デイヴィッドヤングのレビュー一覧

  • 影の子

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    ネタバレ

    70年代の東ベルリン(ドイツ民主共和国)。
    実在のシュタージ(国家保安省)の中佐と、刑事警察の女性中尉が
    殺人事件をめぐって互いに探り合う。
    ベルリンの壁が存在し、社会主義国である東ドイツを描いた歴史ミステリ。
    冷戦時代、東ドイツはもちろんのこと、
    ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリーなどは
    社会主義国であり、
    91年のソ連崩壊までは、いわゆるソ連の衛星国だった。
    つまり、まだ30年くらい前、一世代前のことなんだと、
    今さながら思う。
    ウクライナ侵略が起こっている現在、
    社会主義国特有の闇が、生々しく感じられる。

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    2022年12月02日
  • 影の子

    Posted by ブクログ

    1975年の東ドイツを舞台にしたミステリー。日本では、ペヤングソース焼きそばが発売され、米国ではマイクロソフトが設立されたころだ。その時代にはベルリンの壁があり、東ドイツでは社会主義体制に反対する(という疑いが持たれる)人々を弾圧し、拷問し、処刑していた。少女の死体が見つかった事件で捜査をすることになったカーリン・ミュラーは複雑な立場にある。夫が反体制派の嫌疑をかけられ、カーリンも部下の副官と浮気をしている。どちらも東ドイツでは重大な犯罪となる。一方で、少しずれた時間軸で進行する話があり、殺害された少女たちの物語が進行する。こちらも悲惨な話だ。体制に振り回されて人生を狂わされる。二つの時間軸が

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    2019年11月08日
  • 影の子

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    はじめはなかなか読み進められなくて、時間がかかったけど、半分くらいから物語の先が気になって面白くなりました。社会主義の国の怖さや孤独感や、お互いの疑心暗鬼な不信感みたいな負のイメージがずっと支配してたストーリーだった。
    最後まで、えっ、というラストで、これが社会主義国家⁉︎という思いで読み終わった。

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    2018年09月05日
  • 影の子

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    ネタバレ

    1970年代の東西に分断されたドイツ。東ベルリンの刑事ミュラー。少女が殺された事件の捜査を開始するけれど圧力、疑念、不信が渦巻いていて誰かが誰かを常に監視し裏切りがあり何が正しくて正しくないのかがわからない。常に緊張した空気の中での捜査で異様な空気もある。この時代の大きなものに支配された理不尽なもの、生活が描かれている。事件の裏にあるもの、事件に関わった人が見るドイツの真実。そのどれもが残酷で悲しい。とても読み応えのある作品でこの先も翻訳されていくと嬉しい。

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    2018年06月13日
  • 影の子

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    ネタバレ

    東西ドイツ時代を設定にしているということに興味を引かれて読んでみた。
    内容は謀略の嵐で、誰も信用出来ず、今日あることが明日は激変しているかも知れないという、そんな環境で事件の真相を追うために奮闘する警察官の姿が描かれている。
    現代ですら様々な謀略や陰謀に振り回され埋もれていく人がいるのだから、当時の社会主義、共産主義の国ならもっとだろう。
    明らかに白であっても権力が黒だといえば黒になるし、その権力者ですら明日は権力があるかどうかは分からない。
    救いはないしゴタゴタしてるし、キャラクターたちも感情移入出来ないし、全体的には好みではなかった。

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    2018年09月16日
  • 影の子

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    原題のシュタージチャイルドって、ネタバレ?
    今や歴史の1ページとなったベルリンの壁だが、1975年の東ベルリンで少女の死体が発見され人民警察の中尉が捜査に乗り出すもシュタージが介入したり、権力構造も一枚岩じゃなかったり…。
    不倫の誘惑や夫の反政府的行動や、さまざまな妨害を乗り越えて、驚くべき真相へとたどり着くのだが、肝心の殺人の方法が複雑過ぎて、偽装にブロッケン山にしかいない山猫の血まで登場させるのは受け狙いとしか思えない。
    廃坑を利用した抜け穴も、よくある展開だし、少女が殺された理由もすぐに見当がつく。
    ただ、エピローグはシュタージチャイルドそのもので、社会主義国家の暗黒面(自由な国の無責任

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    2018年05月31日