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・無免許運転の刑事処分は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
・不法入国罪の刑事処分は、「3年以下の懲役もしくは禁固又は300万円以下の罰金」です。
↑不法移民って日本が練り上げて作った法律を無視して日本に居座ってるって普通に犯罪なのに、無免許運転よりも問題視されてない
...続きを読む感があるのなんでだろうね。なんなら罰則的には無免許運転よりも罪重いやん。
浅川晃広
1974年神戸市生まれ。神戸市外国語大学卒業。オーストラリア国立大学留学を経て、大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。博士(学術)学位取得。2002年~2004年在オーストラリア日本国大使館専門調査員。現在、名古屋大学大学院国際開発研究科講師。2013年より法務省入国管理局難民審査参与員。著書に『オーストラリア移民法解説』『難民該当性の実証的研究』(ともに日本評論社)、『在日外国人と帰化制度』(新幹社)など。
さらに料金の低下も指摘できます。たとえば、一九六四年四月のJTB主催のハワイツアーの料金は三六万四〇〇〇円で、現在の物価に換算すると四〇〇万円(!)ほどだったそうです(日本旅行業協会「海外渡航自由化50周年ニュースレター」第1弾)。今ならハワイに行くのに航空券だと数万円程度にすぎません。 この百年間で、どれほど人の国際移動のスピードが上がり、料金が低下したのかが、おわかりいただけたと思います。最近ではいわゆるLCC(ロー・コスト・キャリア)が出てきて、ますます航空券も安くなっています。
このことが意味するのは、それこそ五十年前では国際的に移動できる人が少なかったので、国家が相手にしなければならない「外国人」そのものが少なかったのですが、今現在では、「外国人」の数が飛躍的に増加したということです。 日本の例でいうと、一九五〇年の外国人の入国者数は約一万八〇〇〇人だったのですが、二〇一七年では約二七四三万人にまで増加しています(法務省入国管理局「出入国管理統計」)。なんと約一五二〇倍の増加です(図1参照)。
日本では外国人の単純労働は認められていないはずなのに、なぜこれだけコンビニの店員に外国人が多いのでしょうか? これは、入管法上の「資格外活動許可」制度と密接な関わりがあります。 この資格外活動許可とは、そもそもの「(在留)資格」の「外」の活動をしても構わない、という意味です。そして「在留資格」とは、日本に在留するであろう外国人のパターンを類型化したようなものです。第一章で「外国人は日本政府の許可を得なければ日本に在留できない」ことを説明しました。「在留資格」はこの許可に相当するものです。
この章の初めに、在留資格を「日本国としてのメニュー」といいました。より具体的には、「日本でこんな活動をしていただけるのであれば、どうぞ在留してください」という意味でのメニューが、まさに入管法の別表です。ここを見れば、品物(在留資格の種類)とその中身(活動内容)が書かれています。自分の希望が、その中身、すなわち「活動」に該当しない場合は、「申し訳ありませんが、お引き取りを」ということになるわけです。 店にとってメニューは命ですが、外国人政策にとっても、入管法の在留資格とその活動の中身がまさに「命」となります。どういった在留資格を設け、その活動内容をどのように定めるかによって、日本にいる外国人の実態が決まってくるのです。 たとえば、二〇一八年秋の入管法改正では新たに「特定技能」という在留資格が創設されました(これについては第四章で解説します)。日本国として、いわばメニューを一品増やしたようなもので、今後これを目当てにやってくるお客様(外国人)が増えていくことが予想されます。
さらに別の活用法もあります。入管では過去に強制送還になった外国人の指紋情報が蓄積されています。これと照合させることも可能になります。
ただ、一部の報道でいわれているような「単純労働者の受け入れ」「移民政策」というのは、必ずしも当たっていません。なぜなら「人材不足の分野」に限定されており、また誰でもいいのではなく、「相当程度の知識又は経験」や「熟練した技能」が求められているからです。加えて、他の外国人と同様に永住許可を得るための要件を満たすことが必要です。しかも、「特定技能1号」の在留期間は、永住許可のための居住期間としてはカウントしないという方針まで打ち出されています(朝日新聞、二〇一八年十一月七日)。
