伊神満のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イノベーターのジレンマはどうして起きるか。
共喰い現象=新しい製品が、既存のヒット商品のシェアを奪う。
置換効果=既存企業は、新商品によって失うものが大きいのでイノベーションに本気になれない。
競争効果=既存企業は、他社の新規参入によって失うものが大きいので、本気で独占的地位を守ろうとする。
世の中の競争はほとんどは不完全競争なので、ゲーム理論でないと分析できない。
ライバル数は少ないほどいい。
近視眼的な判断をする理由=人や組織の惰性、過去の成功体験に引きずられがち。ビデオチェーン店のブロックバスターはオンライン配信化には成功した。しかし既存店を切れなかった。大企業の情報伝達効率の低下。
インテルはメモリ事業から撤退。メモリのインテルは死んで、CPUのインテルに生まれ変わった。
コダックはデジタル化には成功していたが、フィルム事業の利益率が高かったため、手放せなかった。
貯めるのに時間がかかる資源を資本と呼ぶ。人材、知識、ブランド、関係。、など。
1、新製品と旧製品の代替性が高いと、需要の共喰いが発生して新商品に切り替えずらい。
2、とはいっても、ライバルの参入を許すと、市場の独占度が下がるので、早く新技術を導入すべきである。
3、研究開発能力は既存企業も新規企業も優劣は付けがたい。
相関はデータの中に、因果は頭の中にある。
操作変数法(既出の変数以外の操作変数が存在すれば、それを操作することで、本当の因果関係がわかる)。
共喰いの度合いは、需要の代替性(弾力性)で測れる。
クールノー競争(生産力競争)とベルトラン競争(価格競争)。同質財で価格競争しているがそれなりの利益が出ている状態=生産力を競っている=クールノー競争。
イノベーションのジレンマを解決する方法
1、新事業部を分社化する。しかし、実際はうまくいかない。新規部門に移籍する社員がいない、など。
2、M&A。シスコシステムズはこの方法で成長した。しかしアメリカでも失敗のほうが多い。
3、成功しても旧部門を切れない。武田薬品はビタミン事業を2001年以降にやっと売却した。
4、生き延びるためには、いったん死ぬ必要がある。
5、株主と経営者の最適が違う。新世代の技術のために現在の有望事業をやめるのは、株主にとっては大損。
共喰いがあるのであれば、どこかで主力事業を切り捨てる必要がある。損切りと創業、の繰り返し。
政策でイノベーションを促進できるか。
官製ファンドは、ゾンビ企業を生き延びさせるだけ。
特許の制度を使えば可能か。知的財産権を保護してもイノベーションが促進できるとは限らない。ロダイムの3.5インチHDDの特許の件。最終的には認められなかったが、ライセンス料を支払う会社もあった。 -
Posted by ブクログ
頭の悪い僕にはちょっとアカデミックで骨が折れた、、けど
結論は納得する。
個人的に、既存企業にとっての"共食い"のうち、リソースとして有りがちなのは人材だと思う。
有望な人材を主流の事業に置くか、新規事業に置くか。
おそらく大半は前者にしてしまっていて、だからこそイノベーションが起きないんじゃないかなぁ。
だとすると、異動ももちろんそうなんだけど
採用からこれまでとぜんぜん違う人材を見極めて、増やしていく必要性に迫られる。
ところが社会的には少子高齢化、売り手市場。
なかなか思うような採用もできなくなっちゃいました…
っていう日本の状況を妄想してました。 -
Posted by ブクログ
ベストセラーとなったクレイトン・クリステンセン「イノベーターのジレンマ(1997)」の結論をトートロジー(「無能な会社は失敗する」)にすぎないと批判し、理論的・実証的な裏付けのある検証可能なものとして再構築するというのが本書の狙い。結果的に結論はクリステンセンと同じになるのだが、仮説→検証の過程で明らかになる対象業界(HDD製造)と個別企業の特性はもちろん、最終的に株主って誰?政府って誰?という素朴だが根源的な問いに到達してしまうところが面白い。
ただし、本書で扱われる「イノベーション」はややハードルが低く、「HDDインチ数の縮小」という既存製品サービスの外延が対象。そのため、そもそもこれをイノベーションとまで言えるのか、既存とは全く異なる革新的な製品・サービスの場合は結論が異なるのではないかという疑問が浮かぶ。次作を待ちたい。