山口栄二のレビュー一覧

  • 原発に挑んだ裁判官
    民主主義の要、三権分立が本当に機能しているのか、民主主義を機能させるためにも、独立した権力としての司法のあり方に注目していかなければならない。昨今の最高裁判決では政権に忖度した判決が続いているが、巨大な権力=「原子力ムラ」にも挑んだ裁判官もいた。こうした著作や報道は大切なことと思う。
  • 原発に挑んだ裁判官
    三権分立、司法は時の政権・行政に感化されてはならない。だがそれは原発という国策において憲法からの視点で切り込むことができていたのか、あの東日本大震災における福島第一原発事故を境に様々な原発訴訟の経緯を当時の裁判官の声をもとに辿っていく。裁判官も人間である。そこには正義と保身が混在した心情が垣間見える...続きを読む
  • 原発に挑んだ裁判官
    樋口判決「たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」
  • 原発に挑んだ裁判官
    原発と司法。
    原発訴訟で最も参考にされるのが伊方最高裁判決。
    専門家が集まって決めた高度で技術的な安全基準に対して司法はその是非を問うべきではなく、その安全審査の行政手続きに対する看過、過誤に着目するのみで、行政判断自体はある程度尊重されるべきである。

    3.11の以前から今も司法に生き続ける判決・...続きを読む
  • 原発に挑んだ裁判官
    丁寧にインタビューして作られているとは思うが、いかんせん「反原発」の立場強化のパンフレットと化している。福島の事故がほんとうはどの程度に深刻なものであったのか、についての検証はすっ飛ばし、とにかく「未曾有の災害」という認識をアプリオリに設定したところから出発してしまっている、
  • 原発と裁判官 なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか
    2013年3月30日初版、朝日新聞の2名の記者が執筆しているが、本書は朝日新聞社の見解を代表するものではないと注記されている。
    本書には3通りの裁判官が描かれている。原発敗訴の判決を下した裁判官、原発を支持する判決を下したが、その判決を下したことに自ら疑問をもち分析する裁判官。そして、国の機関として...続きを読む