山口栄二のレビュー一覧

  • 原発に挑んだ裁判官

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    民主主義の要、三権分立が本当に機能しているのか、民主主義を機能させるためにも、独立した権力としての司法のあり方に注目していかなければならない。昨今の最高裁判決では政権に忖度した判決が続いているが、巨大な権力=「原子力ムラ」にも挑んだ裁判官もいた。こうした著作や報道は大切なことと思う。

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    2023年04月23日
  • 原発に挑んだ裁判官

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    三権分立、司法は時の政権・行政に感化されてはならない。だがそれは原発という国策において憲法からの視点で切り込むことができていたのか、あの東日本大震災における福島第一原発事故を境に様々な原発訴訟の経緯を当時の裁判官の声をもとに辿っていく。裁判官も人間である。そこには正義と保身が混在した心情が垣間見える。"経済繁栄" と "人の命" どちらを選択するのか、原発反対を掲げる原告の声は決してオオカミ少年では帰着しない。"不測時" なんて言い訳がこの国の崩壊へと導かれないように裁判官の勇断に加担したい。

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    2020年04月13日
  • 原発に挑んだ裁判官

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    樋口判決「たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」

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    2019年11月15日
  • 原発に挑んだ裁判官

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    原発と司法。
    原発訴訟で最も参考にされるのが伊方最高裁判決。
    専門家が集まって決めた高度で技術的な安全基準に対して司法はその是非を問うべきではなく、その安全審査の行政手続きに対する看過、過誤に着目するのみで、行政判断自体はある程度尊重されるべきである。

    3.11の以前から今も司法に生き続ける判決・・・

    当事者でない(事業者でもメーカでもない)裁判官が真剣に司法に基づき原発の是非に取り組む、その過程での苦悩や思いを伝えるとても深みのある本だと思いました。

    国策であることや安全神話にあぐらをかく事業者と規制の怠慢
    司法として原発を取り扱うにあたっての安全情報秘匿性の壁
    国策に対する司法の忖度、裁判所の体質構造
    ・・・
    原発自体にも、原発訴訟自体にも取り組む上での課題が多くある。

    原発をさまざまな視点で考え、その課題を捉え、原発に対してどのように考えるかを問うてくれる本です。
    ぜひ、原発が国策として改めて注目されている2023年にこそ読んでほしいと思います。

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    2023年03月28日
  • 原発に挑んだ裁判官

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    丁寧にインタビューして作られているとは思うが、いかんせん「反原発」の立場強化のパンフレットと化している。福島の事故がほんとうはどの程度に深刻なものであったのか、についての検証はすっ飛ばし、とにかく「未曾有の災害」という認識をアプリオリに設定したところから出発してしまっている、

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    2019年07月16日
  • 原発と裁判官 なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか

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    2013年3月30日初版、朝日新聞の2名の記者が執筆しているが、本書は朝日新聞社の見解を代表するものではないと注記されている。
    本書には3通りの裁判官が描かれている。原発敗訴の判決を下した裁判官、原発を支持する判決を下したが、その判決を下したことに自ら疑問をもち分析する裁判官。そして、国の機関として存在する裁判所の秩序を重んじ、そしてそれに縛られ、真実について口つぐむ裁判官。

    原発(国)を支持した裁判官の意見として、国策として作られた(公正と推測されていた)国の安全基準を指針とし、すべての情報を持ちながら恣意的に最低限の情報しか提出しない事業者と国に対して、不十分な証拠しか持ちえない原告側がすべての不備を立証しなければならなかった。それら材料のなかで、原発合憲、運転継続の判断を下すのが過去には合理的であったいう意見も理解できる。しかし、ある最高裁判事経験者は「国民が変われば、裁判も変わる」と語る。
    いままで国民は、ただ国を信じ、三権分立を信じていれば、生来持った権利と社会的な権利を享受し、健康で文化的な最低限度の生活は国が保障してくれていると信じていた。
    しかし、国を運営しているのは、公正無私な神ではない。主権者である国民は国家を監視し、正常に運営させるよう働きかけなければならない。

    多くの被害者を出す事故が起きたにもかかわらず、加害者と推定される側が恣意的な判断で証拠を提出して、事業を継続し続けている異常さ。
    本書では指摘されていないが、裁判官が証拠第一で判断するのであれば、検察、警察は明らかに東電他原子力事業者は証拠隠滅の恐れありとして事業所等の捜索を行い、証拠保全を行う必要が必ずあると思う。

    朝日新聞社は、折角このような書物を出版するのであるから、「本書は朝日新聞社の見解を代表するものではない」と注記するのではなく、原発裁判を担当する裁判官ひとりひとり、調査官ひとりひとりに本書を送り、そして、かれら裁判官たちがどのような判断をくだすかつぶさに調査し、報道であきらかにする。そのことによって、国や上級裁判所の圧力に屈せず、「その良心に従い、独立してその職権を行ひ、この憲法および法律にのみ拘束される」裁判官を応援するよう行動してほしい。

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    2013年07月08日