【感想・ネタバレ】非対称情報の経済学~スティグリッツと新しい経済学~のレビュー

あらすじ

スティグリッツの経済学を直弟子がわかりやすく解説。なぜ市場主義は人を幸福にしないのか? 「非対称情報」という視点からの、まったく新しい経済の見方。

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Posted by ブクログ

本書はスティグリッツの弟子でもあり、スティグリッツの教科書の翻訳などを手掛けている著者が非対称情報の経済学について解説・論じた本である。

情報の非対称性(非対称情報)とは、売り手と買い手(売り手同士、買い手同士)の間で情報量に差があることをいう(p.81)。本書は主に3つの構成となっている。

ず第1章では、アダム・スミスの理論を中心とした伝統的な経済学の解説を行い、その問題点を主張している。次に第2章から第6章では、伝統的な経済学の問題を解決するために誕生した新しい経済学誕生の経緯とその理論の解説を行っている。特に非対称情報について取り扱っている。最後に第7章では、これまでの議論を踏まえて、1990年代以降の日本の金融不安の問題点と今後について著者の見解を述べている。

本書はかなりわかりやすい。著者は様々な教科書を書いているだけあり、その経験が生きているといえる。また著者の主張はアベノミクスに多く反映されている。

本書の問題点を一つ上げると、読み進めていくうちに内容が専門的になっていくことだ。特に第7章は金融理論を学んでいない人が読むのは容易ではないだろう。とはいえ、本書の要旨はわかるはずなので、経済学の知識が全く無くてもある程度理解することができると感じた。

経済学を学んでみたい人、経済学を改めて学び直したい人のみならず、現在経済学を学んでいる学生にぜひおすすめしたい作品である。

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2014年12月19日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
二〇〇一年「非対称情報下の市場経済」という経済分析の発展に対する貢献で、三人のアメリカの経済学者にノーベル経済学賞が与えられた。
その一人のジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授(クリントン政権下の経済諮問委員会委員長、世界銀行の上級副総裁・チーフエコノミストを歴任)の直弟子・藪下史郎早稲田大学教授がこの「新しい経済学」をやさしく解説し、また日本経済失速の原因を明らかにする。

[ 目次 ]
第1章 伝統的経済学の限界
第2章 新しい経済学の誕生
第3章 非対称情報下の市場
第4章 モラルハザードと経済活動
第5章 組織と制度
第6章 マクロ経済学と非対称情報
第7章 九〇年代の日本経済と金融不安

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月09日

Posted by ブクログ

簡単で物凄くわかりやすく書かれているのはいいんだけど、タイトルに「入門」とか一言入ってたらもっと良かったし星5だったと思う。
伝統的な新古典派ミクロ経済学の限界を提示して、スティグリッツと非対称情報の経済学の略歴、そして非対称情報の経済学の解説って感じ。
確かに今習ってるミクロ経済学の理論では現実を描き出すのに限界があるんだろなってのわかる。まぁ今は教科書で非対称情報下での動きもモデル化して載せてるけど。
非対称情報の経済学ではモラルハザードと逆選択がメインなものなのかな、この二つをさまざまな例を挙げて説明。保険や中古車市場ってのは有名な例さね。
また安定性や公平性と効率性を同時に達成するのは非常に困難で、どちらかを優先するならどちらかを犠牲にしなければならないって当たり前の話も深みを持って納得できた。
日本の雇用制度にもそれなりのメリットがあること、そして制度が「ナッシュ均衡」であるとゆうのも新しい視点。
そして非対称情報の経済学をマクロにも応用して、効率賃金理論や屈折需要曲線、金利と非対称情報についてなども勉強になったし。
またこの本を通して初めてバランスシート不況とゆうものをおおまかに理解できた。
日本に必要な改革は単なる規制の撤廃だけではなく、情報の非対称性をなんとかすることとインセンティブを高める租税制度などもっと考えなきゃならないことがあるんだとも実感。

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2010年05月29日

Posted by ブクログ

この本を読むと,何故世界は不合理かということがよく分かってくる.それを自分の人生にどのように活かすか?ということを考えるようになる.

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2009年10月04日

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ノーベル賞経済学者スティグリッツの弟子筋の方による、「情報の非対称」についてやさしく解説した本。ミクロ経済の知識がなくても読めるように、最初に需要・供給曲線の説明があるなど丁寧。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

経済学という堅苦しいイメージを持って読むと読みやすさに驚くはず。シンプルにかつ重点は丁寧に新経済学理論を教えてくれるこの本。偏見を持たずに読めば、大体は理解できると思う。情報によってより左右されやすくなってる現代社会において、古典派経済学理論やケインズ経済学は時代遅れだと言っている。情報がいかに大事か、情報がいかに市場に影響を与えるかを紐解く事ができる。スティグリッツ著の入門経済学と合わせて、読んでおきたい一冊。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

モノの価格は需要と供給の関係で決まると経済学は言う。でも実際に値段が決まる過程ってホントにそれだけかなあと疑問に感じる人は多いはず。本書は売り手と買い手の情報格差からそういう疑問に答えてくれる。経済学は初めてという人にも分かりやすく、入門書にもなる。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

