神山奉子のレビュー一覧

  • のりうつぎ

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    雅楽の龍笛を吹く大学院生の邦生は画学生の茜と出会い結婚、栃木へと移り住み、2人の娘たちを授かる。姉・笛子は姉妹でありながら自分とは正反対の華やかさを持つ妹・笙子―可愛らしく、大胆で、周囲を惹きつけて止まない彼女を横目に、自身は笙子の「影」に徹していた。
    龍笛を生業とする父を師として笛子は笛の道へ進む。しかし15の夏、海で起こった出来事をきっかけに笛子の笛は変わることになる。一方、地元を離れて絵の勉強をすることになった笙子はひとり京都の大学へと進んだ。

    笛子の章と笙子の章がそれぞれ交互に進みストーリーは展開していく。
    それぞれが秘めていたゆえにすれ違っていた心が、章を追うごとにその歯車が合わさ

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    2016年01月13日
  • 短編集2 金銀甘茶

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    現実とファンタジーを織り交ぜながら展開する、寓話のような9編。
    あらすじにも書いてありますが、各作品のファンタジー度はかなりまちまちです。しかし、どの作品も少し前に感じる時代設定と自然豊かな描写、人の心の多様な在り様が描かれています。印象的な作品を簡単に。

    『瑠璃の鑿(のみ)』・・・両手がない状態で生まれたチグサを支える家族の話。自分の心からの願望や天職すらも投げ打って守りたい人がいる。
    『金銀甘茶』・・・男女の仲を結ぶ金と銀の羽衣を織り続ける姉妹。記憶を一年しか留めない彼女たちの前に表れた運命の人。
    『天空の湖』・・・その村では幼い女の子がふと居なくなる。かつて娘を失った父と3人の男の子で

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    2016年01月19日