ハリー・ファージングのレビュー一覧

  • 汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 下

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    見事、としか言いようのない作品。ラストカットがまた素晴らしいです。二つのストーリーが絡み合い収束していく過程には無駄が全くなく、終始スリルと興奮が味わえました。エベレストを究める冒険、策略、サスペンス、戦争の歴史と胸躍る要素が全て組み込まれ、深い満足感に包まれています。多くの人に手にとってほしいけど、独り占めしたいような気もします。読んでいる間中映像が目に浮かびました。映画になったらほんとに素敵だけど、ロケとか諸々考えるとまあ無理です。ただ、ヘンリエッタはジュディデンチ、ヘレンミレンはどうかな、と勝手にイメージしました。

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    2019年06月02日
  • 汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 上

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    またまた格調高いタイトルに惹かれました。原題はSUMMIT。エベレスト登頂の厳しさが大変リアルに描かれてゾクゾクします。カトマンズの克明な描写も、まるでその場所にいるかのような気分になります。プロローグから、写真を撮ったのはあの人?写ってるのは彼?と色々想像を膨らませますが、そんなに単純ではないかも。二つのストーリーがどう絡み合うのか、構成が見事すぎて期待感MAXで下巻へ。

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    2019年06月02日
  • 汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 下

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    ハリー・ファージング『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 下』竹書房文庫。

    夢枕獏の『神々の山嶺』に匹敵するほど非常に面白い山岳冒険小説の下巻。どちらかと言うと夢枕獏の原作よりも谷口ジローが漫画化した『神々の山嶺』とストーリーと結末が似ている。

    人類初のエベレスト登頂を果たしたのは誰なのか?ヒラリーとテンジンではなく、マロリーとアーヴィンでもなく、ドイツ軍の兵士だったのか……山岳小説ファンなら見逃してはならない掘り出し物の逸品。

    下巻も現代を舞台に山岳ガイドのニール・クインの味わう苦難と1938年を舞台にドイツ猟兵部隊のヨーゼフ・ベッカーが味わう苦難とが交互に描かれる。クインはベッカーの果たし

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    2018年06月14日
  • 汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 上

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    ハリー・ファージング『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 上』竹書房文庫。

    山岳冒険小説の上巻。竹書房文庫はごくたまにやってくれるから、油断出来ない。キャロル・オコンネルの『マロリーの神託』以来の掘り出し物ではなかろうか。エベレストをテーマに現代と1938年とが交互に描かれ、わくわく、じりじりする展開が続く。この先は一体どうなるのか。下巻に急ぎたい。

    現代。山岳ガイドのニール・クインは少年冒険家・ネルソン・テイト・ジュニアのエベレスト登頂に付き添っていたが、不慮の事故で少年を死に至らしめてしまう。少年の父親の逆鱗に触れ、命を狙われるクインだったが、エベレスト山頂付近で見付けた鉤十字が刻まれた古い

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    2018年06月13日
  • 汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 上

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    戦争と言う巨大な暴力に人は抗えず、ただ翻弄されて大きな渦に巻き込まれて溺れてしまう。
    一人の狂人による理不尽過ぎる暴力は、突然に降りかかる避けられない悲劇を呼ぶ。

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    2022年02月27日
  • 汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 下

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    最後まで、面白く読めた。
    山岳冒険小説が好きな僕としては迫力ある自然との闘いを描いていると思っていたが、その辺が薄口なのが残念。

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    2022年02月27日