四宮義俊のレビュー一覧

  • 新宿の猫

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    新宿ゴールデン街を舞台にした奇跡。
    色弱ゆえ希望の就職活動が出来なかった山ちゃんは、テレビ界の構成作家を師と仰ぐ。たくさんの視聴者を喜ばせるために奮闘するも空回り。生活に疲れた時、ふと立ち寄ったゴールデン街の小さな飲み屋で夢ちゃんと出逢う。何やら訳ありの夢ちゃんに次第に惹かれていくが、やっぱり訳ありで思うようにいかないところが、まるで猫のようだ。
    飲み屋に集う面々が皆個性的で、自分もカウンターで飲んでいるような錯覚を覚える。
    結末は・・・「あん」や「カラスのジョンソン」と同様、ちょっと悲しい。

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    2022年04月26日
  • 新宿の猫

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    何と生々しくかつ温かい描写なのだろうと思ったら、半分自伝の小説だそう。

    人生におけるままならなさ、自分を貫こうと奮い立つ日、上手くいかない苦しさ、それをいなす日々、その日々の中でみつける楽しさも、時折来るどうしようも無く辛い出来事も、辛さが薄れていく年月も、全てが丁度良い温度で綴られている。

    仰々しいかもしれないけれど、この小説は人間讃歌、とさえ言いたい。

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    2022年01月01日
  • 新宿の猫

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     もう「叫ぶ詩人の会」の歌を聞いて以来,ドリアンのファンになってしまったので,評価は付けられない(5以外にない(^^;;)。
     さて本書について…
     新宿に住む十数匹の野良猫を題材にして小説が書けることが面白い。主人公の山ちゃんという男性(ボク)。小さな焼き鳥屋の店員の夢ちゃんという女性。その焼き鳥屋に集まる常連は,なかなかクセのあるメンバーだ。
     小説の常で,内容についてちょっとでも紹介すると,読むときのドキドキさがなくなる。だから,これ以上は書かない。
     ただ,いろんな創作や文学や芸術は,一般大衆の大多数を相手にするのではなく,目の前にいる一人に向けて行うものではないか…という作者の訴えに

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    2021年12月12日
  • 新宿の猫

    ネタバレ 購入済み

    ネコに優しい街

    イスタンブールは猫が暮らしやすい所のようです 夢ちゃんが幸せに暮らせますように

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    2019年03月03日
  • 新宿の猫

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    ネタバレ

    選ばれていないときが選ばれているとき。そんなときにも寄り添ってくれる人、詩、そして猫がいる。
    切ない夜にホッピーの飲めない僕は、「なやむ前のどんぶり君」以来、虜になっている焼きピーマンを食することにしよう。

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    2019年02月18日
  • 新宿の猫

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    ネタバレ

    よく耳にはするが、行ったことのない
    「新宿ゴールデン街」
    そこの小さな居酒屋での人間模様、猫もよう

    それぞれの暮らしが厳しくて切ない
    あがいている人人猫
    いやあ猫は達観してるかな

    ただラストがとても穏やかだったので
    静かな気持ちでページを閉じることができた

    散りばめられた詩がいいな

    うちの近所の保護猫の家族図、絵が下手だからなあ
    残念 描けないよ

    ≪ 猫たちの 秘密分け合い でも離れ ≫

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    2022年01月04日
  • 新宿の猫

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    構成作家の卵である「ボク」は明日の見えない闇の中でもがいていた。
    そんなある夜、何となく立ち寄った新宿ゴールデン街にある花梨花という小さな居酒屋で、野良猫を可愛がる夢ちゃんという女性店員と出逢う。客には無愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに「ボク」は惹かれてゆく。
    2人は次第に距離を縮め、猫についての秘密を分け合い、大切な約束をするのだが…。

    読んでいる最中に、これはもしかしたら、程度は分からないけれど作者の実体験も入っているのかな?と思った。というのも、夢ちゃんは詩作が趣味で、その夢ちゃんに影響されて主人公も詩を書き始めるくだりがあって、2人が書いた詩も作中に登場するから(作者は詩人で

