阿佐ヶ谷姉妹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1冊まるまるエッセイだと思っていたら、
「はじめに」にて、なんと姉妹それぞれが挑戦した初めての小説も読めるとのことで、小説が好きな私としてはテンションが上がった。
小説は、みほさん作のみほさんワールドな作品も良かったし、えりこさん作の作品は、長編で読んでみたいと思わせる力作だった!
エッセイは、姉・えりこさんの丁寧に語りかけてくるような文章も好きだし、みほさんの笑わせてくるセンスのある文章も好き。
引越しの予定はないけれど、間取りとか物件見るのは大好きなので、阿佐ヶ谷姉妹の物件探しのお話は、読んでいて楽しかった。
綺麗事ばっかりではなく、2人それぞれが相手の愚痴をエッセイに書いちゃうと -
Posted by ブクログ
☆4.8
エッセイは小説・漫画ともに好きになれないことが多く、苦手な分野。
だが家族が面白そうに読んでいたのと、テレビで見る阿佐ヶ谷姉妹の自然体なのにどこかコミカルで上品だけど庶民的という不思議な印象に惹かれ、読もうと決めて長いこと積読本として眠っていた。
結果大当たり。大正解。私が読みたいエッセイってのはこれなのだ。取るに足りない些細な日常のあれやこれやが、文章の巧みさではなくただただ筆者の人柄と絡み合って読み手に届く。華麗な比喩も哲学的思考も一本取られるような皮肉もエッセイにはいらない。自分が生きているこの世界の、同じ地面の延長上にこの本を書いた人がいて、日々愉快に切なく暮らしていることを -
Posted by ブクログ
芸能人としての敷居の高さとかがなく、私と離れた世代2名の心境が素直に語られている、といった内容でした。基本的には阿佐ヶ谷のアパート周囲のみが舞台となっているにも関わらず、ご本人たちの人柄により生み出された地域との繋がりがあり内容に彩りのあるエッセイになっていた所が印象的でした。
ここは素人の書評として、また作品を届けてくれた筆者にリスペクトを持ったうえで、忌憚のない感想を言うと、なんか結構ジェネギャを感じる文章だったな、、という感想はありました。
「穏やかで飾らない」「無害で微笑ましい」といった印象を少し進んで強調して見せようとしているように捉えられ、そこにある種のくどさを感じ続けてしまった -
Posted by ブクログ
ストレスなく読める。恋愛話がないのがうれしい。
朝陽の話と、3章がめちゃくちゃおもしろかった。
エッセイなので平坦な構成かと思いきや、想像以上にいろんな話があって、めちゃくちゃ好きな話もある。一緒に住むくらいなので、ベッタリ仲良いのかな…と思いきやシビアな側面もあり、良かった。
途中の小説・3月のハシビロコウが予想以上におもしろかった。話自体の起伏は少ないのに、話の持っていき方がうまいというか自然というか、でもハラハラする部分やほっとする部分も作られていて、食べ物の描写も楽しくて、小説としてとてもおもしろかった。他のやつも読みたい。
作中に出てくる舞台のセンスが尖りまくっていて嫉妬した。
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Posted by ブクログ
読んでみたかったエッセイ。
姉妹で交互に軽やかに生活が綴られていくけれど、やはり連載となるとネタ切れになり〆切が迫り、相方は筆が進んでいるのに書けなくなってしまって大号泣の姉エリコさん。それでも軌道修正してホッコリまとめあげるのはさすがだなあと思った。
“テレビで見ていたピンクの似ている2人”という印象から、この本を通じてそれぞれのカラーが見えてくる。距離感0なエリコさんや駅で姉を捲くミホさんに笑ったけれど、根本の相性はとても良いことも伝わってきた。
エッセイの合間には2人がそれぞれ執筆した小説も収録されていて、特にエリコさんの美しい文才が光る。ミホさんは言葉選びが秀逸で「姉はもう本物の鬼婆だ