長谷川修一のレビュー一覧

  • 世界史のリテラシー ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか バビロニア捕囚

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    バビロン捕囚をきっかけに、ユダヤ人、ユダヤ教の出発点と苦難の歴史をとても平易な言葉で大まかにまとめた分かりやすい”教科書”。ディアスポラと、その後のアイデンティティ保持の努力が迫害の要因になっていく過程を説明。民族として、一つの宗教の信徒として、一定の土地に住む者として、というさまざまな括りの中にある「ユダヤ」という枠組み、善悪是非は別として、戦後ようやく「国家」としての土地を確保した現代のイスラエルが、その場所を死守すべく強硬姿勢をとる心情と背景の理解が進む。

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    2024年02月06日
  • 世界史のリテラシー ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか バビロニア捕囚

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     ユダヤ人はなぜ世界中で迫害されるようになったのか、そのことが知りたかった。それは、どのようにユダヤ人になったのか、ということと深く関係している・・と思ったからである。


     しかし、本書は「ユダヤ人は、いつユダヤ人になったか」という書名の通りの本であった。バビロニア捕囚がヘブライ語聖書を編み出し、一神教のユダヤ教、キリスト教、イスラム教を作り出していった。今に続く歴史、物語である。

     世界中どこにいても聖典としてのヘブライ語聖書の内容に従って生きる、そのことが支配的になったキリスト教徒の目には異質に映り、そして次第に迫害されるようになっていく、その行き着いた先がホロコーストであったと、本書は書く。本書の主題ではなかった。

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    2024年01月28日
  • 旧約聖書の謎 隠されたメッセージ

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    歴史研究はパズルのピースを合わせていくようなものだ。多少の違和感がありながらも、ピースが収まれば、それが通説(教科書に載る歴史)になっていく。聖書にある出来事が事実か否かを探る内容だが、誰もが『歴史』として学んだモーセの出エジプトもいずれ真実としては変わっていくのだろうか。
    調査技術が進歩して、年代の特定精度が高まっていく中、今後も新たな歴史として作られていくのだろうか。否、歴史は歴史、過去は変わらないはずだ。
    わからない未来への恐怖は拭えないが、判りすぎる過去も自分はあまり望まない。当時に生きた人々に取って真実は一つ。無かった、という事実も一つの答え。真実を知りたい!という、燃え盛る探究心が、科学技術の進歩で消えないことを望む。

    後半のヨナ書の項、『読む際に、ジャンルを決め打って読んでいる』という指摘には、自身を振り返り何でも知識・経験で考えてしまう頭のクセを改めなければと感じた。
    頭を平らにし、文字、表現、構成が伝えようとするメッセージを感じ取りたい。

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    2023年03月11日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    聖書はそれが史実であるかはともかく、その時代に書かれ人々に共感された事実に価値と面白さがある。
    私の日頃の思いもまさにこれである。

    この観点を踏まえて考古学と照らし合わせるのが本書のやり方で、聖書を暴くことは意図されていない。
    発掘資料から推察されるイスラエル近辺の歴史と聖書の記述に相違があれば、ではなぜそれが書かれたのか、人々の心を打ったのかを追究する。
    ただいくら考えても世界中に論者がおり、決定的な発見がない限り真相は闇の中である。

    というわけで、これを読んでも何も答えは出ないのだが、単純に紀元前の歴史を追うのが面白かったし、照らし合わせで嵌る深みからは浪漫が溢れかえる。

    聖書に出てくる人物や出来事が、エジプトやアッシリアの碑文に出てくるか。
    いや全然出てこない。
    出エジプトはさすがにしたのだと思っていた。
    それさえ怪しいとなると、旧約聖書フリーザ編的なあの盛り上がりは一体誰の意図で書かれたのか。
    エジプトが悔しくて歴史を闇に葬ったのか。
    モーセたちの夢物語なのか。

    そして真実でなかったとしてもユダヤ人の心に共通の祖への思いが宿り続け、
    20世紀に建国に至ったという壮大すぎるこの事実。
    何があったんだよ、いやむしろ何もなかったのかよ。何を過越祭してるの。
    列王記なんて真面目に読んだことがなかったが、もしかしてめちゃめちゃ面白いのかもしれない。
    持ち歩ける分厚さなら良かったのに。本棚ででっぷり座り続ける聖書よ。

    興味や価値観が合うと思ったら、母校が同じだった。
    文章のところどころに見える、ロジカル風で思いが勝っちゃっているところも何かありがちでわかる笑。
    私は院卒ではないが時々出会う先輩の本を読むと、学んだ時期は違っても刷り込まれる大学ナイズはあるとしみじみする。

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    2022年12月06日
  • 旧約聖書の謎 隠されたメッセージ

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    旧約聖書を考古学と歴史学から、史実なのか神話なのかを問う。
    勝手に「全部神話だろ」と思っていた。でも「出エジプト」って世界史で習ったような。てことは、それは史実?
    旧約聖書って日本の古事記みたいな存在なのかも。歴史的事実を伝えることが第一義なのではない。けど、なぜそのエピソードが伝えられてきたのかを考えることがとっても大切なんだ。

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    2015年10月11日
  • 旧約聖書の謎 隠されたメッセージ

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    ネタバレ

    20150906-0918  前著『聖書考古学』の続編?
    旧約聖書に書かれている出来事を考古学的アプローチを使って実際に起きた出来事なのか、年代の同定、人物の特定等を行っている。そもそも旧約聖書の年代なんて、私は正確なはずがないと思っているのだけど、大真面目に信じている人たちもいるのね・・・

