八幡橙のレビュー一覧
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前作『ランドルトの環』よりも、テーマが興味深く面白かった。
綾乃は心のどこかで死への憧れを抱きながら葬儀社で働く女性。綾乃の先輩である民代の潔い引き際、自らの死の受け入れ方が素敵だなと思った。日々、死に接するからこそ生を感じるというのは、病院で働いていた自分にも身に覚えがある。自分だったらこんな最期...続きを読むPosted by ブクログ -
睦綾乃は葬儀社で働き6年になる。
ベテラン、川瀬民代に教えられることも多い。
ある時、彼女から「孤独の反対ってなんだと思う?」と訊かれる。
綾乃は考える。
自分のことは、煙のように消してしまいたいと思ってきた。
湯灌、納棺の仕事をしながら変わっていく綾乃の姿が
無理なく自然に描かれている。
線香の煙...続きを読むPosted by ブクログ -
遺体を、湯灌し納棺する仕事。
先輩の民代さんは、納棺と遺体の復元専門で、
顔の損傷の激しい「変死体」を修復、復元する特殊技能士。
それを引き継ぐ綾乃。
綾乃は死にたい願望があるが、沢山の死別を見送り、生きたい気持ちに変わって行く内容。
エンバーミング→最初から遺体の腐敗を遅らせ、美しく保持すること。...続きを読むPosted by ブクログ