沖浦和光のレビュー一覧

  • 宣教師ザビエルと被差別民

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    たぶん日本人なら誰でも知っているフラシスコ・ザビエル。
    でも、彼がいったいどのように日本において布教をすすめていったのかは、未知だった。
    とくに、どのような人々に信仰を得ていたのかは、もちろん知らなかった。

    その答え?の一助となったのが本書。

    日本における布教史の概説。

    イエズス会の成立、宗教改革、大航海時代、戦国時代のおける日本仏教の変遷。などなども詳しく説明されていた。


    イエズス会の成立の歴史から、アジアにおけるイエズス会の布教、そのなかでの被差別民との関わり、そして日本におけるイエズス会の布教と被差別民の歴史や関わりを知ることでき、とても有意義な一冊だった。

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    2020年09月25日
  • 宣教師ザビエルと被差別民

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    本題とは直接関係ない部分だけど、仏教で女性は成仏できない、とされていたのはひどいな。
    後の修正の、女性は一旦男性に生まれ変わってから成仏する、というのは、馬鹿馬鹿しさがさらに際立っている…

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    2017年05月16日
  • 宣教師ザビエルと被差別民

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    仏の慈悲が及ばぬとされた身分があったこと、女性もケガレとみなされていたこと、キリシタンに対し残虐な仕打ちをしていたこと、同じ日本に住む人間の間で。

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    2017年03月03日
  • 「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー

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     原著2006(平成18)年刊。
     永井荷風の東京・吉原等における遊郭を舞台とした作品になじみ始め、明治期末から昭和初期にかけてのその辺の世相に興味を持つようになったので、幾らか歴史学ないし民俗学的な知識も補強しておこうと考えて本書を買った。
     冒頭の方は著者自身の体験を回想するようなエッセイ調になっており、おや、と思ったが、途中からはちゃんと学問的になる。
     本書ではおおまかに中世日本においては「性」にまつわる職業がさほど蔑視されるわけでもなく、あるいは逆に呪術的な象徴的存在として神話的価値体系の中で重んじられていたことを示す。それがいつしか近世にかけて蔑視され、その界隈は歌舞伎役者と共に「

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    2025年01月31日
  • 「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー

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    沖浦和光『「悪所」の民俗誌 色町・芝居町のトポロジー』ちくま文庫。

    表紙の写真は扇情的であるのに対して、内容は日本文化の歴史にかなり深く斬り込んだノンフィクションであった。

    著者は『悪所』の成立する条件として、賤と穢を挙げており、日本固有の被差別民の存在が鍵を握るようだ。

    遊女、悪党、芸能者といった制外者が生活の場とした『悪所』。そこには遊、色、悪という、人びとを惹き付ける魅力がある。

    本体価格900円
    ★★★

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    2023年06月21日