藪下史郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スティグリッツと新しい経済学、という副題のとおり。最近のことをちょっとかじってみる、という新書らしい本ではある。売り手が情報を持っている中古車市場(レモン市場というのはスティグリッツだと思っていたが、アカロフが最初に言い出したらしい)、逆に買い手が情報を持っている保険市場など、情報が完全に行き渡らない状況下での均衡についてざっくりと概要を知ることができる。中古車を買う時には性能のチェックに神経質になってしまうし、保険に加入する時は病気がある場合は誰でも入れるものを、ない場合は加入条件の厳しい(割安な)ものを選ぶというのはなんとなく身についた行動であるけれども、このようにきちんとモデル化されてい