志垣民郎のレビュー一覧
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日本版CIAを標榜して作られた内閣調査室。本書内にも「日本版CIAと買いかぶるひともいるが」ということで、実態は情報局といえるほどのものでもない。ちなみに本書の舞台は主に戦後から70年代くらいまでである。
反共産、核問題、学生運動などに対する情報工作、といえば大言壮語にも聞こえるし、陰謀論的な考えが想起させられるひともいるかもしれない。(実際、本書に絡んだネット上の言葉にはそのようなものも少なからずあった)
しかし、いざ細かく読んでみると、どこまでそれが成功していたかは甚だ怪しい。委託費といっても、受け取らない者も多かったようで、堤清二に至っては「委託費は必要なかった」と書いてある。そりゃそ -
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CIRO(内閣情報調査室)創生期メンバーであり、後に内調内で学者や知識人への工作を主導する立場となった志垣民郎氏の日記を基に、岸俊光が編著した作品。行動記録や会合記録をそのまま載せることに賛否はあろうが初期内調を知る超一級資料だ。内容も生々しい。
世論操作というと高度インテリジェンスっぽいが内調の工作活動は資金援助したり接待漬けにしたり地道に人間関係を築いて時の政権が望む方向に大勢を向ける泥臭い活動だ。藤原弘達氏とのエピソードなんかは一筋縄ではいかない学者と、相互に影響を受けつ与えつつの関係性が興味深い。
「国民は政府に操られている!」と声高に叫ぶ人もいるが、志垣氏がやった『学者先生戦前戦 -
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作家の佐藤優氏が雑誌の連載で取り上げていたので、興味を持って手に取った。
「独立するからには、日本にもCIA(米中央情報局)のような情報機関が是非必要である」とのことで、第二次世界大戦後、「内閣総理大臣官房調査室」は発足。
著者は日記をもとに、その当時の記録をひもといていく。
テレビ番組「時事放談」などで昭和に華々しく活動した評論家がいる。
羽に衣を着せぬ言論で、特定の個人や団体を攻撃することもしばしばだった。
著者の大学の同級生でもあった彼も、月数回のペースで接待を「内調」から受けていた。
食事をし、酒を飲み、情報交換をするわけだ。
自然の内に、政権にとって都合の悪いことは「忖 -
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日本にもあるインテリジェンス機関の内閣調査室。謎に包まれた機関、創設メンバーが明かすその実態。
インテリジェンス部門が他国に比べ弱いと言われる日本。昭和27年に創設。メンバーの一人のにっきと手記、隠れた実態を明らかにする。
新書としてはやや厚い頁数。ただし日記のそのままの引用が非常に多く、貴重な資料を消化しきれてない素材のままの印象。編者による解題と後書きが面白いだけに、もう少し練った上で出版してもらえばと残念。
若い学者に資金提供し、論客を政府寄りの位置に保ったり、政策テーマを研究させたり、政治の世界の裏の部分。「歴史は夜作られる」という言葉を思い出す。
現在は戦後史、昭和史が次第に