虎に育てられた野生児を世話することになった、霊長研究所の入江。人嫌いで無愛想な入江は、対人関係を築くのが上手くありません。
浅葱という野生児も、他人に対して警戒心むき出しで人間らしい常識や知識に欠けている18歳(年の割には可愛くて小柄)。
ある意味似たもの同士?の二人が心を通わせあうようになるまでの
...続きを読むストーリーです。
無垢で無知な受に愛を注ぎ育成する、という話は好物の一つです。
5歳で両親を密猟者に殺され、その後密林でジャングルブックみたいに虎に育てられていた浅葱。入江は、そんな浅葱に言葉を教え、人間としての行いを一つ一つ覚えさせ、人並みに生きていけるようにと教育していくのですが、その過程で自分自身もまた変わっていくのです。
成長していくのが浅葱だけではないところに非常に惹かれました。
入江も始めは面倒な子供かペットの世話くらいにしか考えていなかったのが、次第に庇護欲を掻き立てられ、愛情を感じるようになり、それをあえて否定して逃避したくなるほどの欲情まで感じるようになるのです。
描き方によっては、弱者を手篭めにしてしまうような印象になるところですが、全然そんなイヤな展開になってないのが良かったです。
互いに同等に愛し合っているんですよね。
浅葱が涙ぐむほどいじらしく可愛いんです。アイスクリームもバス停も胸がキュンキュンしてどうにかしてあげたくなりましたが、「あなたが教えてくれたこと」では、もっと泣かされました。みんなが知っていて当たり前のことを、自分は知らない、ということに悲しくなる浅葱です。
そんな浅葱に対して「浅葱はもうこれまでに、すげぇたくさんのことを俺に教えてくれてるんだよ」と入江が言うんですよね。胸にこみ上げるものがありました…
風見香帆センセが鈴本ちさ名義で書かれている作品。好きな作家さんです。特にHシーンが好みですが、今回はそっちより二人の心情に萌えました。独特の色香があります。
裸エプロンは普通に萌えましたw