白川方明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著書の総裁時代の国会答弁が論理的で端正だったことに感銘を受けていたので、その考え方や行動原理を知りたくて購読した。目的は十分に達せられた。
各論については種々の立場や意見について網羅的な解説があり、その中で自分の取る立場や思いが明瞭に記されている。特に、それが誰の意見であるかを明示するところが著者らしい誠実な態度だ。
何が正しいのかなどわからない、という懐疑主義がこの本の全体を貫いている。読者の中には正解を明示してくれない態度に業を煮やす向きもあるかもしれないが、私にはそれが著者の謙虚さに感じられた。学者の話が好きな人にはお勧めできると思う。 -
Posted by ブクログ
ちょうど経済学を専攻して一番中央銀行にも関心が向いていた時期の総裁の著した大著で、学生時代を懐かしく思い出した。
著者が日本銀行に入ってからのキャリアの一部、総裁となってから取り組んだ数々の課題についての二部、中央銀行の使命についての三部からなる。
デフレという立場によって意味が変わったりフレーミング効果のあるキーワードを使わないようにしていたが、このワードが国民にもたらした影響により日銀への信頼が薄くなると金融政策の土台が揺らぐために言及せざるを得なくなったりといった、中央銀行の発信が持つ大きな意義。他にもナラティブとして、失われた20年がある。人口動態の変化が存在する中で成長パフォーマンス -
Posted by ブクログ
白川元日銀総裁の超大作。実際に750ページ以上あって本が安定して「立つ」。今年の年末年始はほぼこいつに費やしてしまいましたが、いい時間でした。
さて、副題に「セントラルバンカーの経験した39年」とあるとおり、本書は白川氏が日銀に入行してから総裁時代までを、当時の状況に立ち返って書かれた本です。総裁時代には、リーマンショック/欧州通貨危機/東日本大震災と激動の時代を経て、アベノミクスに突入します。積極的な金融政策を政治・社会から求められ、日銀が批判にさらされた時代でもあります。
リーマンショックの際、日本の銀行はサブプライムローンをはじめとする、いわば「怪しげな証券」をあまり保有していなかっ -
Posted by ブクログ
ネタバレあとがきのページの最後までで738ページと、ここ最近で一番長い本だった。しかし実際、著者が日本銀行に勤めたのは39年であることを考えると、一冊の本に書ききれることも限られては来るのだろうと思う。
金融についてはとても疎いため、正直内容の半分も理解できていなかったと思うけれど、実体験に基づく金融を語っているので面白いなと思う部分も多々あった。金融の世界の構図や流れのようなものも知ることができ、同時に一人のキャリアの中でこれだけのことを経験し考え、伝えることができるのか、と個人的に感銘を受けた。
中央銀行と金融政策、そして財政がどれだけ私たちの経済に重要な役割を担っていて、私たちの暮らしに影響を与