ヴィエト・タン・ウェンのレビュー一覧

  • ザ・ディスプレイスト 難民作家18人の自分と家族の物語

    Posted by ブクログ

    アニメ的な表紙に反して、重い、辛い話が続く。生きるために命がけで愛する故郷をあとにして、新たな国を目指して流浪の旅を続け、絶え間ない飢えや命の危険を超えてたどり着いた先での、さらなる差別や苦難には心が痛む。排外主義や不寛容が広がるこの世界で、難民の置かれた状況がさらに悪化しているであろうことは、想像に難くない。一人称で語られたこのようなルポを読むことで、少しは難民理解に繋がるか、いや、そもそもこのような本を手に取る人は少数派か。やりきれない思いを募らせるばかりである。

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    2024年09月04日
  • ザ・ディスプレイスト 難民作家18人の自分と家族の物語

    Posted by ブクログ

    エッセイ、ノンフィクションなんだよね、つまりこれは現実。
    どんな国で、どんな状況で、どうして難民になるのか、そして行った先の国でどんなことが待ち受けているのか。まるで知らなかった。
    悲惨で読むのがつらい話もあったが、そうだよねきっとそうだよねと共感するところも。

    どれもよかったけれど、中でも『トランプの壁は、つくられる前からおいしい食べものに負けていた』(アリエル・ドルフマン)、『恩知らずの難民』(ティナ・ナイェリー)がよかった。

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    2020年02月28日
  • ザ・ディスプレイスト 難民作家18人の自分と家族の物語

    Posted by ブクログ

    世界のニュースを普通に見ている人は、さすがにここ5年の間のどこかで、難民を受けれるということについて、あるいは難民支援、ということについて、一度くらいは考えることがあったのではないだろうか。
    ん? 考えたことない?
    まあ日本にいると、あんまり深く考えなくても済むんだけれど・・・。(今のところはね)

    私も折にふれ、もし日本が、難民が押し寄せているギリシャの場所にあったら?ハンガリーのあたりだったら?ドイツだったら?イギリスだったら?と考えようとしてみたけれど、結局答えは出なくて結論はいつも保留。
    ひとつだけハッキリしているのは、日本だろうとどこの国だろうと、全員は受け入れられないということ。

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    2019年05月22日