ジェイムズボールドウィンのレビュー一覧

  • ビール・ストリートの恋人たち

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    社会には、ほかの人に害を及ぼす人をやむを得ず拘束して隔離する仕組みや施設は必要だと思う。社会への信頼を保って、社会を存続させるためには必要なことだ。

    でも、その仕組みに差別が組み込まれていると、罪の無い人やその周りの人の人生を破壊してしまう。社会のシステムに差別が組み込まれていると、そのシステムはかえって社会を破壊してしまう。

    私はボールドウィンの描く人生の複雑さがずっと好きだ。

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    2021年03月21日
  • ビール・ストリートの恋人たち

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    今まで私が読んできた海外の小説はどれもこれも白人が主人公だったんだな、と改めて思い知らされた。

    この小説には様々な差別の眼差しがある。
    例をひとつだけ挙げるとすれば、貧しくて家を買うのも一苦労なのに、そもそもここに住みたい!と思っても内見もさせてもらえないのだ。
    それは彼らが「黒人だから」。
    私が読んできた海外小説の主人公達はそういう状況に陥ったことはない。
    誰もが皆んな学校に通えるくらい貧しくない家庭状況で、当たり前のように勉強をしていて、大学を入学したり卒業したり就職したり。
    そして誰かから肌の色だけで決めつけられて、あからさまな差別を受けたりしない。
    通りを歩いているだけでジロジロ見ら

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    2021年01月24日
  • ビール・ストリートの恋人たち

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    権力が今以上に堂々と人種差別をする時代だった70年代。憎悪以外のなにものでもない理由で無実の罪をきせられ収監された男と、彼の子どもを妊娠している女、そして彼らを救おうとする家族の奮闘。ラブストーリーなんだけど、これはちょっとすごいです。とてつもない絶望と瑞々しい希望のイメージが、交互に湧き上がり畳みかけてくる文章。小説というより迫力ある絵画を見たような気持ち。映画版もすぐ見て、そちらも良かったけど原作とは別物の良さ。文字でここまで光と闇を「見た」っていう気分になれることってそうそうないから、みんな小説版を読んでほしい!

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    2020年03月12日
  • ビール・ストリートの恋人たち

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    ネタバレ

    ジェームズ・ボールドウィンが綴る世界はとても美しかった。
    彼らにとってあまりにも過酷で、命の危険すらもたらすのに。ティッシュとファニー、二人は恋人同士だけど、彼らが与えられる愛も、与える愛もひとつではない。
    ジェームズ・ボールドウィンは世の中が彼らに齎らす苦痛に喘ぎながらも、それでも世の中にある愛を見失うことはなかったんだろうなと。あるいは、より鮮明にそれが縁取られて見えたのか。

    なんにせよ、彼の世界に引き込まれっぱなしでした。
    映画も素晴らしかった。原作の美しさが描かれていて。
    私はアメリカという国、歴史に対して無知だ。でも、ここ数年で出てきた作品に触れながら、以前よりは少しでも知ったと思

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    2019年03月05日
  • ビール・ストリートの恋人たち

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    レイプの冤罪で逮捕されたことを背景にしてるが、純粋に無実が証明されるというようなスッキリさを感じさせない鬱を感じる作品だった。姉と母の活躍も見れてる点ではフェミニズム小説でもある作品と感じる。理不尽さをしっかり描写しながら、人間ドラマもしっかり描写されてるのが非常に良い点だ。

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    2023年01月07日
  • ビール・ストリートの恋人たち

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    ボールドウィンの名を久々に見たような気がするが、映画になったため新訳で出たんだね。

    人種差別の面もさることながら、恋愛小説としての純度が高い。19歳の”ティッシュ”の目で語られることで、なお一層ヒリヒリする。

    選曲がクール。

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    2019年02月20日
  • ビール・ストリートの恋人たち

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    近年映画化されたため日本で出版されたが、1973年に書かれた作品。自分が手に取ったのは黒人作家という理由。ビールストリートとは有名なブルースの曲名であり、黒人の魂を象徴しているそう。物語→若くして結婚し、腹には子供が宿りながら、旦那は無実の罪で拘束されている。妻の家族が一枚岩となり厳しい状況に立ち向かう様子。まだまだ差別のあからさまだった時代に、「黒人だから」そしてそれにおもねらない態度が生意気ととられ、世の中に対し見せしめとして利用された。後味悪く終わる最後だが、事件は終わっても社会の問題は解決しない。

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    2019年07月28日