第二章でも述べたように、在留資格とは、日本という店にとってのメニューです。メニュー次第でやってくるお客さんが変わり、店の利益も大きく変わります。「日本の外国人政策」を考える際には、何よりもこの在留資格という重要なメニューに則して、議論を深めていく必要があるでしょう。 近年みられる「もっと外国人を受け入れよう」という掛け声は好ましいことではありますが、あまりに漠然としています。「こういった在留資格を作ろう」とか、「この在留資格のこの要件を変えるべきだ」といった、具体的な議論が求められます。
本来日本に来たいと思う外国人は、何らかの在留資格に該当しなければなりません。しかし、どの在留資格にも該当しないとします。それでも「日本に来たい」ということで、日本人とペーパーのうえで婚姻することによって「日本人の配偶者等」の在留資格を得ようとするのです。
一方、偽装結婚のために戸籍を提供した日本人には、それなりの手数料が支払われることがあります。 この事例として以下のようなものがあります。「偽装結婚の疑い、男女4人を逮捕 日本・フィリピン国籍」 偽装結婚を仲介したなどとして(神奈川)県警は、伊勢原市沼目4丁目、自営業青柳芳郎容疑者(六七)やフィリピン国籍の男女ら計4人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕し、八日発表した。調べに対し、青柳容疑者は「引き合わせただけだ」と供述し、容疑を否認しているという。 外事課によると、青柳容疑者らは共謀し二〇一三年二月、同国籍の男(三八)と日本国籍の女(三一)とのうその婚姻届を提出した疑いがある。青柳容疑者の依頼でフィリピン国籍の女(五七)が男を紹介したという。 男は同年八月に来日し、「日本人の配偶者等」の在留資格の更新を繰り返していた。調べに「日本でお金を稼ぎたかった」「青柳容疑者に報酬を渡した」と供述しているという。 一四年以降、不法滞在の外国人が年々増加を続けるなか、今年一月に施行された改正出入国管理法で、在留資格の不正取得に罰則が新設された。県警はこの容疑での再逮捕を視野に実態解明を進めている(朝日新聞、二〇一七年十一月九日)。 仮に入管法上の配偶者の概念が、単に法律婚だけでよしとするなら、こうしたことが横行しかねません。この意味でも入管法は外国人の人権を守っているともいえます。 いずれにせよ、日本人、外国人ともに偽装結婚には絶対に加担してはいけません。
もちろん、どこまでが利用で、どこまでが本当の愛なのかはよくわかりません。 いずれにしても実態を伴った婚姻があれば、在留資格が得られる可能性があります。どうしても日本にいたい外国人が、これを利用することは大いにあり得るといえます。 国際結婚自体はすばらしいことですが、そこには少なからず、「在留」ということが関係してくるのは、理解したほうがいいと思います。
なお、二〇一八年三月、入国管理局は、日系四世でも在留を可能とする措置を発表しました。これは日系三世までのように無制限ではなく、入国時に日本語能力試験N4(基本的な日本語を理解することができる―「日本語能力試験」ウェブサイト、以下同)に合格することが求められています。三年目の在留ではN3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる)の取得が求められ、さらにN2(日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる)を取得すれば四年目から五年目までの在留も可能になるというものです(法務省ウェブサイト「日系四世の更なる受入制度」)。
この点が、まさに建前として「日本が移民政策を採用していない」ことと深く結びついています。アメリカやオーストラリアなどの移民国家では、入国の当初から永住許可を与えている場合が多々あります。しかし、日本は移民国家ではないので、活動制限・期間制限のある在留資格を得て入国してから、それでも永住したいのであれば、申請を受け付ける構造となっています(もっともアメリカやオーストラリアでも、入国後の永住への変更はあります)。 確かに、こうした特徴はあるにせよ、入管法上、事後的ではありますが外国人の永住は間違いなく認められているのです。
