乙川優三郎のレビュー一覧

  • ナインストーリーズ

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    現代小説へと舞台をギアアップした氏の短編9編。
    何れも人生黄昏期を迎えた男女の来し方行く末を偲びやかな辛口であったり、乾いた文体で・・あたかも俯瞰する視点で見つめている。

    あれ、乙川さんって・・直木賞だったよねと思うほど、最後の作品は芥川賞っぽく、それを読む私も・・あれ?(芥川賞系は合わないので)

    同じテイストばかりでだれないと言えば嘘になるが、職種、設定の多様さは筆のの冴えを見せる。
    「安全地帯」「海の~」は昨今、一番よくありそうな話・・男は自分一人では帳尻を成功へは持って行けない。
    「六杯目~」はなかなかでこのラスト、さ―て丁か゚半か
    筆者の生活スタイルから「都会の人生」が前面に出てい

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    2021年10月12日
  • ナインストーリーズ

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    満足? 後悔? 愉悦? 絶望? 
    人生の黄昏を迎えるとき、人は自らの来し方をどう捉えるでしょうか。
    長く別居して年一回の対面を重ねる夫婦、
    定年間近の独身男の婚活、
    還暦過ぎの女友達二人、
    かつて交際していたアイドル歌手同士の再会……。
    乙川さんの新作は、誰の身にも起こり得る人生模様を端正な文章で紡ぎます。

    時代小説から現代に小説の舞台を移してからも大佛次郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞、島清恋愛文学賞など数々の評価を得ている筆者による9つの物語。

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    2021年10月04日
  • ナインストーリーズ

    Posted by ブクログ

    短編の時は特に、各タイトルが秀逸。
    しかし、どれもなかなかに辛い話。5と8話は幸福感があるか。1と7話が好き。
    何時もの如く、女は強く、男は流されていく。
    人と人の心のすれ違いを描いているだけなのに、なぜこんなにも格調高く感じるのか。
    とは言え、似た感じのものが増えてきているのは、少しつまらない。

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    2021年09月21日
  • ナインストーリーズ

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    晩年を迎えた男と女の来し方行く末を美しい文章で、時に甘く、時に辛辣に描く9つの短編。
    若さの青さと苦さを描いたサリンジャーの短編集と同じタイトルながら、それとは対照的なのが面白い。

    安定を捨てきれず、人生の後半に差し掛かってなおぐずぐずと逡巡する男に対し、あまりに強く身軽な女性たちの姿が印象的。
    そんな女性を見て、恥ずかしくない自分でありたいと思う男あり、今更自分を変えられないと現状に踏みとどまる男ありとバラエティに富む9つの物語。

    特に好きなのは「闘いは始まっている」と「くちづけを誘うメロディ」。前者は前に進む清々しさを感じ、後者は珍しい設定ながら、しみじみとした味わいがある。
    もちろん

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    2021年07月30日