吉次公介のレビュー一覧
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日米安保体制史
著:吉次 公介
岩波新書 新赤版 1741
55年体制は崩壊したが、サンフランシスコ講和条約体制はいまだ、続いたままだ。
冷戦は終わったが、日本は依然として、アメリカの極東防衛の要であり、沖縄は、中東へと続く、インド洋への補給拠点の中心であり続けている
戦後の日本の政治には、当然のことであるが、いつも対面にアメリカがいた。そして、日本にいるアメリカと向き合わなければならなかったのは、日米安保条約だ。
本書は、サンフランシスコ講和条約から、現代にいたるまで、日米安保条約とその運用に関する歴史である
気になったのは、以下です
■日米安全保障条約の締結
・アメリカは、ソ連 -
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箇条書きで簡単な要約
・日米安保体制は当初、一時的な措置として作られた条約であった。昭和天皇もソ連に対する恐怖心から米軍の駐留を望んでいた。
・米軍兵の素行は悪く、日米地位協定により米軍兵に対する裁判権は米国にあった。(現在も何度か改定の後、部分的に裁判権は米軍にある?)本土にも軍基地が多数あった頃は殺人や暴行事件等が多数あり、本土の人達の米軍に対するイメージは良くなかった。
・極東条項により、日本周辺の有事に対応する目的の米軍基地であったが、ベトナム戦争や湾岸戦争によって対象は拡がっていき、アメリカの世界戦力において重要な基地へと変化していった。
・冷戦終結により安保体制の意義が問われ -
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今、当たり前のように存在している「日米同盟」が辿ってきた歴史をわかりやすく読み解いた本。新書なので、駆け足で長い歴史をたどることになっているが、極端に保守的でもなく、極端に左派的でもなく、まさに学者の方が書いた本で読みやすかった。
だからこそ、筆者が最後に指摘した現在の日米安保体制における論点は興味深い。(203〜205ページ)
(1)「日本が米国の世界戦略に深く関与する」という今の日米安保体制のありかたに対する国民の合意が不十分
(2)米国が誤った戦争を起こした場合の対処が不明確。「「対称性」の高まりが、日米の政治的「対等性」に直結しているわけではない。」(204ページ)
(3)安全保障の -
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日米安保体制の通史。あることが当たり前のことになっているこの安保体制がなぜどのように形成されたのか、どのような経緯で今の形になったのかを、4つのキーワード「非対称性」「不平等性」「不透明性」「危険性」の観点から見ていく。
密約の存在など、安全保障上の必要性からであるが、民主主義の根幹を揺るがすようなことが実際にあったということは、もちろんあったろうとは思ってはいても、情けなさを感じてしまう。米軍の権益最優先は新旧安保条約どちらにおいても原則であった。
安保条約発効から2013年まで、米国統治下の沖縄を除いて、1000人以上の日本人が米軍関連の事件、事故で亡くなっている。それが本土の米軍基地が縮 -
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教科書的な理解が得られる上、他の類書とくらべ格別に読みやすい文体。
メインは池田勇人、つまりは安保が成立した後の運用についての駆け引きで、安保成立までの吉田~岸は前書き的な扱い。
とりあえずまだ途中だけど、↓のあたりの綾がすっきり整理された。
■日米安保があるから、日本は武装の必要がなかった
→戦後の反戦感情と東西冷戦という2つの難題を解消する冴えたやり方だった
(当初は安保で相互軍備が要求されたが、「基地の提供」が日本の軍備を代替するっていうロジックをマッカーサーJr.が捻り出した)
→冷戦下で必要だったはずの国防費を「所得倍増」に振り向けられた -
Posted by ブクログ
日米安保体制の通史。かつての日米安保研究は、あえて単純化すれば冷戦構造・保革対立構造と直結して党派性を免れなかったが(というより研究者が左右の政党や政治家のブレーンというのが少なくなかった)、著者の世代あたりから、保守的な「政治外交史」の枠組を維持しつつも、そこに安保に起因する矛盾や問題に対する批判的な視点(革新的・民衆的な問題意識)を導入する、「現実的な批判派」とでもいうべき傾向が少しずつ現れたように見受けられる。本書は220頁弱のコンパクトな文量だが、叙述の密度は濃く、日米両政権の政策決定過程や外交当局者間の交渉過程を手際よく整理する一方、基地問題や駐留軍が引き起こす社会問題の変容を重視