ロバート・ロプレスティのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルだけで「あぁ、軽いヤツな。海外版ラノベな」と思っていたのだが、いやいやこれはオモロい。タイトル通り、お茶でも飲みながら、あるいは通勤電車で1編ずつとか、軽く読めるのは間違いないのだが、決してラノベではない。
日常ミステリーもの…と括ってしまえばそうなのだが、短くて(20Pくらいかな、中にはショートショート程度のものも!)かつ、起承転結はっきりしてて、ミステリー部分も抜かりなく、キャラクターの個性まで書き分けている。その上で洒落ているというかあか抜けているというか…。
重厚長大な作品もいいが、薄くても軽くても面白い小説は駈けるのだということ。星新一が教えてくれていたこのことを、歳をとって忘れていたみたい。この本を読んで思い出せて良かった。
作者の短編集がもう1冊出たみたい。機会をみて読むこととしよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ未読の人もここは読んでおいてほしい。
まず絶対注意しておかないといけないのは、この本は作者を有名にしたシャンクスシリーズではない、ということ。
タイトルのつけ方が少々あくどいので、間違えてしまう人が多いようだが、シャンクスの活躍を期待すると、関節を外さんばかりの肩透かしをくらうので要注意!シャンクスは1度たりとも出てこないので。
ということさえ分かって手に取れば、この本はそれなりに面白い短編集である。最後の中編を除き、謎解き要素は少ないが、ハードボイルド風ありずっこけ風あり反差別テーマを含有したものありと、いろんな風味の短編集を楽しませてくれる。ロプレスティも訳者もいい仕事をしてくれている。
だからこそ、売らんがためのごときタイトルや装丁が、非常に残念。「コーヒーショップやん、謎解きしてるやん」っていう、ガキのような言い訳まで聞こえてきそう。 -
Posted by ブクログ
ミステリー作家が探偵役になるちょっと洒落た感じの連作短編集。主人公の身の回りにあれやこれやの事件が起こるのだが、うーんたくさん起こりすぎだと思いつつ、アメリカだったらこんなものかなとも思ってしまう。作家もパーティーやチャリティーだとか、作家仲間やエージェントとの関りやゴーストライターの問題やら、いろいろ大変そうだなあと他人事ながら心配してしまう。主人公のシャンクスはロマンス作家の奥さんにもいろいろ気を使っていて大変そう。「幸せな結婚生活がこんなに長くつづいている理由のおよそ半分はシャンクスにあったので、『だからいっただろう』などという言葉が口をついて出ることはなかった」という文章があって見につまされる。続編が出ているらしいので楽しみだ。
-
Posted by ブクログ
ミステリ作家のシャンクスは「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」という持論を持っているのだが、事件の方がシャンクスを逃がしてくれない。これは些細な違和感から大きな犯罪を炙り出したり、殺人事件に巻き込まれたりと、何かと忙しい彼の日常生活を綴った連作短編集である。
まず本書が“持ち込み”スタートの出版ということに驚かされる。見つけて翻訳出版に持ち込んでくれた訳者には感謝しかない。シャンクスという癖の強い人物を生き生きと表現し、物語に彩りと独特な香りを与えてくれたように思える。
短編同士の時間の流れは極端にスピーディーでもスローでもなく極々自然に動いているため、知らないうちに売上が逆転しているシャンクス夫婦の作家としての立ち位置の変化なども面白い。
作家仲間やエージェントなどの登場人物たちも“いかにも身近にいそうなタイプ”なのが読んでいて楽しい。
全般を通して、ミステリなのに日常系小説を読んでいる気分になった。不思議な読後感。 -
Posted by ブクログ
前作『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』は、ミステリ作家・シャンクスを主人公にした連作ミステリでしたが、本書はシャンクスものの続きではなく、独立した短編集でバラエティーに富んだ内容の九話が収録されています。
どの話もシニカルで一捻りある展開が楽しめるのですが、捻りすぎて訳わからなくなっている「宇宙の中心(センター・オブ・ザ・ユニバース)」のような話も見受けられます(まぁ、この話が読みづらいのは“そういう設定”だからではあるのですが・・)。
加えて孤児列車や人種差別、兵役拒否者などアメリカならではの社会問題も各話随所に散りばめられていて、その辺りも興味深かったです。
個人的には、緊張と緩和のバランスが絶妙な展開の「ローズヴィルのピザショップ」と、とある女性と刑事の会話から浮かび上がってくる真相とラストの余韻が秀逸な「共犯」が好みでした。
あと、本書の中で唯一ミステリらしいミステリだった「赤い封筒」も面白かったのですが、探偵役の詩人・デルガルドの人を食った態度がトゥーマッチだったのが少々うんざりだったかな~と。
特に謎解き場面で、自作(?)の詩をボンゴの演奏付きで逐一挟んでくるのが“もう、ええって!”という感じで、彼にイラついていたガンダースン警部補にそこは同意した次第ですww。 -
Posted by ブクログ
“小粋でしゃれた味わいのミステリ”(by解説者)、連作短編14話が収録されています。
ミステリ作家のシャンクスが、遭遇する様々な謎を解決していく話で、事件性があるものというより(無くは無いですが)、基本的には“日常系”の謎解きがほとんどです。
シニカルで始終ぼやいているシャンクスですが、妻のコーラに頭が上がらなかったり、クセのある作家仲間たちやエージェント、面倒な一般人に“やれやれ”と憂鬱になりつつも、何だかんだで“謎を解く羽目”になった際は、鋭い視点を発揮してくれます。
個人的には、シャンクスVS詐欺電話の「シャンクスは電話を切らない」が、めっちゃ短い話でしたが小気味よくて好きでした。
あと、「シャンクス、タクシーに乗る」も、結果“ええ話”になっているのと、オチも効いていて良かったです。
各話に「著者よりひとこと」という独り言のようなコメントがついているのも面白いですね。
タイトル通り、ティー・ブレイク(お茶だけに)に読むのにぴったりな一冊かと思います。