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    2015年09月24日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    旧約聖書に書かれた物語はフィクションなのか史実なのか。
    本書は考古学を用いてその謎に挑んでいます。

    でも、紀元前の世界史にあまり興味が無い人にはちょっと読むのが厳しい本だと思います。

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    2015年04月04日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    旧約聖書のとあるエピソードはラクダが家畜化された年代と合わない「時代錯誤」であることから後世の創作であることがわかる、といった時代考証が面白かった。
    出エジプトも旧約聖書の記述から一応の年代を特定することができるが、時代考証上、事実と異なるだろうと。というか出エジプトがいつ頃の話かってわかってないんだ。

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    2015年02月28日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    宗教・信仰という、ある意味最も強固なバイアスから決して逃れられない領域での展開を宿命付けられた「聖書考古学」。宗教的・学問的に"中立である"ということが、これほど困難な分野もないだろう。さらに、イスラエル・パレスチナという複雑な政治情勢の特性上、遺跡の発掘が制約を受ける状況下では、聖書の記述の真偽それ自体を議論することは不可能なばかりか不毛でもある。
    本書はそれよりも、聖書に描かれた伝承が「なぜそこに記されなければならなかったのか」に焦点を据え、主にローマ統治時代以前のユダヤ人の歴史を、「聖書」と「遺跡」を縦横の糸として解説してゆく。少々駆け足が過ぎる気もするが、我々日本人とは比較にならないほど複雑なユダヤ人の歴史に思いを至らせるには十分。

    年表がついていなかったので、イスラエル大使館のHPからプリントアウトして参照しながら読んだ。

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    2014年03月10日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    聖書─それも主に旧約聖書において、その中に書かれた歴史と
    それが書かれた時代について、考古学という観点から何がわかり
    何がわかっていないかを丁寧に解説してくれている。

    もっとも、日本の天皇陵がいっこうに発掘調査されないことでも
    わかるように、宗教がらみだと(しかも中東では社会情勢という
    難敵も存在する!)掘りたくても掘れない場所が多すぎ、わかって
    いることはほんの一握りの事実なのだな、と実感する本でもあった。

    わかりやすく丁寧に書かれてはいるが、聖書に関して多少は知識が
    ないと、読んでいても面白くないと思われ。

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    2013年11月30日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    聖書の歴史的正当性はともかく、聖書がユダヤ人のアイデンティティの維持に貢献し、今日までユダヤ人を民族としてまとめてきたという事実は興味深い。

    かといって現在のユダヤ正教徒が聖書を根拠にパレスチナ人を迫害していい訳ではない。中東に和平が訪れることを祈る他ない。

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    2013年08月29日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    新聞に書評があったので、購入。

    ユダヤ教やキリスト教についての本を僅かばかり齧ったが、ある本は一神教はモーゼの発明とあり、別の本はモーゼの実在性に疑問を呈していた。
    よく判らない聖書について、何か教えてもらえればと思い読み始める。
    考古学の立場で、はっきりした証拠がない限り断定は避けている。出エジプトはエジプト側に資料がないそうである。文献記録のほとんど残されない時代かもしれないが、これも仮説の域を出ないと書かれる。

    この後のカナンの征服期では山地に住んでいたユダヤ人と平野部に住んでいたカナン人は民族的にも言語的にもかなり近い民族であったらしいと記される。ユダヤ人が自らをユダヤ人と自己規定していく中で古代イスラエルが生まれたとの見解が現在主流とのこと。
    つまり、本書ではそこまで断定していないが、アブラハムも出エジプトもモーゼも恐らく虚構。唯一神との契約もカナン人との衝突のなかで自己規定することから生まれたものらしい。そうした虚構がどうして、どうのように生まれたかは考古学の範疇でない。が、こうした考古学の成果と聖書の文献分析に隔たりがあるのではと、過去の読書体験から疑問を感じてしまったのだ。

    発掘された多くの街が戦争で破壊された跡を留めているとされる。多くの民族が滅び、また混血し、当時の種族は今存在しない。現在のユダヤ人も当時のユダヤ人とは民族的にはまったく別の民族と云っていいのではないか。しかし、自分をユダヤ人、イスラエルの民と規定する人々が現代に存在し、困ったことに世界紛争の種となっている。

    読後はユダヤ教の発生過程に大いに疑問が残っている。
    さて、何か良い本ないかな。

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    2013年07月30日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    キリスト・ユダヤ・イスラム教に精通とまでは言わないまでも、もう少し知識があればもっと楽しめた本ではないかな。
    内容のほとんどが事実の断言ではなく可能性への言及に終始、そこにもしかすると物足りなさを覚える人もいるかもしれないが、著者の学者としての良心の表れかと思う(もしかすると政治・宗教が絡む題材だけにきな臭いものもあるかもしれないが、わざわざ冒頭で断りを入れているし)。
    何せ卑弥呼の時代よりずっと昔の話、当たり前と言えば当たり前の話だが。
    しかしユダヤという民族の生命力は凄い、改めて感じる次第。

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    2013年07月14日
  • 聖書考古学 遺跡が語る史実

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    聖書で書かれていることを遺跡の発掘で検証するという聖書考古学の解説書。旧約聖書の記述がすべて史実とは考えていなかったが、モーゼの存在も出エジプトの事実も全く証拠が無いとの指摘には驚いた。数々のエピソードで、旧約聖書の記述を考古学的に証明することの困難性は良く理解できた。未発掘の遺跡が多数残っているが中東の政治情勢がその調査を困難にしているらしい。発掘調査が進めば、ユダヤ人、ユダヤ教が周辺諸部族に対して相対化され、パレスチナ問題解決に役立つのではと妄想した。

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    2013年05月09日