境家史郎のレビュー一覧

  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    1945年の終戦以降の政治史を描く。筆者があとがきで書いているとおり、戦後政治史のガイダンスを担う「コンパクトな通史」となっている。自民党史だけでなく、非自民党にも目配りして説明しており、戦後政治史の入門書としては最適である。 終章で、現在の政治状況を「ネオ55年体制」と名付けている。憲法9条と現実の安全保障政策の整合性をめぐる対立が、再び自民党の政権担当能力の独占という現象を生み出しているのである。

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    2025年01月05日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    1945年から2020年までの政治史
    巻末の「主な政党の変遷」は、知っていたつもりが実は知らなかったりで勉強になった。

    著者の見立てだと、当分はこのままなのが悲しい。

    P19 社会党をのちの民主党と被せてるのは、変わってないなあと
    P31 (憲法)7条解散
    総理の「解散権」をさも当然のごとく報道するのはなんだかなあ
    P43 逆コース
    警察にまで手を付けようとしたのは驚き。労働問題もだけど、「民主化」は不可逆ではないんだなあと。
    P46 安保改定の評価はともかく、よく米国相手に立ち回ったなあと。不平等条約改定を思っての感想ですけど。
    P94 バラマキはじまり
    P95 「クリーン三木」
    そもそ

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    2024年01月18日
  • 憲法と世論 ──戦後日本人は憲法とどう向き合ってきたのか

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     境家氏は現熊本県知事の蒲島郁夫などの属するリヴァイアサン学派に影響を受け、統計学などを駆使して実証的に政治を分析することを専門にしている。彼の授業を以前受講しており、さらに日本政治の理解を深めたいと考えて読んだ。 
     この本の対象時代は1955年以降から細田連立政権に負けるまでの55年体制と、その後の小泉改革の時代から改革疲れのバックラッシュまでを扱い、日本人の憲法観の変遷を分析する。この本では特に印象深いのは、やはり境家氏の執念ともいえる憲法を扱った世論調査の収集と分析である。本で提示されているデータの量も多く、印象論で語る政治ではなく客観的なデータに基づいており、時代ごとの憲法観という漠

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    2022年10月17日
  • 憲法と世論 ──戦後日本人は憲法とどう向き合ってきたのか

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    戦後の政治状況と世論調査を詳しく分析した好著だ.「一般改正質問」と著者が名付けた"憲法改正に賛成ですが"という今となっては曖昧な質問が,憲法発布直後では的確な問いかけであったこと,またその当時"戦争放棄の条項を必要とするか"との問いに70%が必要と答えたことなど,今の感覚からすると意外な事実も記載されている.岸内閣当時でも正式の軍隊保有論は完全に否定されていたことも意外だった.最後の方に出てくる出てくる有権者の意見の曖昧さの事実を踏まえて,最終的には「個人的無知から集合的英知」が得られるとの説は納得できるものだ.面白かった.為になった.

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    2018年03月02日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    戦後日本政治史を憲法を軸として記述していた。

    政治の歴史を記述するって大変だったと思うけど、日本のこれまでを知る上では有益であった。

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    2025年10月03日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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     通史の部分よりも、歴史観になるほどと感じさせる点が多かった。
     結局、本質的な面では何も変えられず、ただ選挙だけを繰り返してきたことがよく分かる。
     歴史が現在に近づくほど、あまりにも人材が枯渇していくことが悲しいくらいに痛感される。

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    2023年10月20日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    1945-1960、戦後
    1960-1975、実質的意味の55年体制
    1975-1990、形式的意味の55年体制
    1990-2000、改革の時代
    2000-2020、再イデオロギー化
    と、これまでの歴史を時系列にブロック化しており、非常に分かりやすかった。

    保守党が優位、与野党第一党がイデオロギー的に分極の本質的不変制を保ちつつ、時代はかわっていく様子がおもしろい。

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    2025年12月13日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    政党政治の通史として大変わかりやすいが筆者の予想したネオ55年体制とは真逆の方向に進んでいる
    2025年9月時点では衆参で自民党は敗北しているし(ここでの敗北とは公明と連立しても過半数以上になっていないことを言う)政府の支持率は低いしさらに衆参議院でも少数与党なため決められない政治になっている

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    2025年09月05日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    著者は、「実質的意味の55年体制」として1960~80年代をあげ、55~93年の政治を「形式的意味の55年体制」としています。

    50年代は、与野党間のイデオロギー対立が激しく、また90年代は保守勢力内部の対立が激しい時代として、「改革の時代」と呼んで論じられています。

    さらに、今日に至る2000年から2020年を「再イデオロギー化」の時代とし、2012年からの第二次安倍政権、とりわけ2017年からの野党の動きを鑑みると55年体制的だとし、「ネオ55年体制」と呼んでいます。



    50年代のイデオロギー対立ですが、

    保革対立とは、体制選択と防衛政策をめぐる志向の対立だとし、

    一方に、保

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    2024年11月23日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    戦後から2022年までの日本政治を通史的に取り扱う。
    現代の自民一強、多党脆弱な野党というのは55年体制と変わらず、ネオ55年体制と呼べるべきもの。この背景には日本政治に憲法問題がビルトインされており、野党間での意見の隔たりがあるためであるとする。これは政治改革を経ても変わらない日本の政治構造とのこと。

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    2024年07月20日
  • 憲法と世論 ──戦後日本人は憲法とどう向き合ってきたのか

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    この観点は面白かった。

    過去の世論分析という、統計上のバイアスとも戦っている。
    一般的な改憲しますかという質問はアバウトすぎる。
    全体的な改憲なのか、一部なのか、一部なら、どの部分なのか。

    筆者さんは、頑張った。
    乏しいデータと、社会情勢などから、かなりいい結論を引っ張ってきてると思った。

    日本は、何だかんだ言いながら憲法体制を変えてきたし、世間はそれで満足してるのであった。
    別段不磨の大典でも何でもない。

    ただ、この先、今よりもバカが政権取った時に、ダメになる可能性がある。詰まるところ、世間を無視して都合のいい憲法原理主義を振りかざす奴が出てこないとも限らない。

    だから、大切なとこ

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    2023年02月08日