萩原慎一郎のレビュー一覧

  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    ここまで才能がある人を、わたしたちは失ったのが悲しい。
    素晴らしければ素晴らしいほど、もう新しい作品を書いてはもらえないのだと思い悲しい。
    「遠くからみてもあなたとわかるのはあなたがあなたしかいないから」
    「今日という日もまた栞 読みさしの人生という書物にすれば」
    「夕焼けをおつまみにして飲むビール一篇の詩となれこの孤独」

    0
    2026年04月07日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    心の柔らかいところを針で刺される痛み

    作者の優しさ繊細さ、そして悲しみや怒りが外に向かずどこまでも自分の内側に向かって行く切なさ

    やるせない気持ちと少し心が暖かくなるそんな一冊

    0
    2025年10月10日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    32歳の若さで去った歌人、萩原慎一郎さんの歌集

    初めて歌集を読みました。
    恋に食に労働に、命が日々暮らしている中で呟く言葉を口語体で歌われているので、凄く共感できるものが多かったです。
    そして普段感じることのなかった、自分の心の奥行きを感じる事ができました。

    この歌集が作品として素晴らしいモノなのかは分かりません。
    ただ、生きている苦悩や乗り越えようとする足掻きが31文字に込められ、「命」だと思えました。

    自分の在り方に迷っている今、この作品を手に取れたことに感謝です。


    迷い道
    されどもそこも
    滑走路
    まだ見えぬとて
    先にある空

    0
    2023年08月06日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    心を掴まれる短歌集。
    もともと短歌に興味はない。世代だが俵万智もスルーしてきた。
    ひょんなことから萩原さんのことを知り、彼の短歌を幾つか目にしたら、もう書店に向かっていた。
    手に取った文庫は思ったより薄くて彼の人生の短さを感じた。
    萩原さんの短歌は閉塞感や絶望感を歌ったものから、若者らしい青春のキラキラを切り取ったものまで。その全てが瑞々しく繊細で、ひたすら優しい。
    それは隣で寄り添いながら背中をさすってくれるよう。だが、その掌からはとてつもないエネルギーを発している。

    私はこの歌集から前に進む力を貰っている。
    若い人に読んでもらいたいと思う。

    0
    2022年11月19日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    いっぱい好きな短歌があった
    気持ちの見える何気ない日常の歌が好きだ

    好きなのを3つほど

    頭を下げて頭を下げて牛丼を食べて頭を下げて暮れゆく

    これというものみつからず苦しみし十七歳は歌に出会いき

    至福とは特に悩みのない日々のことかもしれぬ食後のココア

    0
    2022年05月30日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    一首目、ニ首目から力強さを感じる。
    「〜なのだ」と言い切っているもの、同じ言葉を繰り返し使っているものがお気に入り。
    他の作品も読んでみたいと思ったが、本書が唯一の歌集らしいので、本書を思う存分堪能したいと思う。

    0
    2022年01月11日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    パルスのように響く歌がある。すべてではなく、普通の穏やかな優しく過ぎる歌、その間間に、強く響く歌がある。何度も読み返したい歌集だと思う。

    0
    2021年11月20日
  • 小説 滑走路

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    登場人物の名前をうまく使って
    それぞれの視点から物語が進んでいたことが最後に近づくにつれわかりすごく面白かった。
    また現代の社会問題に触れる部分もあって興味深い作品だった。映画を観たくなった。

    0
    2021年09月11日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    小説を先に読んでしまっいて
    その時に感じた「なぜいじめ? なぜ自殺?」という違和感
    それが分かった
    あとがきを読んで。

    歌集はすばらしかった!
    俵万智の歌を見て、これなら書けると勘違いして
    短歌を始めた、と書いてあったけれど
    その気持ちが分かる気がする。
    というか、俵万智さんは恋の歌ばかりなので
    「滑走路」の方がずっとずっと心に沁みる、私には

    手元に置いておくね
    また遭いにいくね

    0
    2021年08月14日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ


    NHKで特集された際ゲストの又吉直樹さんが、歌集から垣間見える作者の人間性について、【生きづらかったんだろうなと思うが】【大好きです】というような発言をしていて、思わず大きく頷いた。だって、この歌集、あまりに優しいから。

    作者は、子どもの頃周囲に馴染めずつまずき、大人になってからは非正規雇用から抜け出せず自分の望んだ生活を送れていなかったようだ。それでも短歌からは、人間へのあたたかい眼差しが感じられて切なくなる。

    短歌が生きる糧だった作者。こうしたい、こうなりたい、じゃあどうしたらいいんだ、と常に足掻いて模索していただろうことが読み取れる。多くの人と同じ、不条理な世間に呑み込まれながらも、必死に生きる努力をしていたのだと思う。

    この本は私にとって、自分を鼓舞するとき、傷ついたときに読み返す大切な本。作者はもういないけれど、あなたが残した歌は今日も誰かを救っていると思う。

    0
    2021年09月11日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    詩集というものをほとんど買ったことがなく、たしかNHKニュース9でも取り上げられていて、買って読みたいと思っていた。
    写真を撮影するときにピントが合うような言葉の選び方が上手で、とても感動した。
    著者には生きて言葉を紡いで欲しかった...

