高田博行のレビュー一覧

  • ヒトラー演説 熱狂の真実

    Posted by ブクログ

    ちょっと不謹慎な感想だが、ヒトラーの演説って一世を風靡した一発屋芸人のネタみたいなものだったんじゃないかって思えた。彼の演説パフォーマンスは大衆に大受けしたものの、政権獲得後、演説会場の熱狂的な雰囲気をラジオを通じて全国に広めようとした時期には既にドイツ国民はその演説に飽き始めていた。。ナチズムに賛同できるはずもないが、演説パフォーマンスに代わって国民を魅了するネタを作れなかったのもナチスの限界だったのではないか。それは経済発展や国際的地位の回復といったことなのかもしれないが、プロパガンダに頼りすぎると、リアルな成果を上げることは二の次になってしまうのだろう。

    0
    2014年08月12日
  • ヒトラー演説 熱狂の真実

    Posted by ブクログ

     著者はドイツ語史が専門の言語学者で、ヒトラーの演説に使用された語彙や文の形式や話し方(声の高さなど)といった言語的特徴を、政権を取るまでのナチ運動期の前半と後半、さらに政権を取ってから、でどのような特徴がみられるのか、その有意な差はどのような事情を反映しているのかを分析しているもの。ジェスチャーの分析もある。演説に焦点を当てながら、ヒトラーに対する国民感情の変化の歴史を探る。
     コーパスを使ったりして分析をする部分は、もしかすると言語学のレポートや論文を書く時に、誰かのスピーチを題材にして真似できるかもしれない、と思った。ただこの本の面白さは正直、言葉の話の部分ではなく(実際のスピーチを映像

    0
    2021年08月12日
  • ヒトラー演説 熱狂の真実

    Posted by ブクログ


    新書のボリュームでヒトラーの演説に焦点を当ててヒトラーを語った書籍。
    ヒトラーについて何冊か読み込んでいる読者は物足りない部分もあるかもしれないが、ヒトラーの演説と言う非常にキャッチーなテーマを取り扱ったのは初学者にとって読みやすいと思った。

    0
    2021年08月12日
  • ヒトラー演説 熱狂の真実

    Posted by ブクログ

    ヒトラー演説をデータ分析し頻出するワードを追う。ヒトラーは演説力が有名だが実は政権中期から飽きられてたことも分かる。ヒトラーは20世紀の神秘とも言える面があるのでデータ分析だけでは追いつけない。

    0
    2018年10月13日
  • ヒトラー演説 熱狂の真実

    Posted by ブクログ

    仮定、対比、平行、交差、メタファー、誇張。
    弁論術で扇動。

    ビアホールでの演説から始まった熱狂コントロール。

    0
    2018年07月21日
  • ヒトラー演説 熱狂の真実

    Posted by ブクログ

     アドルフ・ヒトラーの政治活動全期間(ナチス入党直後から大戦末期)にわたる演説とその受容の実態を、主にコーパス分析による統計と同時代の観察者の史料を用いて明らかにしている。政権獲得までは大衆の共感を掴んだ演説が、メディアを自在に駆使できるようになった政権獲得後には早々に飽きられたという指摘は、ナチス政権確立の上で、プロパガンダよりも暴力・テロが決定的な役割を果たしたとみる歴史学の通説とも矛盾しない。極端な仮定によって二者択一に誘導する誇張した対比表現や、生理的嫌悪感・憎悪を喚起する隠喩表現などヒトラーが好んだ修辞法は、現在のポピュリスト(たとえば橋下徹)と共通しており、ヒトラーの演説は現在の政

    0
    2015年05月28日
  • ヒトラー演説 熱狂の真実

    Posted by ブクログ

    しっかりとした研究に基づいた確かな記述。
    使用語彙だけでなく、ジェスチャーや抑揚など様々な角度から、いつ、どのような演説の変化があり、その特徴が何かを淡々と述べるその内容は、学問の分厚さを感じさせる。
    単に「ヒトラーは演説の天才」とざっくりした理解がいかに雑であったかを思い知らされる良書。

    0
    2014年10月26日
  • ヒトラー演説 熱狂の真実

    Posted by ブクログ

    演説を通して第二次世界大戦の歴史がよくわかりました。ヒトラーの「わが闘争」をいつかは原書で読んでみたいものです。

    0
    2014年08月31日