久和間拓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久和間拓『エースの遺言』双葉文庫。
第38回小説推理新人賞受賞作の表題作を含む4篇を収録した短編集。
表題作よりも『秘密』が断然良かった。全体的にミステリーを描くためのシチュエーション造りで少しもたもた感があるのが残念。シチュエーションをごく自然に描いていれば、面白さが倍増したはずなのに勿体無い。
『エースの遺言』。表題作。少し偶然が重なり過ぎのようにも思うが、現実というのはそういうものだろう。様々な偶然が重なり合い、人は予想外の未来を歩むことになるのだ。25年前、将来を嘱望されたエースが甲子園の決勝再試合で強行登板する。その後、登板させた監督は世間から批難を浴びて辞職する。甲子園での登板を選び、プロ野球の夢を諦めたエースに一体何があったのか……★★★★
『秘密』。まさかという結末の哀しい秘密。非常に面白いミステリーだった。末期癌で余命1年を宣告された老人と近所に住むかつての同僚だった老人。あることが切っ掛けで二人の独居老人の間で週に一度の絵葉書のやり取りが始まる。ミステリーのシチュエーションを整える所に多少のもたもた感はあるが……★★★★★
『ジョーカー』。会社の同期のライバルがシンガポール行きを賭けて凌ぎを削る。圧倒的に有利だったはずが、何故か闘いに敗れた主人公。この短編もまたミステリーのシチュエーション造りでもたもたした感がある。そして、偶然が重要な要素を握る。★★★
『約束』。有り得ないストーリー展開が残念。高校の統廃合を間近に控えた駅伝部。今の校名で最後の大会で優勝を狙う。皆で埋めようとしたタイムカプセル……★★★
本体価格640円
★★★★