スティグリッツ経済学を読んだ方が良いとわかった
ミクロ経済学・マクロ経済学の入門書としてはやや教科書チックな表現が多く、あとがきに書かれているようなことが再現できていたかは怪しい…

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2023年11月26日

Posted by ブクログ

考え方自体は学べましたが、本の内容としては

正直あまり面白くもありませんでした。

学者肌の人たちが書く本は、

面白く読める本とそうでない本がはっきり別れます。

本人の知識をひけらかしたいかのような本というのは

読んだあとにがっかりしてしまいますね。

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2016年08月08日

Posted by ブクログ

非対称な情報により、新古典派経済学では説明が難しい事象を分かりやすく解き明かしてくれた。非対称な情報は、医療が代表的ではあるが、ありふれた状態であることがよくわかった。例えば、自動車保険。保険会社から見ると加入者は安全なドライバーか危険なドライバーか、見分けはつかない(ゴールド免許等で類推はできるかもしれないが)。

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2014年06月03日

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情報を持つ/持たないの影響に興味があって読む。ただその先の話だった。そもそも完全情報はない、と。平易に書いて頂いたが、需給曲線を肌身で使いこなせない僕には、少し難かった。

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2018年01月05日

Posted by ブクログ

 情報の非対称性に興味があり手に取る。

 非対称情報の経済を、ギャンブルや保険、更には政治の例を用いて説明している。
 入門書だから、簡単な事例に留まるも、
 個人的には、も少し突っ込んだ話を期待したなぁ。

 ま、基礎が分かったら、自分で考察して下さいってことかな?

 新古典派経済に飽きてしまったあなたにオススメな一冊。

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2012年04月11日

Posted by ブクログ

スティグリッツの、というより経済学説史のような文章構成でそれぞれの長所と短所に言及してあり、後半は各論。

経済学はいつの時代も完全じゃなかったですね。

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2011年01月20日

Posted by ブクログ

現在我々が直面する保険や中古車市場の問題に関しても売り手と買い手の持つ情報のズレが存在する。これらの問題は情報化社会・成熟社会で必然的に起こる。情報の非対称性により変化する需要供給曲線の説明も簡単にされている。

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2010年01月31日

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モラルハザードや逆選択について簡潔にまとめられている。
これからの時代、人の行動を経済学的に分析することはより重要になってくるはず。
半歩進んだ視点を大切にしなければ~

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2010年04月29日

Posted by ブクログ

情報の非対称性という概念を知りたい、と開発経済の先生に聞いたらお勧めしてくれた本。
薄いし、読みやすい。

「新しい経済学」とよばれるこの分野が、スティグリッツやアカロフといった開拓者の途上国での経験をもとに生まれた、という原点を知って、
いままでの経済学で説明できない不可解なことがらは新しい経済理論をつくって説明しようとするのが経済学者なんだなぁ、とわかった。
そして自分のとりたいアプローチは経済学ではないなということも直感できた。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

新古典派経済学の仮定を覆す1冊。
スティグリッツ経済学の入門書です。
経済学の勉強を始めたくらいの人でも簡単に読めます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

これまでの経済学の限界
そして新しく出てきた経済学について
やさしく理解出来た?
ちゃんと読めばね!!

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

スティグリッツと新しい経済学、という副題のとおり。最近のことをちょっとかじってみる、という新書らしい本ではある。売り手が情報を持っている中古車市場(レモン市場というのはスティグリッツだと思っていたが、アカロフが最初に言い出したらしい)、逆に買い手が情報を持っている保険市場など、情報が完全に行き渡らない状況下での均衡についてざっくりと概要を知ることができる。中古車を買う時には性能のチェックに神経質になってしまうし、保険に加入する時は病気がある場合は誰でも入れるものを、ない場合は加入条件の厳しい(割安な)ものを選ぶというのはなんとなく身についた行動であるけれども、このようにきちんとモデル化されていると納得させられる。

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2011年08月07日

Posted by ブクログ

ノーベル賞を受賞したスティグリッツの功績を称えるためのような本。内容としてはレモンの市場や保険においてのモラルハザード等々を説明している。スティグリッツの説明以外は、標準的な経済学のテキストの中からタイトルの部分を抜き出しただけの内容。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

現在、経済学・経営学の両分野から注目を浴びている情報の経済学の紹介。その理論の貢献者の1人であるスティグリッツのお弟子さんによる本。この理論は従来の経済学(新古典派経済学)と対比すると、その特徴がよく分かる。それゆえこの本でも所々で従来の経済学の見方がおさらいされており、非常に理解しやすくなっている
ただ、あくまでも新書レベルなので、この分野の「雰囲気」は伝わってくるが、それ以上に勉強したいと思うなら、やはり「スティグリッツ経済学」シリーズ(東洋経済新報社)を読むべきなのだろう。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

スティグリッツの教え子の藪下さんが書いてます。情報の経済学を簡単にサラッと勉強できます。ちゃんとした教科書としては不十分かもしれないけど、手軽に読めました。

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2009年10月04日

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