長井短のレビュー一覧

  • ほどける骨折り球子

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    ネタバレ

    表題の「ほどける骨折り球子」の方は、球子の感情の発露はかなり極端でちょっと理解できないけれど、動機の方はわかる。無性に腹立たしくて、極端なことをしないと抵抗出来ない事柄だなってことも理解できるので、球子みたいな行動に出る人が居てもおかしくない。その癖球子は対話も出来るタイプで、勇もしっかり話をする人だから歩み寄れるの、羨ましいな。
    「存在よ!」も、あぁ自分は今雑に扱われているな。存在を無視されているなって場面日常で直面することがある。そんな話をしてるのに深刻になりすぎないのは、椅子の可愛らしさによるものかな。椅子、本当にキュート。大好き。

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    2024年11月06日
  • ほどける骨折り球子

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    ほどける骨折り球子

    自分はあきらかに勇のような気質があって読み進めるのがちょっと辛かった。でも最後にほどけていくところで終わってよかったのだろうと思う。

    存在よ!

    すごく好き。読み終えるとなぜこれがタイトルなのかわかる。キヌが椅子と心を通わせて少しずつ革命を起こし、ほどいていくのが本当によかった。

    両方に共通しているのは
    ・みんな心があるの
    ・私はこんなんじゃない
    ・想像しないと可能性は生まれない
    ・革命
    ・ほどく
    ということなのかな。帯にも書かれていたように本作は一つの未来なのだろうな。自分はそのような未来で革命を起こされる側なのだろうけど、それでいいしもっとやっちゃえと思いました。

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    2024年07月20日
  • 私は元気がありません

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    言葉の組み立て方に長井短さんの才能がほとばしってて、なんだ!?なんかすごいぞ!?と一気読み。
    痒いところに手が届くように、わかりやすくて納得しやすい言葉で「この気持ち知ってる!」が表現されていて、主人公が頭の中で考えてる事が、まるで自分が考えてる事みたいに不思議なくらいスルスル読めた。


    表題作の「私は元気がありません」が一番好き。
    この主人公とは少し違う理由だけど、友達との関係性が年齢を重ねるとともにどうしても変わっていってしまうのが寂しくてつらくて、結局それを認めたくなくていつものお約束を繰り返してしまう経験が私もある。
    だから吾郎の言葉は全部響いて、読み終わった時号泣してしまった。

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    2024年02月25日
  • 私は元気がありません

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    カッコいいとは思うけど、理解したとかはとても言えない(言う資格がない)し、理解したふりをすることができない音楽を聴いたような気持ちになったのが表題作「私は元気がありません」を読んだ率直な感想。

    それもあって一気に読み進めることはできなかったけど、
    「ベストフレンド犬山」と「万引きの国」は単純に好きだなーと思いました。

    Free Your Mind… And Your Ass Will Follow
    ってことなのかな、知らんけど。

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    2024年02月18日
  • 私は元気がありません

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    私も元気がありません!痛々しいほどに等身大。変化していくことは怖くてそれを認める勇気もない。カツオがずっと五年生なように、しんちゃんがずっと五歳なように、私もいたい。よくぞここまで卓越したかっこ悪い言葉を並べてくれたことに感謝したい。生きてるだけでこんなに疲れるようになったのはいつからだったか。私は元気がありません!と油性ペンで顔に書いて堂々と眠っていたいなあ。全部忘れて魚になってアンダー・ザ・シーを踊ってたいよなあ。強くなりたいけど弱いままでいたい。渋々今を生きる人たちなら主人公達にきっと共感してしまうはず。第二章のベストフレンド犬山が好きでした。

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    2025年07月05日
  • ほどける骨折り球子

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    最初の骨折する妻の話は、すごく歪んでるけどちょっと共感する部分もあった。
    自分のしていることが相手に対して何も影響がないというか、いつも同じ立場や目線になれないような感覚にもがく感じや、子どもに対するように同じ土俵に立ってもらえないような感じが「認められない」と思うのかな、と。
    だからといって行動しちゃうところはやっぱり歪んでるのかなと思うけど⋯。

    2つ目の幽霊の話は、感じられないものや理解の及ばないものを怖がることはあるけど、そういうものの意思なんてなかなか考えないからとても面白かった。
    自分の身に起きたら、呪われてる!?と思うだろうけど、確かに話したい、友だちになりたいと思ってるかも、し

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    2025年04月14日
  • ほどける骨折り球子

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    短さんが好きで読んでみました。
    球子の方が面白かったです。
    最初はすごいやばいな球子って思ってたけど、話が進むとあーそーゆー人なのかって好きでした。
    キヌと椅子の方も後半から一気に読めました。
    球子骨は折れすぎです。

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    2024年08月09日
  • ほどける骨折り球子

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    まるで舞台演劇の脚本を読んでいる感覚におちいってしまいました。骨折を4回もしてしまった設定が奇想天外でラストの驚愕の結末は本当にびっくりしました。幽霊役のエクストラのキヌの役者魂に魅せられました。本物の幽霊が見えたのか?鬼気迫る進行に読む手が止まらず一気読みでした。あなたも読んでこの不思議物語を堪能して下さい。

