ジャスパー・フォードのレビュー一覧

  • 最後の竜殺し

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    現代と魔法と最新技術と中世と、が入り混じった世界観の中、主人公が悩みつつも直情的に突き進み、そしてドタバタ劇が期待通りに起こって期待通りに解決されていく(犠牲は払うけど)様がとても良かった。それぞれのキャラ立ちもすごい…魔法使いや王だけでなく、一般の群衆のリアルさは、取り巻く出来事がいちいち現実とつながっているように感じるからかもしれない。

    続編もあるらしいので読みたい。

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    2023年12月28日
  • 最後の竜殺し

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    時は現代、舞台は今とは少し違うイギリス!?

    魔法やら竜やら不思議な生き物がいるけれど車は走る、裁判で訴えられる、テレビもある、現代社会を取り込んだファンタジーワールド!!!

    そんな中、魔法使い達はピザ屋の出前や下水道の詰まり取り、移植用臓器の運搬とリフォーム工事など、資本主義に上手く?折り合いを付けながら生きている・・・


    主人公は魔法使い達を束ねる会社の社長代理で、もうすぐ16歳の少女?
    彼女は魔法使いではないが魔法使い達のマネージャーをしている。

    そんな彼女がある日、ドラゴンスレイヤーの速習コースで最後のドラゴンスレイヤーになってしまう?
    しかし彼女が戦うべきは狡猾なドラゴン!?で

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    2020年06月15日
  • 雪降る夏空にきみと眠る 下

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    上巻ではまだバラバラだったピースがどんどんまとまって疾走感を増してくる。ヘンな人たちの本性も次々明らかになるけど、どれもこれも意外。チャーリーは記憶力がいいということ以外目立った能力はなさそうなんだけど、ナイーブなまでの正義感があって、どこか人を引きつける。それってフォード作品の主人公の特徴? だから奇想天外で、振り回されながら読んでいても、どこか清々しい気持ちになるのかも。

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    2019年07月17日
  • クォークビーストの歌

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    前作、最後の竜殺しからの続きとなる本作!

    魔法の力が衰えてはいるが残っている世界で、魔法使い達はピザの配達をしたり、家のリフォームをしたり、魔法の力で樹を植えたりと何とか何とか生計を立てていた・・・

    前作で死んでしまった主人公の相棒のクォークビースト!
    最近、街中で別なクオークビーストが見掛けられる?
    そして、前作以来のビックマジックによって調子の上がっている魔導士達は、橋をかける土木工事を請負、その準備中に大きなトラブルに見舞わられる!


    そんな中、魔法の力の独占を狙う魔法使いと主人公ジェニファーを嫌う国王が悪巧みを練っていた・・・

    そして、伝説の魔術師マイティ・シャンダーの影が蠢く

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    2023年04月16日
  • 雪降る夏空にきみと眠る 上

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    人間が冬眠するようになった世界でのお話。たべまくってたっぷり太って眠りにつくんだけど、数パーセントの人は途中で目覚めてしまい、「ナイトウォーカー」になって、人食いを始めたりするようになる。ナイトウォーカーは脳死状態と考えられていて、二、三年単純労働をしたあとは「分配」と言って、臓器提供のネタにされ一生を終える。
    チャーリーはナイトウォーカーをひとり「再配置」のためセクター12へ送り届ける予定だったが、途中で事件に巻き込まれ……。
    のっけからジャスパー・フォード全開。設定が奇抜だし出てくるのもへんな人ばかり(笑)しかも誰が味方で誰が敵だかさっぱりわからない。そんな五里霧中(というか冬の話だけにブ

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    2019年07月17日
  • 雪降る夏空にきみと眠る 下

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    ネタバレ

    過酷な氷河期に見舞われている地球上で越冬のため冬眠するようになった人類。越冬期間であっても、厳しい冬それ自体を含め様々な危険があるため、数%の人は眠らずに冬を越す。主人公チャーリー・ワーシングはそんな眠らず冬を越す冬期取締官の見習いとなる。見習い仕事として、越冬に失敗したナイトウォーカー(ゾンビみたいなもん)を運ぶことになったチャーリーは、その仕事を終えた後今まで見たことがなかった「夢」を見る…。

    タイトルと挿絵と裏表紙のあらすじで持っていこうとしている話の方向とかなりずれた本筋だった。確かに少年の成長譚の部分もあるが、どっちかというと巻き込まれ系迷惑トラブル被り男子が実は世界を救う系。

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    2023年06月04日
  • 雪降る夏空にきみと眠る 下

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    ボーイミーツガールを想起させる甘酸っぱいタイトルと裏腹に、物語はハイバーテック社による【ラザロ計画】の核心へと迫るサスペンスの様相を呈していく。今作は巻き込まれ型主人公の成長譚としても楽しめるし、序盤から張り巡らせた伏線をきっちり回収するプロットの妙も味わえる。しかし、初読でこの特異な世界観を読解するのは至難の業だろう。ロマンス要素は味付け程度ゆえ、邦題のミスマッチ感は拭えぬまま。この手の作風を好む本来の読者層に届く機会を逸している気がしなくもない。常時眠りの浅い私は、夢見心地よりも熟眠が恋しい限りです。

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    2021年01月01日
  • 雪降る夏空にきみと眠る 上

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    冬の季節が長くなり、人々が【冬眠】する近未来、死と隣り合わせの見習い冬季取締官・チャーリーは冬眠薬【モルフェノックス】を巡る陰謀に巻き込まれていく―。英国発のエンタメSF冒険活劇で、設定の凄まじいディテールにユーモアとシニカルが溢れるハードボイルドチックな文体が少年心を躍らせる。上巻は特異な世界観を一巡し、役者が出揃うのに費やしているが、さてさて物語は下巻でどう展開するのか。しかし、この作風を青春ライトノベル調の邦題と装丁(原題は作中用語の「Early Riser」)に仕立てて販促するのは無理がある様な。

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    2021年01月01日
  • 最後の竜殺し

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    魔法使いやドラゴン退治といったファンタジー(無から有を生み出す論理)でおなじみの設定が、じつは身も蓋もない資本主義(有限性の論理)の中にがっちりと組み込まれてしまっている、という独特の世界観。しかし、この落差を利用して資本主義の世界を徹底的に突き放して戯画化するほど振り切れているわけでもなく、ファンタジーとしてもアイロニーとしても中途半端な代物になってしまっているような気がする。期待していたほど面白くなかった。「敵は竜ではなく資本主義!?」という表紙カバーのコピーが巧かったということなのかもしれない。カバーイラストの主人公ジェニファー・ストレンジの表情がいい。

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    2020年08月16日
  • 最後の竜殺し

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    ・ジャスパー・フォード「最後の竜殺し」(竹書房文庫)の巻頭の1頁にこの物語のすべてがある。ただし、当然のことながら、それは読み終はるまで分からない。しかし読み終はるとその意外な物語に驚く……とはならない。「どれもこれも一週間のうちに起きたことだ。」 (9頁)それがここに書かれてゐるだけであり、それをふくらませたのがこの物語である。さう、それだけのこと、それだけの物語なのである。しかしおもしろい。
    ・物語の舞台は現代のヨーロッパあたりの王国である。王様がちやんとゐる。魔法は生きてゐるが、その力は衰へてゐる。魔法使ひ(本書では魔術師)も大変である。最初の章題は「実用の魔法」(10頁)である。実用と

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    2020年07月10日