境家史郎のレビュー一覧
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ネタバレ1945年から2020年までの政治史
巻末の「主な政党の変遷」は、知っていたつもりが実は知らなかったりで勉強になった。
著者の見立てだと、当分はこのままなのが悲しい。
P19 社会党をのちの民主党と被せてるのは、変わってないなあと
P31 (憲法)7条解散
総理の「解散権」をさも当然のごとく報道するのはなんだかなあ
P43 逆コース
警察にまで手を付けようとしたのは驚き。労働問題もだけど、「民主化」は不可逆ではないんだなあと。
P46 安保改定の評価はともかく、よく米国相手に立ち回ったなあと。不平等条約改定を思っての感想ですけど。
P94 バラマキはじまり
P95 「クリーン三木」
そもそ -
Posted by ブクログ
ネタバレ境家氏は現熊本県知事の蒲島郁夫などの属するリヴァイアサン学派に影響を受け、統計学などを駆使して実証的に政治を分析することを専門にしている。彼の授業を以前受講しており、さらに日本政治の理解を深めたいと考えて読んだ。
この本の対象時代は1955年以降から細田連立政権に負けるまでの55年体制と、その後の小泉改革の時代から改革疲れのバックラッシュまでを扱い、日本人の憲法観の変遷を分析する。この本では特に印象深いのは、やはり境家氏の執念ともいえる憲法を扱った世論調査の収集と分析である。本で提示されているデータの量も多く、印象論で語る政治ではなく客観的なデータに基づいており、時代ごとの憲法観という漠 -
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戦後の政治状況と世論調査を詳しく分析した好著だ.「一般改正質問」と著者が名付けた"憲法改正に賛成ですが"という今となっては曖昧な質問が,憲法発布直後では的確な問いかけであったこと,またその当時"戦争放棄の条項を必要とするか"との問いに70%が必要と答えたことなど,今の感覚からすると意外な事実も記載されている.岸内閣当時でも正式の軍隊保有論は完全に否定されていたことも意外だった.最後の方に出てくる出てくる有権者の意見の曖昧さの事実を踏まえて,最終的には「個人的無知から集合的英知」が得られるとの説は納得できるものだ.面白かった.為になった.
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ネタバレ著者は、「実質的意味の55年体制」として1960~80年代をあげ、55~93年の政治を「形式的意味の55年体制」としています。
50年代は、与野党間のイデオロギー対立が激しく、また90年代は保守勢力内部の対立が激しい時代として、「改革の時代」と呼んで論じられています。
さらに、今日に至る2000年から2020年を「再イデオロギー化」の時代とし、2012年からの第二次安倍政権、とりわけ2017年からの野党の動きを鑑みると55年体制的だとし、「ネオ55年体制」と呼んでいます。
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50年代のイデオロギー対立ですが、
保革対立とは、体制選択と防衛政策をめぐる志向の対立だとし、
一方に、保 -
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この観点は面白かった。
過去の世論分析という、統計上のバイアスとも戦っている。
一般的な改憲しますかという質問はアバウトすぎる。
全体的な改憲なのか、一部なのか、一部なら、どの部分なのか。
筆者さんは、頑張った。
乏しいデータと、社会情勢などから、かなりいい結論を引っ張ってきてると思った。
日本は、何だかんだ言いながら憲法体制を変えてきたし、世間はそれで満足してるのであった。
別段不磨の大典でも何でもない。
ただ、この先、今よりもバカが政権取った時に、ダメになる可能性がある。詰まるところ、世間を無視して都合のいい憲法原理主義を振りかざす奴が出てこないとも限らない。
だから、大切なとこ