から見た「楽しい人生にたどり着くための10ステップ」もまとめられていて参考になったかも?
個人的なツボはここ。
前段階として、進化にとって重要なのは「繁殖」。
それは性交したいという欲求と産んだ子を愛おしく感じる性格を与えた。子どもを産み育てることは人生の満足度に大きく影響する、と書いたうえで以下。
それは、子育てのために日々やるべきことが楽しいという意味ではなく(往々にして楽しくない)、子