永井亜矢子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんだか、言葉の選び方がとってもツボに来る!とて
わくわくしながら読み進めました。
話が進むにつれて、その言葉の新鮮味はうすれていったのですが…(なじんだ?)
キャラクターも、なんか好きでした。
こういう、ちょっと変わった子が私の周りにもっといればいいのに。
姉妹、変わってますよね。
地味そうでいてそうでもなくて、
目立って変人でもないけどいたら「あっ、おもしろい人だ」って
友だちになりに行っちゃいます。私なら。
家族のあたたかさが後半ちょっとだけじわっとでてきた。
恋愛の話は、八人めの男がなかなか活躍しなくて
ようやく最後結ばれた(性的な意味で)。
でも望んだ結末です。
いまいち先の見通 -
Posted by ブクログ
「……大丈夫だよ」
鳩子は答えた。大丈夫ということばは、大丈夫ではない状況のときに用いられるものかもしれない。
「なら、いいけどさ」
塔子は「そうだよ、大丈夫だよ」というのをあきらかに躊躇っていた。大丈夫の「だ」をいうところからして逡巡しているのが見てとれた。「ほんとうに大丈夫?」と、訊ねるのも遠慮しているようだ。鳩子を見ずに薄い腰をのっつそっつしている。
「大丈夫だって」
鳩子は笑って「大丈夫」を上乗せした。ころもの厚い海老天の絵が浮かぶ。
朝倉かすみはなにげない状況や心情の描写で使用される語彙が独特で面白い。しかも「独特」なのを狙った感じはせず、自然に頭に入って