鵜林伸也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ロックとは何か!?
主人公の児玉梨佳は全編にわたり登場人物全員に犯人探しの傍ら問いかける!
言葉で現したらロックじゃない!
音楽家の魂!
ライブの会場に時たま降臨するもの!!
なんて、曖昧陳腐な物ではなく、登場人物達は理路整然と自分達の持つロック像を述べてくる!
学生運動の時代からラブ&ピースの時代を経てヨーロッパから日本へ流入する音楽の一つのジャンル、80年代から90年代にかけて和製ロックが確立されて、ブルーハーツやブランキージェットシティが生まれ、2000年頃に大輪を咲かす!
そんな平成の前半期を思い出させてくれるグルーブを持つ作品!
物語に登場する人物達のその後を -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】ボールがない/夢も死体も湧き出る温泉/宇宙倶楽部へようこそ/ベッドの下でタップダンスを/秘境駅のクローズド・サークル
「ボールがない」 ボールが見つかるまで帰れない状況で、高校野球部の部員たちは、推理でボールの行方を突きとめようとする。
「夢も死体も…」 人気のあるYouTuberの動画がきっかけで急に賑わった手掘り温泉に忽然と死体が現れる。
「宇宙倶楽部へ…」 高1の古林は父親かららしい母宛のメールを見つけるが、意味が分からず、宇宙倶楽部に相談する。
「ベッドの下で…」 社長に社長の妻との浮気現場に踏み込まれ、慌ててベッドの下に隠れた「僕」。根比べをしているうちにうたた寝をして -
Posted by ブクログ
あらすじを読むだけで、衆人環視の殺人!と心惹かれ読み出したものの、当初は地味な感じがしていた。主人公がいまいちはっきりせず、好感を得られなかったからかもしれない。
みんなのロック論を聴いて回るのはなかなかおもしろく、もともとライブ通いをしていた私はそれに気を取られてミステリということを半分忘れかけていた。しかし当たり前だがそれもちゃんと伏線になっていて、ロジカルな解き方をされる。探偵役もまさかの人物で、途中までは登場人物一人ひとりなんだかぱっとしない気がしていたものの(濃いキャラだらけなのになんでだろうか)たったひとり放り込んだだけで流れが唐突に変化する。この小説こそ、ロックみたいだ。
天才ギ