    0
    2021年02月12日
  • 小説 滑走路

    Posted by ブクログ

    2021年6冊目。

    映画『滑走路』を先に観賞。

    いじめられていた幼なじみの祐翔の代わりに苛烈ないじめを受ける隼介、
    厚生労働省の官僚として激務をこなし、眠れぬ夜を過ごす鷹野、
    高校の美術教員の夫と暮らす切り絵作家の翠。
    三者三様の物語の交わりが明らかになったときの驚き。
    『歌集 滑走路』から、こんな、つらく、でも、少しだけ希望の見える作品が仕上がるとは。

    優しい人が報われる、生きていける世界でありますように。

    0
    2021年02月11日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    映画から入る。
    それはそれ。
    仕事の辛さ、先の見えない生活、届かない想い、、、辛い歌たち。一方で色んなものに向ける優しいまなざしも感じられる歌たち。
    短歌で飛び立ちたかった彼が、飛び立つことが決まった直後に命を絶つほど辛いことがあったのかと思うと胸が締め付けられる。

    0
    2020年11月29日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    歌集というものをまともに初めて読み、正直にこの作品の奥深さも込められた想いも受け止め切れた自信はない。
    意図してることや意味してるものが、わからない一句も多い。それでも、なぞるだけで情景や背景が目の前に広がるような句にも出会う。心打たれるものや、理解し自分の心に落ち着くようなものや、心に収まらず恐怖すら覚えるような感情を抱くものや。
    まだまだ理解が浅いけれどそれでも言えることは、たくさんの感情を揺さぶられたということ。
    何度も味わいたい一冊

    0
    2026年07月20日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    寄り添ってくれる口語体で歌われた短歌集。未来への希望、苦しかった過去やままならない現状を俯瞰した明るさが全編に漂っていた。なぜ歌集の完成を待たず亡くなってしまったのか…。叫びのようなこの歌集で、萩原さんに思いを馳せるしかない。

    0
    2026年07月07日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    いままで詩というものに縁がなかったけれど、読んでいて自分と重なる所があったりユーモアにくすっとなる所があり読むことができて良かった。特別なことじゃない、辛いこともある。だからまた何度でも読み返したい。

    0
    2026年06月01日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    俵万智さんの書籍より、興味を持ち読んでみた。

    「人に寄り添う気持ち」「誰かのために」
    歌を読んでいて、とてもそう伝わってきた。

    今抱えてる気持ちは1人じゃないと励まされるようで、
    思いやりのこもった視点は、心に響いた。

    遠くに行きたがっている彼の心の声が、
    苦しくもあり、前を向こうとしている姿勢に勇気ももらった。

    この歌集が多くの人の心にちゃんと届いてること、彼に届いていればいいなと思う。

    0
    2026年02月05日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    俵万智さんの著書で紹介されていた1冊
    世の中との折り合いがまだ上手くつかずにもがいている状態を青春と呼ぶのならば、たくさんの青春の歌で満ちている(享年32歳)

    "頭を下げて頭を下げて牛丼を食べて頭を下げて暮れゆく"

    "文学の湯にどっぷりと浸かりたき夜である 三日月の夜である"

    "自転車のペダル漕ぎつつ選択の連続である人生をゆけ"

    『彼が人生を賭けて詠んだ一首一首が、歌集という滑走路を飛び立ち、多くの人の心に着陸している。その様子を、本人に見届けてほしかったし、まだまだ短歌を作ってほしかったという思いは強い。』
    (俵万智『生きる言葉』新潮新書)

    A book introduced in Machi Tawara’s writing.
    If struggling to find one’s footing in the world is what we call youth, then his work is filled with countless songs of youth. (He passed away at 32.)

    0
    2025年12月09日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    厳しい現実の中を生きていかなければならない苦しさ、そしてその中の光や希望、あるいはその影を、まさに言葉の中を飛ぶように自由に短歌で表現している。美しい。

    0
    2024年11月04日
  • 歌集 滑走路

    Posted by ブクログ

    著者がどういった人物か、一切の知識なしにたまたま手に取った。
    表紙のデザインが美しかったのと、滑走路、という色々な物語を想起させるタイトルの「歌集」というものに興味を惹かれたからだ。

    読み始めてみると、勢いがあって、静止があって、思考があって、日常があって、現実や当惑や希望があって、ぐいぐい引き込まれるように最後まで読んだ。
    歌集を読む時の習慣で、印象に残った歌には細い付箋をつけるのだが、かなりの数の付箋がついた。
    そして、最後の最後、解説や後書きを読んで、著者が32歳という若さで夭逝したことを知った。

    氏が詠んだ短歌には、色々な想いが練り込まれていたに違いない。未来を感じさせる歌も確かにあった。それでも、それでも、死に直面したという事実が、またひとつのメッセージでもあるように感じた。

    読み終えるまで、当たり前のように次の歌集や歌の変化を楽しみにしていた自分が、ふいに凪の海のようなところに投げ出されたように思った。この奇妙で沈痛な余韻もまた、作品の一部として受け止めるべき空白なのだろう。

    好きな歌をいくつか引用しておく。

    ・真夜中の暗い部屋からこころからきみはもう一度走り出せばいい

    ・いつか手が触れると信じつつ いつも眼が捉えたる光源のあり

    ・僕たちのソファーでありし草地にて還らぬ友を想い続ける

    ・箱詰めの社会の底で潰された蜜柑のごとき若者がいる

    ・シュレッダーのごみ捨てにゆく シュレッダーのごみは誰かが捨てねばならず

    ・内部にて光り始めて(ここからだ)恋も短歌も人生だって

    ・完熟のトマトの中に水源のありて すなわち青春時代

    ・いまはまだショックだけれどそのうちに……そうだ、たこ焼食べて帰ろう

    0
    2024年04月01日