【感想・ネタバレ】汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 下のレビュー

あらすじ

歩み続けろ、後悔は山頂に置いてゆけ
鉤十字のピッケルを狙い、ネオナチが暗躍し、謎の骨董商が動き出す!

登山に犯罪ドラマ、そして歴史ミステリ。通常では考えにくい組み合わせをファージングは見事に実現してみせた。裏切りや栄華に人間対自然といった要素のすべてが巧く描かれており、さらに歴史の謎と魅力的な登場人物たちが加わって完璧な物語に仕上がっている。まさに最高の一冊だ。
――〈アズ・オールウェイズ〉

1939年。訓練を終えたヨーゼフはチベットへと向かう。
イギリス軍の監視の目をかいくぐり頂上を目指さなくてはいけないが、
同行するシェルパが揉めごとを起こすなど山に至るまでの道も険しいものだった――。
現代。クインが発見したピッケルを狙い、謎めいたドイツ人骨董商、ネオナチらがうごめきだす。
骨董商を訪ね詳しい情報を得たクインだったが、
彼への復讐をもくろむサロンとピッケルを狙うネオナチからの襲撃を受ける。
そして、彼は何かに導かれるかのようにふたたびエベレストの頂点を目指すことになる――。
果たしてヨーゼフはエベレスト登頂に成功したのか? すべての世界最高峰に眠っている……。

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Posted by ブクログ

見事、としか言いようのない作品。ラストカットがまた素晴らしいです。二つのストーリーが絡み合い収束していく過程には無駄が全くなく、終始スリルと興奮が味わえました。エベレストを究める冒険、策略、サスペンス、戦争の歴史と胸躍る要素が全て組み込まれ、深い満足感に包まれています。多くの人に手にとってほしいけど、独り占めしたいような気もします。読んでいる間中映像が目に浮かびました。映画になったらほんとに素敵だけど、ロケとか諸々考えるとまあ無理です。ただ、ヘンリエッタはジュディデンチ、ヘレンミレンはどうかな、と勝手にイメージしました。

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2019年06月02日

Posted by ブクログ

ハリー・ファージング『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え 下』竹書房文庫。

夢枕獏の『神々の山嶺』に匹敵するほど非常に面白い山岳冒険小説の下巻。どちらかと言うと夢枕獏の原作よりも谷口ジローが漫画化した『神々の山嶺』とストーリーと結末が似ている。

人類初のエベレスト登頂を果たしたのは誰なのか?ヒラリーとテンジンではなく、マロリーとアーヴィンでもなく、ドイツ軍の兵士だったのか……山岳小説ファンなら見逃してはならない掘り出し物の逸品。

下巻も現代を舞台に山岳ガイドのニール・クインの味わう苦難と1938年を舞台にドイツ猟兵部隊のヨーゼフ・ベッカーが味わう苦難とが交互に描かれる。クインはベッカーの果たした偉業の真実に迫れるのか……ベッカーは人類初の偉業を達成出来たのか……そして、あろうことかエベレスト山頂付近でのクインとベッカーの出会い。夢か幻か。

何という物語だろうか。これがデビュー作とはとても信じられない。

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2018年06月14日

Posted by ブクログ

最後まで、面白く読めた。
山岳冒険小説が好きな僕としては迫力ある自然との闘いを描いていると思っていたが、その辺が薄口なのが残念。

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2022年02月27日

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