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    2024年06月05日
  • 私は元気がありません

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    ネタバレ

    三作品からなる短編集
    その中でも私は題名にもなってる"私は元気がありません"が好きだった。もう心に沁みた沁みた。
    この主人公雪と似たものが多かったし
    年齢も同じというところが余計に感情移入しやすかった。

    3人組で仲が良くて、でも突然その中の1人が亡くなる。そこから残った2人は遊ぶたびに台本通りのように変化を恐れる遊び方をするんだけど
    そこが私と母のようで痛いほど共感した。

    そんな遊びが続いてる中、写真をきっかけに雪と付き合ってるごろうが揉める。ごろう…とにかく良い。変化を恐れる人にとって、変化が怖いことじゃないと教えてくれる存在って向き合ってくれる人ってすごく貴重。

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    2024年02月12日
  • 私は元気がありません

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    [こんな人におすすめ]
    *小説に主導権を握られたい人
     パワフルな小説です。登場人物の怒りや恐れ、諦念を含んだ熱に振り回されます。共感したりハッと気づかされたりする場面もありますが、それ以上に、振り落とされないようにしがみつくしかない時間がしばらく続きます。日常を舞台とした小説に振り回されたい人におすすめです。

    [こんな人は次の機会に]
    *少しずつ読み進めるのが苦手で一気読みしたい人
     3遍の小説はそれぞれ別ベクトルで振り回されるため、一気に読むと複数のジェットコースターに続けて乗ったような気分になります。乗り物酔いにご注意ください。

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    2025年03月23日
  • ほどける骨折り球子

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    本人にとってはどうしても譲れない納得いかないこと。誰にも分かってもらえないし説明しづらい。それと向き合っている人の話。
    理解はできないし解決法も間違っていると思うが。
    もうひとつの話は存在が薄い人が幽霊と出会う話。幽霊のおかげで存在がじわじわ薄くなくなっていく感じがなんとも言えない。

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    2025年01月23日
  • ほどける骨折り球子

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    短編が二つ。「球子」は途中まで面白かったが、事件が発覚してからは面倒な夫婦だなと思い、ページが進まず。「存在」も幽霊に助けられる話で、なんだか気の毒でした

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    2024年11月08日
  • ほどける骨折り球子

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    球子がかなりとんでもない人物でしたね。現実で彼女を助けることが出来るのは病院でしょう。この先も主人公があのレベルの人をどうにかすることが出来るわけがない。

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    2024年10月22日
  • ほどける骨折り球子

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    球子もキヌも、印象的な人物だった。

    自分との対話を客観的に見ると、こんな感じなのか?とフワッとした感想を持った。

    著者自身を知りたくて、エッセイを読みたくなった。

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    2024年10月02日
  • ほどける骨折り球子

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    ネタバレ

    表題作と「存在よ!」という中編2作を収録。

    「ほどける骨折り球子」は、主人公の男が自意識過剰であまり乗れなかった。途中から展開が変わり「球子はなぜそんなことをしたのか?」「球子に対して俺は怒りをぶつけるべきか」と自問自答し2人の会話に入っていくのだが、球子は球子で自己愛こじらせ女で主人公以上にめんどい。最後まで読んだが「主人公にも球子にもライドしきれないなぁ、、、」という思いだけが残った。
    「存在よ!」のほうが訳わからない設定を丁寧に描いていて好感が持てた。そうか「存在してる」って、相手に承認されて自信が持てるものだよね、と再確認。はじめ茫漠とした幽霊の意識が、自分を射抜く視線を見つけて光を

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    2024年09月12日
  • ほどける骨折り球子

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    ネタバレ

    中編2篇
    お互い守りたい同士の夫婦を描いた表題作。
    映画製作の現場でスタントのキヌと幽霊の出会い交流を描いた「存在よ!」が良かった。誰からも見えない存在の悲哀が心に響く。認められたいという幽霊の頑張りとキヌの頑張り。最後の言葉「これが幽霊の第一歩。あとはよろしく頼みます。」が最高!

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    2024年08月20日
  • 私は元気がありません

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    感想
    周りの人との関係の変化。そんなの認めない。ずっと変わらず今のままがいい。だけどそれも難しい。自分だけ置いていかれる。だから足掻く。

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    2024年04月02日
  • 私は元気がありません

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    ちょっとひねくれてる人たちの繊細な感情を、みずみずしい会話と言葉で表現していて、独特な世界観に引き込まれた。
    誰もが抱えているであろう、誰にも言えない後ろめたい気持ちが、この本の中で吐き出されていて、こんなふうに打ち明けて、それでも受け入れてくれる人と巡り会えたら最高だろうなと思う。
    そりゃあ好きになっちゃうよ!
    Z世代ならではの屈折した考え方も、面倒くさいけどかわいいなぁと思ってしまう。

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    2024年02月06日