澁谷智子のレビュー一覧
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Cさんは在籍していたのが大学院であったため、詳細は、小学校や中学校、高校と違うところもあるだろう。ただ、自分が学校のルールを逸脱していてそれが低い評価につながっているという意識を持ち、なんとかがんばろうとするものの自転車操業で疲れていき、到達可能なゴールが見えずにあきらめる、というプロセスは、他のヤングケアラーにも通じるところがある。
ケアを担う子どもや若者たちのなかには、自分が能力の向上を期待される時期にいろいろなことができなくなっていく家族をケアすることで、「世の中で価値ある人間とは何か」をめぐる矛盾を抱きこんでしまう人もいるのである。学校の規範をそういうものだと受け入れて能力の向上 -
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昨今問題になっている「ヤングケアラー」について取り上げた本書。
介護を担う18歳未満の子どもたち。
介護というと親の介護を連想するが、難病を抱える兄弟姉妹の介護に追われる若者・子どもたちも大勢いる。
本書は2018年出版で、この当時は、まだ「ヤングケアラー」という言葉は聞き慣れなく、新鮮で、その問題の深刻さを知る上で有益だったと思う。
本書のレビューにも、「私もヤングケアラーだった」「自分はヤングケアラーだったと気づかされた」「今もヤングケアラーです」という書評が多いことにも驚いた。
それだけ、問題が表面化していないということか。
このコロナ禍で、「ヤングケアラー」がどうなっているの -
Posted by ブクログ
(主に家族の)介護を担う18歳未満の子どもが、日本にも一定数いるというこは、あまり知られていない。
介護のために学校に行けなかったり、同世代との交流が図れなかったりして社会から孤立していく。また社会資源を知らないため、どのような支援が受けられるのかを知らずに苦労を重ねていく若者も多い。
この分野ではイギリスが進んでいるという。
まずは、ヤングケアラーという存在を世の中に広げていくことが必要だ。その中から当事者として自らの体験を語る人が出てくれば、社会としてどんな支援ができるのかという議論が生まれてくる。
もしかしたら私の身近にもヤングケアラーは、いるのかもしれない。