室井光広のレビュー一覧

  • おどるでく 猫又伝奇集

    Posted by ブクログ

    副題の<猫又伝奇集>をみて、妖怪の猫又かと思って読み始めた。妖怪らしきものも時々登場はするものの、この本のなかの猫又は架空の地名であり、冒頭に収められた『猫又拾遺』は、『遠野物語』形式の掌編集。ほかの短編もすべてこの架空の土地が舞台であり、それぞれの物語は登場人物やエピソードがリンクしている。巻末には自作解題やインタビューがまとめられていて、作中に散りばめられている方言の半分以上は創作であると語られている。一方で実在した(する)人名や地名なども多用されており、虚実ないまぜの語りを目で聴いている気分になる読後感だった。

    0
    2024年05月21日
  • おどるでく 猫又伝奇集

    Posted by ブクログ

    全然進まなくて、少しずつしか読めなくて、ものすごく時間がかかった。
    中身はすごく興味深い(民俗学や言語学や色々な要素が詰まっている)のに、読んだ傍から読んだ文章が崩れていくような感覚。
    一文が次に繋がっているようで繋がっていない感じ。意味というものが逃げていくような、不確かで曖昧で捉えられないものに変わってしまうような感じ。
    うまく伝えられないのだけれど。体験したことのない感覚だった。

    個人的には「大字哀野」が非常に良かった。引用して紹介したい部分がたくさんあった。

    0
    2024年03月28日