箇条書きで簡単な要約
・日米安保体制は当初、一時的な措置として作られた条約であった。昭和天皇もソ連に対す
る恐怖心から米軍の駐留を望んでいた。
・米軍兵の素行は悪く、日米地位協定により米軍兵に対する裁判権は米国にあった。(現在
も何度か改定の後、部分的に裁判権は米軍にある?)本土にも軍基地が多数あ
...続きを読むった頃は殺人
や暴行事件等が多数あり、本土の人達の米軍に対するイメージは良くなかった。
・極東条項により、日本周辺の有事に対応する目的の米軍基地であったが、ベトナム戦争や
湾岸戦争によって対象は拡がっていき、アメリカの世界戦力において重要な基地へと変化し
ていった。
・冷戦終結により安保体制の意義が問われることになったが、外務官僚や防衛官僚は安保体
制は周辺の安全保障にとって非常に重要であるとして、条約の保持に動いた。
・基本的に戦後、対等制のある関係に持ち込みたかった日本は、米国の軍事作戦に貢献しよ
うと米軍の活動の拡大を容認してきた。しかし、湾岸戦争において日本の関与の仕方は米国
にとって不満があるものであり、多くの批判にさらされた。そのトラウマは自衛隊の対外活
動の拡大の容認につながった。
感想
戦後、対共産という観点から日米安保体制が築かれたのは、ソ連や中国、北朝鮮の停滞を考
えると、米兵の横暴は目に余るもので許しがたいとしても一定の意義のあるものだったと思った。
ただ対等の日米関係を志向した政治家や官僚が米国に大した譲歩も引き出せず、結果在日米
軍の権限拡大を継続的に許してしまった。それによって、極東地域の現状維持のみならず米
国の世界戦力に日本人が( 特に沖縄の方々)巻き込まれるのには妥当性があるのだろうか。
2014 年に解釈改憲により集団的自衛権の行使が容認された。安倍前総理はこれにより遠方
の戦争に巻き込まれることはないと言っている。しかし、米国の要望に答え、なし崩し的に
自衛隊の活動範囲を拡大してきた歴史を踏まえるとそう甘くはないと思う。
米国にとって在日米軍基地は日本人を守るためというより世界戦略上のために存在するの
であり、撤退はもはや許されない。日本はその足元を見て各交渉を有利に進めることができ
なかったのだろうか。一読すると対等の関係を築く事ができたとは思えない。今後も注視しないといけないと思った。
後、本土の負担が減った後も沖縄の負担が残り続けているのだか、我々の関心は本土に基地
が多数あったときより薄れていてるというような事を著している。私はそれを戒めにしな
いといけないと思った。
東京一極集中の対策に政府が無関心なのに対し地方在住の私はむず痒さを感じているが、
多くの沖縄県民は我々の無関心に対しそれを遥かに上回る苛立ちを感じているはずである。