田中信彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレスッキリ中国論
スジの日本、量の中国
平成最後の日の感想となりました。
この本、結構的をついているかもしれません。
列に横入りをする人をほとんど全ての日本人が注意するのに対して、それを許す中国人が何故いるか?
こういったことをスジの日本と量の中国というキーワードで読み解いています。
他にも、スジという理想がある日本と全てが相対的に決まる中国の人生観やビジネス感なども解説されています。
プロの掃除人というものがあり得る日本と掃除は負け組の人の職業という中国では、負け組の職業に誇りや倫理観を持つことが難しいという指摘も的を得ているかなと思います。
営業マネージャやらマーケティングマネージャやら開発マネージャが中国系の方々なので、これからいろいろと観察したりしてこの本に書かれていることを検証してみようと思っている竹蔵です。
はたして、シンガポーリアンの中国系の方々にも当てはまるのか?それともシンガポール人は欧米志向なのか?
来年もぼちぼちとアップしていきますので、よろしくお願いいたします。
良いお年を!
竹蔵 -
Posted by ブクログ
表題の通り、「スジ」「量」という観点で日中両国の違いが説明される。
そして全編に渡り、繰り返し強調されるのが、
①「スジ」「量」に優劣はなく、ただ違いがあるということ(この違いがなぜ生まれたかについても、歴史を遡って説明される)
②お互いに良好な関係を築くためには、「スジ」「量」の違いを踏まえる必要があること
の2点である。
果たして、この「スジ」「量」という見方での整理が学術的に正しいかはわからない。
しかし、それは決して大きな問題なく、自らの実体験を通した考察をわかりやすく書けること(少なくとも私にとっては腑に落ちた)はとても素晴らしいと憧れを抱いた。
異文化の世界に触れ、そこでの体験から文化を考察し、それを書いてみたいと思わせてくれる良書だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「反応快」 反応が速い。
厳密さや正確性より、気の利いた反応。
「スジ」の日本
貧富の差を意識しないで済む。
お金をどう使うかの金銭感覚が社会の側に。
個性と価値観で消費する。
統治者の責任
モンスター国民を法を使って統治する。
儒教
仕組みによってでなく、自らを律すること。
自己評価。普遍的体系に欠ける。
うまみ
人を引き寄せる仕組み。
仕事より投資で儲ける。
先払い
自尊心を満たす
一点集中を避ける
状況は流動的を前提とした判断基準
面子
「文」=ホワイトカラー
実務や技能は尊重されない。
個の存在より同調性。大国化での問題に。
小農意識
視野が狭く身勝手で身内しか信用しない。
スマホ
臨機応変な「量」社会と相性がいい。
ブランド化には「スジ」が必要。 -
Posted by ブクログ
巷に溢れる中国論は、ステレオタイプのものばかり。
強面の反中国論にはじまり、嫌中、爆買い、非常識。
おかげで、日本人の中国に対する好感度は「悪い」が9割とか。
かく言う私も、中国を好きか嫌いかと訊かれれば……その先は、言わぬが花でしょう。
だが、確実なことは、好むと好まざるとに関わらず、この先も中国とは付き合わざるを得ないということ。
それなら出来る限り、その実像を把握しておきたい。
そう思っていました。
そんな折、あるコラムで紹介されていたのが本書。
普段は辛口のコラム氏が絶賛しているとあっては、読まないわけにはいきません。
早速、買って読みました。
いや、実に面白かった。
中国人とは、そのような思考パターンを持つ人たちなのか、と目から鱗でした。
書名にもなっている通り、日本人は「スジ」、中国人は「量」に価値を置いて物事を判断するんだそう。
本書では、いくつも例を挙げていますが、「犯罪」が一番分かりやすいと思います。
日本の刑法は犯罪を「質」の面から捉えています。
どんな小さなことでも、違法な行為をすれば犯罪です。
しかし、中国は「質」と「量」の2つの側面で犯罪を捉えます。
たとえば、窃盗罪は「金額の比較的大きいもの」以上のことを指すのであって、「金額が比較的大きくない」ものは窃盗罪とはみなされません。
具体的には500元未満は、ほとんど法に問われないそうです。
日本人の感覚では全く理解できないことです。
だから、民衆レベルでは、こんなことが起きます。
日本人はジュース代130円を借りたら、後で必ず返します。
ところが、中国人はほとんど返しません。
それはケチだからでも非常識だからでもありません。
中国人は「量」で発想するため、130円を「わざわざ返さなければいけないほどのお金」とは捉えないのです。
どうでしょう。
スッキリしましたか?
日本企業が中国でなかなか成功できない理由も、本書を読めばたちどころに分かるでしょう。
日本の「スジ」を中国人が理解し始めていること、「量」で考える中国とIT社会の親和性が高いことなど、未来を考えるうえでも有用です。
反中の人は「中国なんて理解する必要ない!」と怒り出すかもしれませんが、非常に公平な内容なのでご安心ください(公平なのが許せないかもしれませんが…)。
ステレオタイプの陥穽に嵌まり込まず、まずは相手を理解しましょうよ。