杉本信行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
病気により死期を予感しながら書かれた、元上海総領事の渾身の一冊。等身大の中国、中国と日本の抱える問題を語る。愛国者、かつ、冷静な視点。最近の日本で失われつつある、中国の立場をも斟酌した日本に求められる国際的態度を、論理的に説く。特にODAを巡る価値観の衝突は、我々が基本認識として保持すべき視点。靖国参拝に対してもそう。妥協するのではなく、言いなりになるのでもなく、偏らず、歩み寄る。新たな知恵。花を持たせて、実を取る。そういう解決策が必要だ。
バチカンと中国の国交の必要性は、今、私の興味である、歴史の監視役という視座からしても、面白い考え方だ。ただ、カトリックの拡大可能性や、実際的かというと疑 -
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@yonda4
巨大な隣人、中国。隣の国なのに日本人の多くは中国をよく知らない。レッドクリフは観るけど、今の中国ってよく知らない。最近日本にも中国人観光客が増えたな~。位の認識だと思う。
内閣府世論調査によると、2008年の日本人の対中国好感度割合は約30%。1980年の78%に比べると、多くの日本国民が中国を快く思っていない。小泉首相の靖国神社参拝問題、04年サッカーアジア杯、毒入り餃子事件、など、中国関連の事件を見るとこの数字もそりゃそうだよな、と言いたくもなる。
ところが、嫌だな~と思っても国と国として付き合っていかなければならないことは事実。特に経済面にて中国依存は大きい。
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Posted by ブクログ
中国、この厄介な隣人
著者は、上海総領事館の職員が中国のハニートラップに引っかかって自殺した時の総領事。また、自らが末期がんであることを知り、本書の執筆を決意したという。
外交官として文字通り中国と格闘してきた筆者の中国分析には、他の学者やジャーナリストの中国本にはない迫力、生々しさがある。それにしても、こんなに仕事をする外交官が外務省、それもいわゆるチャイナスクールにいるとは、率直に言って驚きだった。
中でも印象に残ったのは、ODAについてのくだり。大都市の巨大プロジェクトの場合では日本の貢献を必死にアピールしなければならなかったのに、地方の小さな要望をくみ上げて援助するようにしたら頼