松宮史朗のレビュー一覧

  • 思い出の作家たち―谷崎・川端・三島・安部・司馬―(新潮文庫)

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    谷崎、川端、三島、阿部、司馬の5名に対する親愛に満ちた論評・エピソード集。いずれも著者のあたたかい眼差しが彼らに向けられている。
    谷崎:「この新訳(源氏物語)に費やした四年間を、彼自身の創作に打ち込んでいたならばと思うと、やはり残念と言わざるを得ない。」とは、谷崎に対する最大限の賛辞だと思う。
    川端:「美しさと哀しみとの賞讃者にして日本初の前衛映画のシナリオ作者、日本伝統の保護者にして破戒された街の探査者(エクスプローラー)この矛盾した様相が作品に与える複雑さが川端を、現代日本文学の至当なる代表者にしてノーベル賞のふさわしき受賞者にしたのである。」も、至言といえよう。私にとっては難解でとらえど

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    2019年07月09日
  • 思い出の作家たち―谷崎・川端・三島・安部・司馬―(新潮文庫)

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    崇拝する 谷崎潤一郎 川端康成
    親友の 三島由紀夫 安部公房
    戦友の 司馬遼太郎 
    とのエピソードを語った本。大作家たちを惹きつける 著者の翻訳能力や人間力が凄いのだと思う


    新潮文庫 ドナルドキーン 思い出の作家たち


    司馬遼太郎 評が特に面白い

    「バスク民族への司馬の興味は、固有の言語と古代からの文化を保ちながら、自身の国家を持たないこと〜国家主義は 世界平和の最大の障害と考えている」

    「司馬は、外国人であっても日本語を完璧に話し、日本文化を愛するのであれば、顔立ちはどうであれ日本人として受け入れるべきと信じていた〜そのような新日本人が増えれるほど〜国家主義的な偏見を抑止でき

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    2025年07月25日
  • 思い出の作家たち―谷崎・川端・三島・安部・司馬―(新潮文庫)

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    エッセイというには分析的で、でも評論というには温かく…。5人の文豪たちのエピソードもさることながら、キーン先生の偉大さを感じずにはいられなかった。キーン先生のような方が、日本文学のよき理解者・批評者であったことに、本当に心から感謝したい。

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    2021年02月15日
  • 思い出の作家たち―谷崎・川端・三島・安部・司馬―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ドナルド・キーン氏が、今年(2019年)の2月に96歳で亡くなったことは、まだ記憶に新しい。外国人でありながら、日本文学や日本文化にこれだけ精通している研究者は、まずいないだろう。

    そんなキーン氏が自ら選んだ5人の日本人作家について、特別な思い出を語り記したエッセイが本書である。それにしても、日本の文学史上でも巨匠と言われるようなこの5人について語ることができるほどの親密な関係性を持つキーン氏もまた、恐るべき人物であると思う。

    最初の谷崎、川端については、おそらくキーン氏の研究対象としての偉大な存在であったのだと思う。キーン氏は、1953年に研究のために日本へ来たが、居を構えたのは、谷崎邸

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    2019年12月08日
  • 思い出の作家たち―谷崎・川端・三島・安部・司馬―(新潮文庫)

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    有名な作家だから読まなかったりしてきた…
    そんな作品や作家をドナルドキーンという海外の方が語る…
    それだけ日本を知り愛してくれているのだろう。
    少し上の世代の方にはとても馴染みがある方のようだ。

    文量はとても薄いので、触れてみたい人にはちょうど良い。

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    2022年08月20日
  • 思い出の作家たち―谷崎・川端・三島・安部・司馬―(新潮文庫)

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    手にした時のボリュウムに対して、読後の満腹感は意外とありました。ずっしり。
    キーン翁との交友のあった5人の文豪について、翁が語るエッセイ。有名どころ過ぎてそんな事は無いだろうなと思いつつも、今更「へえ」とさせられる点もぽつぽつあり面白かったです。

    安倍公房のキャラも、司馬さんの政治力も、各々の作品通りでなんだかかわいらしいと思ってしまいました。

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    2019年06月20日