久和間拓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久和間拓『エースの遺言』双葉文庫。
第38回小説推理新人賞受賞作の表題作を含む4篇を収録した短編集。
表題作よりも『秘密』が断然良かった。全体的にミステリーを描くためのシチュエーション造りで少しもたもた感があるのが残念。シチュエーションをごく自然に描いていれば、面白さが倍増したはずなのに勿体無い。
『エースの遺言』。表題作。少し偶然が重なり過ぎのようにも思うが、現実というのはそういうものだろう。様々な偶然が重なり合い、人は予想外の未来を歩むことになるのだ。25年前、将来を嘱望されたエースが甲子園の決勝再試合で強行登板する。その後、登板させた監督は世間から批難を浴びて辞職する。甲子園での登