ロバート・ムーアのレビュー一覧

  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    なんとなくタイトルに惹かれて買ったのですが、素晴らし過ぎた。アメリカのアパラチアン山脈に通る3500kmの超ロングトレイル。その全行程を数ヶ月かけて歩き通すスルーハイクの様子とその中で考えたことが書かれているのかなと思ったら、それはプロローグに過ぎなかった。虫や動物が作る道、例えばアリのフェロモンの道や象の道と人間の作る道との共通点や違いはなんだろうか。羊飼いや猟師がそれぞれの動物との関わりの中で道というものがそれぞれどのような重要な役割を果たしているのか、そして現代の舗装された道と自然の中に作られるトレイルとの違いはなんなのか。すべての疑問と思索が、各地を歩き訪ねることと連動していて、物理的

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    2025年01月15日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    ロマンチックだがそれが過度にならないようにバランスをとる知性的で中庸な文章が心を打つ。翻訳も素晴らしい。強引にジャンル分けするなら哲学的エッセイということになるか。
    すべての章がそれぞれに面白いがやはり彼の内省が前面に展開されるトレイル歩きがメインの章が特に素晴らしいと思った。

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    2024年03月31日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    著者の道についての探求の旅をまとめた本。
    原初の生物、虫、動物、人間と様々なテーマについて深掘りすべく、多くの場所に出向き、たくさんの専門家と話をしながら進めていく。かなりのボリュームがあるので、ちまちま読んでいたがようやく読み終わった。印象に残るエピソードが多かった。読後は銃病原菌鉄やサピエンス全史を読み終わった時のような、そこまでではないものの、中々の満足感がある。

    wildernessについての記述を少し。
    かつてはヨーロッパからアメリカへの入植者が用いていた。未開で野蛮であり、開拓して征すべき地帯を指す言葉として。一方で先住民族には生きているフィールドそのものでありwildernes

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    2023年04月02日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    とある雑誌のウォーキング特集で、歩くことが題材になってる本として紹介されていて気になり手に取った。何故道ができたのか、小さい生物から果ては今のネット社会や人生観まで幅広く書かれていて壮大だった。道とハイカーとの関わり方、日本で言ったらお遍路さんあたりを想像した。如何に速くに焦点が当てられる現代に必要な考え方が書かれている。著者が経験したような距離は難しいが、歩きたくなった。

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    2024年11月16日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    これまた荒木博之さんのVoicy、マイブックカフェのコーナーで紹介されていて気になっていた本。
    こちらを紹介された方が、本当に本の説明、魅力を伝えることが巧みで、本屋さんで見かけたとしてもタイトルと表紙だけなら絶対に手に取らなかっただろうな。良いご縁。

    以前、もしかしたら聞いたことはあったのかもしれないが、アパラチアン・トレイルという単語を初めて認知した。
    アメリカ合衆国東部、アパラチア山脈に沿って、北はメイン州のガターディン山から、南はジョージア州のスプリンガー山まで伸びる、全長約3500キロの長距離自然歩道らしい。この距離に最初は全然ピンときてなかったんだけど、訳者の方のあとがきで、下関

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    2023年09月07日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    「道」は、進化の過程そのものである。

    すでにある道を歩きながら、人は道を変えようとし、それでいて道に変化させられる。

    生き方や流儀としての「道」は、まさに先人たちが試行錯誤の末に築き上げてきた"最適"な方法である。これは、どんな場所においても様々な人が歩くことで自然に踏み固められ、不思議と一本に収斂されていく物理的な道と同じなのだ。

    「道」について、ここまで考えたことはなかった。

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    2021年03月24日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    ■メインテーマ
    人間にとって道とは何か?そこから導かれる人間という存在への根源的問い。

    ■著者の主張
    トレイルは、文明にグラス人々が失ってしまった自然の豊かさを感じる力をつなぐ場所である。

    ■感想
    経済に依存して暮らす人間が、選択に縛られ不幸になっている。トレイルにはそういったいっさいの縛りから解放してくれる大切な場所なので、1人1人がトレイルを守らなければならない。

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    2021年03月06日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    プロローグで、この本つまりこの著者と気があう!と思った。子どもの時に読んでた本が『大きな森の小さな家』だったりするところとか。
    アパラチアントレイルと言うものがあり、スルーハイカーという人たちが歩くために歩いているらしい。またこのトレイルがモロッコにまで延びて、まだまだ延びる可能性があるとか。
    道や歩くことについてのとても不思議な本だった。
    こういう本には地図がついていればいいのに、といつも思う。地図帳を見ながら読んだ。

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    2019年04月10日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    道についてひたすら思索とフィールドワーク下本。道といっても、人工道路だけではなく、動物が踏み鳴らした跡や蟻が這った跡も含めそれらすべて道である。

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    2019年03月30日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    ネタバレ

    人間は好きな方向に行きやりたいことはなんでもやる。でも結局は自然があらかじめ描いていた道に必ず戻ってくる。ゲーテ
    Man may turn which way he please, and undertake any thing whatsoever… he will always return to the path which nature has prescribed for him. - Goethe

    何も知らない人達。牛の体重推測。話し合わせるよりも全体の平均が正解に近くなる。コンセンサスがあると惑わされて正解から遠のく。でも今までで一番近い正解を見せると、更に平均が高くなる。トレ

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    2018年07月04日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    レベッカ・ソルニット『ウォークス』と姉妹のような兄弟のような1冊。…と思ったら、謝辞にレベッカ・ソルニットの名前が。

    人はなぜ歩くのか、道はどうやって出来るのか。
    面白かった。

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    2018年05月21日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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    ネタバレ

    米国東部のアパラチア山脈沿いのアパラチアン・トレイルという約3,500kmの長い長い自然歩道を春~秋に歩き通す過酷なスルーハイクを完遂した著者の、「道」(というより、跡?)に関する様々な話。虫や動物たちが作り出し、巧みに使いこなす道や、はるか古代の原子生物の移動痕の化石の話まである。生き物が移動し、他の生き物がその後を追う(トレイル)。インディアンたちの場所に大きく依存した観念、現代のスルーハイカーたちの、余計なものを極限までそぎ落とした旅。そういう話たちがゆっくり混ざり合い、はるかな大きな道としてつながっていく感覚がある。
    生き物は人間も動物も、コンクリートでもなんでもみんな否応なしに地球に

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    2023年01月15日
  • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学

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     人の意志あるところに道ができ、知識・知恵の伝承の証こそがトレイルだ。う~ん良くわからない。古代生物のずり動いた跡を最古のトレイルとして紹介されてもなあ・・・。賢い人の考えることは良くわからんというのが正直なところ。後半はアパラチアントレイルをめぐるお話に戻る。そう、これこれ、こんなお話を期待して本書を買ったんだよ。分厚い本なのに、何だか上滑った印象だった。

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    2018年06月24日