①と②は明確に不法に日本に滞在している外国人です。①の「不法入国」とは、密航で日本に入った場合です。また偽造パスポートで入国し、その後発覚しても「不法入国」扱いになります。入国の段階から不法だったということです。いずれも、不法に日本に入ってくる外国人について、退去強制をします。 ②の「不法残留」とは、在留期間を超過して日本に在留している場合になります。最初の入国時には在留資格を与えられていても、決められた在留期間を超えると「不法残留」となります。そもそも在留期限が決められているので、これを超えた外国人は日本にいることはできません。「在留期間」が意味を持つためにも、期限を超えた外国人を退去強制の対象にしているのです。
この「違反調査」は、先ほど述べた第24条の退去強制事由に該当すると考えられる外国人に関する、本人に対する取り調べや特定の場所の捜索などとなっています。よくテレビで見る、「入管Gメン」と呼ばれる入管の職員が不法就労している外国人がいる企業などに乗り込んで、身柄を拘束するといったものも含まれます。 入国警備官は、そうした外国人に関して入管法に違反して在留していないかどうかの事実関係を取り調べ、それについての調書を作成します。 入国警備官の仕事はこれで終わりです。入国警備官はその外国人を入国審査官に引き渡します(第44条)。
残念ながら世界の中には、同性愛行為を処罰の対象としている国があり、中には死刑となっている国もあります。同性愛者であることは「特定の社会的集団」に該当しますし、また、「同性愛者は死刑」ということが、その国の法律で決まっていれば、客観的に見て、迫害を受けることがわかります。 このように、先ほどの五つの理由に加えて、相当強い程度の意味を持つ「迫害」を受けるという「十分に理由のある恐怖」を持っていなければ、難民条約上の「難民」とは認められないのです。そして、その「理由」と「迫害」の間の十分な関係性が求められます(これを「条約上の連関性」(Convention Nexus)ということもあります)。
「国籍」とはその国のメンバーシップ、会員証のようなものです。第一章で説明したとおり、その国の国籍を持つ人が「国民」であり、そうでない人は「外国人」となります。 国民は、その国のメンバーとして、国会議員選挙に投票する権利、または立候補する権利、国家公務員になる権利、といった国民固有の権利を手に入れることができます。 国会議員として法律を作ることができる人が、外国人であることは不自然です。もしかすると、日本の不利益になるような形で法律が作られるかもしれません。国家公務員についても、日本国民のために働く人々です。もしも国家公務員が外国人である場合、仕事のうえで外国政府に影響されるかもしれません。このため、国会議員や国家公務員については「日本国民に限る」とされているのです。
帰化制度についても、許可権者が「法務大臣」になった他は、帰化の条件についても大幅な改正はありませんでした。 そしてこれが現在まで続くのですが、以下のようになっています(国籍法第5条)。①引き続き五年以上日本に住所を有すること。②二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。 ①は変わっていません。ただし、日本人の配偶者の場合は三年に緩和されています(国籍法第7条)。②も変わっていません。③素行が善良であること。 「品行端正」を現代語に言い換えたものです。④自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。 基本的に同様ですが「生計を一にする」が加わっています。このため自分には経済能力がなくとも、配偶者に経済能力があり、扶養されているのであれば問題ないことになりました。⑤国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。 同様で、二重国籍を認めていません。⑥日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。 新しいものですが、暴力革命を起こして政府を転覆しようとする人物が念頭にあると考えられます。
さらに帰化の肯定面について尋ねたところ、主な傾向としては、日本生まれの外国人で帰化した人では「特によかったことはない」が目立ったのですが、外国出身の外国人で帰化した人は「日本で永住できるようになったこと」が目立ちました。 外国出身の外国人が、本書で述べたような入管法上のさまざまな制約から解き放たれたことを肯定的に捉えていることは、大いに理解できます。一方、そもそも日本への入国といったことを経ていない日本出生の外国人は、「入管法上の制約からの解放」という文脈で、帰化による日本国籍取得を位置づけていないかもしれません。