季節や気候条件によってすがたを変える水の美しさをたんのうできる作品。
エッセイを読んでいるような語りが魅力的だった。自然の不思議や美しさに目をみはり、自然に対する愛情を抱く著者がそばにいるようで。
水の形態変化を分かりやすく紹介している本は多くあるけど、この本は著者の心の機微とともに水の美しさと神秘を味わえるという点がすばらしい。
「雨を降らせる雲の中はどうなっているんだろう?」と、子どもの頃に抱いた疑問で本は始まる。次のページで高山に登り「雲の中」に入るという展開に、はじめっから心をつかまれた。とてもワクワクする体験だった。