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    2021年05月27日
  • 新宿の猫

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    あっというまに読んだ。

    目。瞳。
    みんな違う色だし、みんな違うものが見える。
    でもそこがすてきなところ。

    そして最後の注釈がまたいい。

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    2020年03月08日
  • 新宿の猫

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    1962年生まれ、ドリアン助川さん、初読みです。「新宿の猫」、2019.1発行。新宿ゴールデン街が栄えた時代、斜視の夢ちゃん22歳が働いている「花梨花」という居酒屋を舞台にした物語。猫たちは自分の家族として、17匹の猫の家族図を冷蔵庫に貼り、廃墟となったホテルの一室で猫たちを世話し続ける夢ちゃん。そんな夢ちゃんに魅かれる構成作家で色弱の山ちゃん。「猫たちに幸せあれ」、そんな気持ちがこみあげてくる作品です。

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    2019年10月30日
  • 新宿の猫

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    お互いの気持ちを最後に詩として表現しているところが、読んでいて一番ホッとした場面だった。
    別々の道に別れてしまったけど、再び会うことができ本当に良かったと思えた一冊だった。

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    2019年05月15日
  • 新宿の猫

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    売れない構成作家の卵と過去に傷を持つ女性の淡い恋の物語。

    バブル期の新宿ゴールデン街にたたずむ居酒屋・花梨花。

    山崎は色弱で、希望した就職ができず、有名構成作家の元で仕事を始めたが、大勢の人に向けたメッセージを生み出すことに喘いでいた。

    花梨花にふらりと入った山崎は、店員の夢ちゃんと出会う。

    夢ちゃんは斜視があり、不思議な雰囲気を持つ女性で、猫好きでもあった。

    その店では、店の窓に現れる猫を予想して賭けをする「猫じゃん」をしていて、夢ちゃんお手製の「猫の家族図」が張ってあった。

    次第に夢ちゃんに惹かれていく山崎は、ある日、夢ちゃんの悩みを聞くことになったが、2人の間は突然引き裂かれ

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    2019年03月17日
  • 新宿の猫

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    新宿ゴールデン街。ちょっと怖くて胡散臭いけれどちょっと憧れます。
    かつての捻じれた若者達が大人になった今、昔どうしてそうなったのか分からない事だらけで、どの扉を開ければ未来につながっているのか全然分からなくて、悶えていた時の気持ちは今も残っているでしょうか。
    たくさんの猫がひょっこり顔を出す居酒屋。店員の女の子の書いた猫の家族図。猥雑でどこか暖かな人々。色弱というハンデを背負って夢であった映像の道を絶たれ、いつも背中を丸めてもがいているような主人公。初速は遅いけれど読んでいるうちに心に加速がついて、心が次々追い抜かしていく風景はかつて自分が見た風景だったような気がしました。
    昔が懐かしく、過ぎ

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    2019年02月25日
  • 新宿の猫

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    新宿ゴールデン街。

    夢ちゃんと「猫の家族図」

    「金のあじさいと銀のあじさい」のエピソードがとても悲しい

    猫しか信じられなかった…

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    2022年07月17日
  • 新宿の猫

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    テレフォン人生相談のドリアン助川さんとして知っていたのですが、小説はどうなのかなあと、読んでみました。やはり優しい人の書かれる小説だなあと思いました。これからも色々読んでみたいです。

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    2019年07月05日
  • 新宿の猫

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    バブルを迎えた頃の新宿ゴールデン街を舞台にした恋愛小説。
    主人公と、主人公が恋をする飲み屋の女の子夢ちゃんのどちらも視覚に問題があり、それが色や感覚や猫につながっていくところは上手いなと思った。
    みんなに、ではなく誰か一人の心にとどくものを、という思いは、この作者の全ての作品に通じるものかもしれない。
    大江健三郎の『個人的な体験』で、個人的な体験を掘り下げていけば、普遍的な道にたどり着く、みたいな表現があったけど、それと似ている気がする。
    実体験者だけにバブルの頃の勢いのある猥雑な雰囲気がよく出てて、こういうのは若い人が想像で書くのは難しいだろうなとも思った。
    読み始めたらイッキ読みで、このリ

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    2019年03月02日