大阪大学ショセキカプロジェクトのレビュー一覧
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表紙には見るからに美味しそうなドーナツ。真ん中で穴が「I’m here」と言っている。そこにいるのは分かったが、「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」とは何の事やらさっぱりわからない。
この命題に果敢に挑戦した12人の識者は何れも大阪大学の教員で各分野の研究者だ。
工学研究科の准教授は「切る」「削る」とは何か、から始め、旋盤、フライス盤、レーザーまで持ちだしての加工を考える。加工精度を上げるために樹脂を侵食させて固定化する?もうドーナツは食べられなくなっている。
数学の准教授は「数学において論理的思考は自由である」と豪語し、「ドーナツの穴は、そこに指を入れていることで穴の存在を認識できる」と定義 -
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「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」という難問に、阪大の教授陣は各分野を生かしてどのように立ち向かうのか。
「超ドーナツが超々ドーナツの本性を現し(数学)」とか、「私たち一人一人は小さな存在である。ドーナツのかなたに夕陽が沈み、ドーナツの地平から朝陽が昇ってくる(精神医学)」とか、ドーナツでとてつもなく壮大な話になっている感じが面白かった(しかもそれでその学問の深淵が分かった気なするのも面白い)。
質問に答えていないようなものもあるし、ドーナツという単語は出ているけどドーナツ関係ないじゃんという話もあるけど、各分野の要約みたいな、そして身近に感じられるのが楽しい。
コラムや、各章の題名の付け方 -
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ネタバレ親友(朋友)から借りた、タイトルから惹きつけられる魅力的な本。恥ずかしながら、これがネット上で話題になった有名なコピペであることすら知らなかった。そして冒頭に解答のコピペが掲載されてるけど、これがまた上手いなと。ネット民の言語スキルすごいな。
このタイトルを解決しよう、というより一つの命題について様々な学問に基づくアプローチをしたらどうなるか、という本。美学の章と数学の章が特に好みで、数学の章を執筆した教授の文章はわかりやすいし、興味深かった。4次元ね。対して、精神医学的人間論の章の文章のわかりづらさときたら。
兎にも角にも、物事をミクロ的、マクロ的、そして多角的に考える大切さを学びましたとさ -
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「ドーナツの穴」を巡って、大阪大学の教員が自身の専門領域からそれぞれ執筆している。そのまま「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」という問題に答えているとは言えないものもあるし、ちょっと展開が強引だなと思うものも多かった。だが、普段あまり目を向けない分野を知るきっかけになったのは面白く、執筆者の目論見通りといった感じ。
↓の章が面白かった。
・第0章 ドーナツの穴談義のインターネット生態学的考察
このドーナツ問題は、もともとネット上のネタだったが、それがいつ頃どのように流行ったのかの調査。そこから生態系としてのインターネット、クチコミの伝播過程の解釈によるマーケティングの効果測定といったものに展 -
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先輩にいただいた本。
阪大学生が企画、作成、販売まで行った本。
タイトル通り「ドーナツの穴だけ残して食べる」ことに関して、経済学、法学、哲学、工学など様々な分野の教員が、その学問的アプローチで検証している。
学生による補足、語句説明があり、理解を助けてはいるが、全ての理解は難しい。だが、当著に『学問とは関心をもったものごとに対して、各個人が研究、検証、探求していくもの』の思いを強く感じた。全てを理解する必要はなく、関心をもったことを1つ発見してほしい。また、それについて深く学び進めてほしい。ということだろう。
『学問』のあるべき姿について、書いている。各章の内容は深すぎることはないので、 -
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序盤は設問に対して真正面から取り組んでいるが、全体の2/3くらいは「ドーナツ」をキーワードに自身の専門の内容を解説するもの。題名からすると「それはちょっと」と思う。
ただ、大学の教養課程の1コマを受けているようで、それはそれで面白かった。
哲学とか医学とか、ふだんなかなか手に取らない本。
「人の中心にある理想は消えない」というのが、もっとも心に残った。設問の答えとしては受け入れ難いが。
大学生が書籍化プロジェクトに取り組んで出版するまでの経過が紹介されていて、とてもよい経験になったと思う。きっかけは講義とはいえ、自ら積極的に動くとそれなりの結果として返ってくるのだなあ。 -
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大阪大学の教授がドーナツの穴についての考察から各分野の様々な理論をまとめた一冊。
経済学から哲学、化学など様々な分野でドーナツの穴から様々な考えや講釈が出てきて面白く読めました。
ドーナツの穴をいかに残すかや次元のから捉えたドーナツの食べ方、ドーナツを巡る裁判事例など大学での講義の一端を感じることができました。
また、世界各国のドーナツについてもまとめられていて興味深いものでした。
本書を通して大学の講義の一端に触れることができ、ドーナツの穴を通して様々に展開されていく話題の数々を味わうことができました。
読んだ人によって様々な感じ方がある一冊で、難しいところには解説も付いており、大学の勉 -
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「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」というテーマで大阪大学の学生がまとめ上げた本。実際に阪大教授たちに講義っぽい感じで執筆をお願いしたようで、サブタイトルのとおり大学講義っぽい内容になっている。
なので、読者次第でハマる話もあれば、拒否反応が出る話もある。私はオリゴ糖がダメだった…(´へ`)
個人的には、第2章の美学の観点からのお話はめっちゃ面白かった。食べてなくなるドーナツなどドーナツの風上にもおけない!笑
この本は横書きで書かれているのですが、句読点ではなくカンマ(,)とピリオド(.)なのがすっごい読みづらい。理系の話も扱うから横書きでもいいんだけど、私の知る限り日本語の横書きの教科書