山寺香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
祖父母を殺した少年事件の話。記憶にあるような気がしていたけど、たぶん、ネット上で記事を見たのかもしれない。
小学5年生から学校には通わず、ホームレースになり母と妹のために働いていた少年。
お金を得るために祖父母を殺せと母親に言われて殺した。
読めば読むほど、欝々としかしない。
色んな虐待ものを読んだけど、最終的に『子供が死ぬ』パターン読んだことがあっても、『人を殺す』パターンは初めてだなと思った。
でも、親子関係というのはある種の『強力なマインドコントロール』が出来てしまう関係だと思うので、なんでもできるんだなと思った。
怖いのは、書いてある事がある程度事実だとすると、少年はかな -
購入済み
辛い
映画MOTHERを観てから、この本を読みました。
自分も、子供の頃ツラい思いをした経験があり
読んでいてフラッシュバックする事があった。
思い出したくないので読むのを辞めようかと思ったが
母への疑問が解決できるかと思って
逃げずに最後まで読みました。
母への疑問は解決出来なかったけど、自分は絶対に
こんな母親にはならないと、改めて思えました。
そして、近くに困ってる子供を見かけたら
見て見ぬふりをしない事を誓います。 -
Posted by ブクログ
2014年、埼玉県で起きた殺人事件。少年が祖父母を殺害した事件だということはニュースか何かを見てなんとなく覚えていた。
「お金が必要だったのかな」「感情的になってしまったのかな」「家庭環境に問題があったのかな」
この事件について考えたとしてもこの程度だったと思う。
この本を読んで、そんな単純なものではない事を初めて知った。事件の背景には更に背景があって、個人の生きづらさや社会の問題の積み重ねが事件を起こさせてしまったのではないか。
最後に「自立とは多様な依存先があること」という話が出てくる。余裕がないと偏った判断をしてしまう。自立の為には周りからのアプローチが重要となる。
自分の生き方を振 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2014年に起きた、17才少年の祖父母 強盗殺害事件についj書かれたルポ。
ルポを読むのは初めてだが、事実が多く書かれていることと、少年の手記が残されていること、そして事件や少年と接するにあたり、著者の過剰な意見や推測が書かれていないことを含め、読みやすくかつ心に残る一冊だった。
少年とわたしの年齢は2歳差。たった2歳、そして生まれ育った環境が違うだけで、わたしは幸福に生き、彼は生きることすら嫌になるような人生を送っている。そして15年の時を、孤独と共に刑務所で過ごす。
虐待ときくと、つい暴力を想像してしまうが、本書の少年が受けていたのは、主に精神的な虐待で、母親と少年が共依存な関係とな -
Posted by ブクログ
同じ時をこんなに過酷に生きている子どもがいたなんて、ショックでした。信じること、未来に希望を見出すこと、愛されることも叶わず、それでも妹を守ろうと必死に生きる彼は、本来は愛を持っている人なのだと思いました。
祖父母を殺したことの意味を感じ取れる人に戻り、罪を背負いながらも、普通の大人たちと穏やかに生きていってほしいです。
自分の子供時代とはかけ離れた生活の彼ですが、どこか共感する部分があり、昔を思い出し苦しくなることもありました。誰かに助けてほしかった子供時代。大人になったわたしは、誰かに手を差し伸べられるのか、大人としての責任を突きつけられる本でもありました。
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Posted by ブクログ
同じ埼玉県内の事件だったのでよく覚えている。17歳の少年が金品
目当てに祖父母を殺害した。事件発生当初は「また身内による殺人
か」と思って気にも留めなかった。
だが、事件の背景が報道されるにつれ、少年が送って来た過酷な生活
を知り、「なんでこんなことになったのか」といたたまれない気持ち
になった。
少年はいわゆる居所不明児童だった。両親の離婚、浪費癖があり
経済観念ゼロ、生活能力のない母と生活が徐々に少年を追い詰めて
行く。
学校に通ったのは小学校の5年生まで。その後は一時、生活保護を
受けてフリースクールに通うようになるのだが、お金が必要である
にも拘わらず「行政 -
Posted by ブクログ
・行政の人間が怠けているからこのような少年が救われない、のではなく、救えるはずの人を救えるシステムがまだ出来ていない。
面倒見てあげたいと思っても次の日には姿を消す、その行き先はわからない。それでは支援が難しいのは当たり前。
・少年にフォーカスすると話が綺麗なのはわかるが、事件の根本的原因として描かれている母親の背景への考察が薄かったのが残念。
母親の家庭環境にそこまで問題はなかったと描かれているが、あそこまでの浪費癖、他人との接し方を考えると、単なる性格が悪い女、では片付けられない。
・少年は大変賢く頭も切れるので更生に希望を感じるが、肝心の母親をどう短期間で支援するのか気になるところ。 -
Posted by ブクログ
川口市で起きた17歳の少年による祖父母殺害事件。
著書の取材により炙りでるこの事件の本質を描くルポルタージュ。
クロワッサンに紹介されていたのを見て手に取りました。
事件のことはほぼ記憶にないまま。
同世代の息子がいるので、話題にはしていたかもという程度です。
事件の背景を知り、母親に対する嫌悪感を感じ、腹立たしい気持ちになりました。
少年の罪は非常に重い。でも、この母の罪はさらに重いものだと思います。
この母親をどうにかすることは出来なかったのか。
虐待を受けた子供を救う為に行政できることにも限りがあることを知りました。
自分を含め、周囲の人が行動することが救いになることがあることも知