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Posted by ブクログ 2022年05月01日
楠木健氏の書評や出口治明氏の世界史本から繋がり読んだ。
日本人のスジ論と、中国人の量論、の比較で中国人の価値観の根底にあるものとは何か、非常に興味深い視点で語る。
中国で長くビジネスをしてきた筆者の視点は興味深く目から鱗。
率直に、中国という国の歴史と量的思考とその数(人口)から生み出されるパ...続きを読むワーには目を見張るものがあり飛躍的成長をしたわけだと感じる。
Posted by ブクログ 2020年05月03日
表題の通り、「スジ」「量」という観点で日中両国の違いが説明される。
そして全編に渡り、繰り返し強調されるのが、
①「スジ」「量」に優劣はなく、ただ違いがあるということ(この違いがなぜ生まれたかについても、歴史を遡って説明される)
②お互いに良好な関係を築くためには、「スジ」「量」の違いを踏まえる必要...続きを読むがあること
の2点である。
果たして、この「スジ」「量」という見方での整理が学術的に正しいかはわからない。
しかし、それは決して大きな問題なく、自らの実体験を通した考察をわかりやすく書けること(少なくとも私にとっては腑に落ちた)はとても素晴らしいと憧れを抱いた。
異文化の世界に触れ、そこでの体験から文化を考察し、それを書いてみたいと思わせてくれる良書だった。
Posted by ブクログ 2020年04月14日
「スジ」の日本、「量」の中国。
どちらが良いとか悪いとかではなく、各国民の言動や思考には「クセ」「相場」がある。
これを理解していないと相互理解やビジネス展開の妨げになる。
実質的な利害よりも筋を通すことに固執して勝手にイライラしてしまうことは身に覚えがあり、中国的な「量」の考え方を見習うことで生き...続きを読むやすくなるだろう。
ところで、本書は「ロジカルにスッキリわかる」とうたっている割にロジカルさは感じられなかった。(私は本書に関してはロジカルさを期待していないので問題ないが。)
Posted by ブクログ 2019年06月09日
<目次>
はじめに
第1章スジに沿う日本、量で考える中国
第2章スジと量の特性はこう表れる
第3章量の中国人が会社で考えていること
第4章量の世界は毎日が闘い
第5章スジの民、日本人の生きる道
第6章量の社会にスマホがもたらした革命
おわりに
2018/10/22初版
著者は1983早稲田卒、中国...続きを読むにかかわり、現在コンサル。
スジと量という論点で一貫しており、きわめて分かりやすい。
中国にどっぷりの経験でないと実感できない視点。
自分も中国から仕入れをしているのは、1980年代後半からなので、ほぼ同世代であろう。
Posted by ブクログ 2019年04月29日
日中の違いをスジと量で解説する。
なかなか新鮮な視点で日中の考え方の違いをえぐり出す。
インダストリーとトレーディングとか、安定に関する考え方や面子の意味とか、分かりやすくて納得出来た。
Posted by ブクログ 2022年03月21日
「反応快」 反応が速い。
厳密さや正確性より、気の利いた反応。
「スジ」の日本
貧富の差を意識しないで済む。
お金をどう使うかの金銭感覚が社会の側に。
個性と価値観で消費する。
統治者の責任
モンスター国民を法を使って統治する。
儒教
仕組みによってでなく、自らを律すること。
...続きを読む自己評価。普遍的体系に欠ける。
うまみ
人を引き寄せる仕組み。
仕事より投資で儲ける。
先払い
自尊心を満たす
一点集中を避ける
状況は流動的を前提とした判断基準
面子
「文」=ホワイトカラー
実務や技能は尊重されない。
個の存在より同調性。大国化での問題に。
小農意識
視野が狭く身勝手で身内しか信用しない。
スマホ
臨機応変な「量」社会と相性がいい。
ブランド化には「スジ」が必要。
Posted by ブクログ 2018年11月25日
巷に溢れる中国論は、ステレオタイプのものばかり。
強面の反中国論にはじまり、嫌中、爆買い、非常識。
おかげで、日本人の中国に対する好感度は「悪い」が9割とか。
かく言う私も、中国を好きか嫌いかと訊かれれば……その先は、言わぬが花でしょう。
だが、確実なことは、好むと好まざるとに関わらず、この先も中国...続きを読むとは付き合わざるを得ないということ。
それなら出来る限り、その実像を把握しておきたい。
そう思っていました。
そんな折、あるコラムで紹介されていたのが本書。
普段は辛口のコラム氏が絶賛しているとあっては、読まないわけにはいきません。
早速、買って読みました。
いや、実に面白かった。
中国人とは、そのような思考パターンを持つ人たちなのか、と目から鱗でした。
書名にもなっている通り、日本人は「スジ」、中国人は「量」に価値を置いて物事を判断するんだそう。
本書では、いくつも例を挙げていますが、「犯罪」が一番分かりやすいと思います。
日本の刑法は犯罪を「質」の面から捉えています。
どんな小さなことでも、違法な行為をすれば犯罪です。
しかし、中国は「質」と「量」の2つの側面で犯罪を捉えます。
たとえば、窃盗罪は「金額の比較的大きいもの」以上のことを指すのであって、「金額が比較的大きくない」ものは窃盗罪とはみなされません。
具体的には500元未満は、ほとんど法に問われないそうです。
日本人の感覚では全く理解できないことです。
だから、民衆レベルでは、こんなことが起きます。
日本人はジュース代130円を借りたら、後で必ず返します。
ところが、中国人はほとんど返しません。
それはケチだからでも非常識だからでもありません。
中国人は「量」で発想するため、130円を「わざわざ返さなければいけないほどのお金」とは捉えないのです。
どうでしょう。
スッキリしましたか?
日本企業が中国でなかなか成功できない理由も、本書を読めばたちどころに分かるでしょう。
日本の「スジ」を中国人が理解し始めていること、「量」で考える中国とIT社会の親和性が高いことなど、未来を考えるうえでも有用です。
反中の人は「中国なんて理解する必要ない!」と怒り出すかもしれませんが、非常に公平な内容なのでご安心ください(公平なのが許せないかもしれませんが…)。
ステレオタイプの陥穽に嵌まり込まず、まずは相手を理解しましょうよ。
Posted by ブクログ 2020年03月22日
日本と中国の比較論。中華思想とそれが根底にある共産党政治が骨に沁み込んでいる印象。しかし情報のインプット・アウトプットが誰でもすぐに出来る世の中が浸透しつつあり、この底流は既に変わってきてるかな。
Posted by ブクログ 2019年06月26日
シナってこんな国、っていうのは判る気がする。それを量という言葉でまとめていいのかどうか、最後までわからなかった。
なぜ、量になったのかってのも。
要は、政治と庶民、詰まる所統治と生活が全く乖離していて、みんな気持ちが荒んでて、儒教的なタテマエがずっとあったからってところなのかな。
スジも量も、両方...続きを読むともこんないいところがあってここはおかしいってのはわかりやすかった。
しかし、お隣にももっと、はず、とか、べき、とかいう国があって全然違うなあ、と思って読んでたんだが、スジの国と量の国の悪いところを集めた感じなのかなと思うところもあり。