「はじめに」にもある通り、生命の歴史を物語るとき、生命が陸に上がったあと、陸上の生物がメインになってしまって、海の生物は明らかに傍流のように扱われているというのは言われてみればたしかにそうだ。本書は生命上陸後も海洋生物をウォッチしていくというなかなか面白い企画。なにしろ表紙、裏表紙の強そうな海洋生物たちは惚れ惚れするほどのかっこいい。三葉虫が進化の中で防御に重点を置くためトゲトゲが増えていったのはそれを食べるものがいたからだ、マルレラやウィワクシアの構造色は(=色がある)のは「見えていた」ものがいるからだ、という点はなるほどと思った。