M・R・ジェイムズのレビュー一覧

  • 消えた心臓/マグヌス伯爵

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    ミステリーの短編集。中にある「銅版画」という短編が読みたくて。メゾチントという銅版画の技術が使われた、奇怪で不思議な絵の話。
    現実にメゾチント展を見に行った。銅版画の暗く、奥の深い色合いがとても素敵だったのを思い出す。

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    2025年04月28日
  • 消えた心臓/マグヌス伯爵

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    ジェイムズの短編は古書収集の癖が垣間見えて面白い。「聖堂参事会員アルベリックの貼込帳」はある古書がきっかけで始まる恐怖譚。この話がお気に入り。怪異が起きると速度が加速していく。当時の教会や世相は分かりづらいが注釈で補完できる。#日本怪奇幻想読者クラブ

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    2024年10月27日
  • 消えた心臓/マグヌス伯爵

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    150年くらい前の作品。雰囲気はあるような気もするが。全然頭に入ってきませんでした。短編というのもあるんですが、いわゆる読者に全然おもねらない文章で、(もしかしたら原文(イギリス産)は違うのかもしれませんが)私個人の感想としては頭も要領もよく、金持ち健康で、それが理由で感受性が養われなかったのか?とかいつものような僻み根性がでてきてしまいました。この文章、インテリでない、その日暮らしのような身の上の人が書いたという触れ込みであっても、おまえらは、お前たちは、このように絶賛の嵐をおーこーしてー、すーべーてをー。

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    2023年04月11日
  • 消えた心臓/マグヌス伯爵

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     英国生まれの古文書学者で、聖書学者で、そして怪談作家という異色の経歴を持つ作家、M.R.ジェイムズ。元々作家志望ではありませんでしたが、生来の怪談好きが高じて創作怪談を自作しては茶話会でそれを朗読し披露していました。
     処女作である怪談集も、本来の目的は親友の絵を世に売り出すことだったのですが、その出来が評判を呼び、怪談作家としての地位が確立されたのです。
     本書は処女作である『好古家の怪談集』の南條竹則氏による新訳本です。ラヴクラフトの作風に影響を与えたとされるのも尤もで、所々で後のクトゥルフ神話を思わせる表現が出てきます。
     ブラックウッド、マッケンとともに近代イギリス怪奇小説の三巨匠と

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    2022年11月23日
  • 消えた心臓/マグヌス伯爵

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     原著は1904年刊行の『考古家の怪談集』で、M・R・ジェイムズの最初の小説集。
     20世紀初頭に出現したイギリスの怪奇小説の御三家として、アーサー・マッケン(1863-1947)、アルジャーノン・ブラックウッド(1869-1953)、そしてこのモンタギュー・ローズ・ジェイムズ(1862-1936)が並び称されており、アメリカのラヴクラフトより少し前の世代で、古典的な怪奇小説の作り手たちである。もっとももっと前の世代の作家としては、アイルランドのレ・ファニュ(1814-1873)という先達がいる。
     これらの有名な「古典的」怪奇小説作家の本を私は高校生の頃幾らか読んだのだが、その中でこのM・R

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    2022年01月27日
  • 消えた心臓/マグヌス伯爵

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    ・梅雨明け前ではあるが夏である。夏は怪談がふさはしいといふのは今も昔も、そして出版界も変はらないやうで、今年もまた怪談が出た。たぶんこれはほんの序の口であらうと思ふが、それがM.R.ジェイムズであつた。いきなりの大御所の登場である。それはM.R.ジェイムズ「消えた心臓/マグヌス伯爵」(光文社古典新訳文庫)であつた。本書の原題は”GHOST STORIES OF AN ANTIQUARY”といふ。「好古家の怪談集」と訳されてゐるジェイムズの第一短編集である。表題作2作を中心に全8作からなる。 いづれも古き良き時代の怪談集といふにふさはしい。しかもそれがゴシック的な要素をまとつてゐるたりする。そし

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    2020年07月24日
  • 消えた心臓/マグヌス伯爵

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    いやはや見事な怪談集。作者自身の専門分野である古書や古物の研究の余技として書いていた短篇集な訳ですが、どれもとても面白い。
    専門分野の知識をいかして、いかにもな設定・雰囲気作りから、短篇なのでサクッと読ませる鮮やかさと。そして個人的に良いなと思ったのは、怪異に遭遇する主人公が皆、理性的に対応して話が展開していくところがストレス無くて良いですね。(怪異慣れしてる主人公ってのともちょっと違うのですが、対処方法や、埒外からの理不尽な妨害があんまり無い…と言えば良いのか)
    巻末解説も丁寧です。

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    2020年06月17日
  • 消えた心臓/マグヌス伯爵

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    イギリス怪奇小説の大家として名高いM.R.ジェイムズの第一短編集。

    その特徴は、解説にも紹介されているが、「怪談をこしらえるのにもっとも大切な二つの要素は…雰囲気と巧みに作られたクレッシェンドである。…穏やかな環境の中に不気味なものが首をもたげ、初めのうちは控え目だが、やがてしつこくなって、しまいには舞台を占領するように」という作者の言の通りに物語が進展し、最後には曰く言い難くゾッとなってしまう。

    「銅版画」、「マグヌス伯爵」が気に入った。

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    2020年06月18日