境家史郎のレビュー一覧

  • 石橋湛山との対話―「危機の時代」を歴史洞察する

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    2026/10/01「石橋湛山との対話: 『危機の時代』を歴史洞察する」
    船橋洋一
    日本単独の日本史はない 「世界の中の日本史」を痛感する。日本史と世界史を一体で学ぶ必要がある。
    戦前の日本も、対米・対欧、対中華、対アジアの関係の中で、日本の行動を迫られ、実行に移していたのが実情。後世になって、日本が独自の判断で歴史を切り拓いたような歴史の書きぶりは大きな誤りであり、禍根を残す。
    ex 近衛文麿「英米本位を排す」「今後蒋介石政府を相手にせず」
      国を滅ぼすスタンドプレイ 

    「小日本主義」世界の流れをどう読むか 民族自決 反植民地主義 反帝国主義
     さらに植民地経営は経済的にペイしているのか、リアリスティックな検証も必要
    100年後の現代、再び人類は同じような課題に直面している
    次の時代の新しい理念の取り込みに今度は成功するだろうか?
    石橋湛山への質問が残る

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    2026年10月02日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    1945年の終戦以降の政治史を描く。筆者があとがきで書いているとおり、戦後政治史のガイダンスを担う「コンパクトな通史」となっている。自民党史だけでなく、非自民党にも目配りして説明しており、戦後政治史の入門書としては最適である。 終章で、現在の政治状況を「ネオ55年体制」と名付けている。憲法9条と現実の安全保障政策の整合性をめぐる対立が、再び自民党の政権担当能力の独占という現象を生み出しているのである。

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    2025年01月05日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    1945年から2020年までの政治史
    巻末の「主な政党の変遷」は、知っていたつもりが実は知らなかったりで勉強になった。

    著者の見立てだと、当分はこのままなのが悲しい。

    P19 社会党をのちの民主党と被せてるのは、変わってないなあと
    P31 (憲法)7条解散
    総理の「解散権」をさも当然のごとく報道するのはなんだかなあ
    P43 逆コース
    警察にまで手を付けようとしたのは驚き。労働問題もだけど、「民主化」は不可逆ではないんだなあと。
    P46 安保改定の評価はともかく、よく米国相手に立ち回ったなあと。不平等条約改定を思っての感想ですけど。
    P94 バラマキはじまり
    P95 「クリーン三木」
    そもそもクリーンがウリになるとはね
    P122 「弔い合戦」
    どうせ、死をなんとも思っていないかと
    P154 革新からリベラルへ
    P158 外圧に弱い
    P169 金に汚いのを選挙制度にすり替えてるとしか
    P249 菅総理、財務省の洗脳という話も
    P264 忖度
    自分への利益誘導を目的としているので、誤用だと思っています
    P267 閣議決定=国権の最高機関となりつつ

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    2024年01月18日
  • 憲法と世論 ──戦後日本人は憲法とどう向き合ってきたのか

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     境家氏は現熊本県知事の蒲島郁夫などの属するリヴァイアサン学派に影響を受け、統計学などを駆使して実証的に政治を分析することを専門にしている。彼の授業を以前受講しており、さらに日本政治の理解を深めたいと考えて読んだ。 
     この本の対象時代は1955年以降から細田連立政権に負けるまでの55年体制と、その後の小泉改革の時代から改革疲れのバックラッシュまでを扱い、日本人の憲法観の変遷を分析する。この本では特に印象深いのは、やはり境家氏の執念ともいえる憲法を扱った世論調査の収集と分析である。本で提示されているデータの量も多く、印象論で語る政治ではなく客観的なデータに基づいており、時代ごとの憲法観という漠然とした概念を丁寧に解きほぐす作業には終始脱帽する。
     そして、この本で境家氏は世論調査のデータ結果の浅い理解を用いた研究者に対して警鐘を鳴らす。例えば、世論の調査で「憲法改正に賛成ですか?」のような漠然とした質問は一見すると現代の文脈において、多くの日本人は憲法9条の改正を指すと早とちりしてしまう。しかし、そのような先入観を持ち世論調査の結果を分析することを筆者は批判する。なぜなら、憲法改正とは一口に言っても、時代によって意味が異なるからだ。例えば戦後は全面改正の意味合いが強いし、小泉内閣では、憲法9条改正よりも統治機構全体の改正を国民は念頭に置いて世論調査に回答している。他にもその質問方法や質問の順番にも細心の注意を払っており、今後、自分がデータを見る際に注意したいと思えるキッカケにもなった。そして、このような、曖昧な質問の世論調査の結果を用いて自分の論文の根拠にする他の学者に対する批判を込めて、詳細な研究を扱った書物は大変貴重かつ、斬新な取り組みであると思う。 
     また、彼のひねくれ(?)ながらも、几帳面に分析するというツンデレのような人柄がちょくちょく見え隠れしている点も興味深い。 
     最後になるが、日本の政治は安保闘争後の所得倍増計画による政治的イデオロギーからの経済的イデオロギーの方向転換を巡り憲法9条は棚上げになってしまった。しかし、90年代の国家危機により政治的イデオロギー問題が再浮上するも、野党は政治イデオロギーを巡り分裂して自民党に対抗する勢力にならない反面、自民党は政治改革により更なるリーダーシップを備えつつ、それでいて野党の分裂により政権交代の可能性が低いという現在の元凶の一つにこの憲法9条の問題があることは非常に由々しき事態である。(つまり、自民党は選挙で憲法問題を公約に掲げれば勝手に野党が自滅するので、改正する気はなさそうという見方がある)私は憲法9条の理解がまだ浅いので、この本を通じて9条に関連する問題を扱った論文や本を読み、一市民として選挙などの際にしっかりとした政治的判断を下せるような政治的教養を持てるようになりたいと考えるキッカケになる本であった。

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    2022年10月17日
  • 憲法と世論 ──戦後日本人は憲法とどう向き合ってきたのか

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    戦後の政治状況と世論調査を詳しく分析した好著だ.「一般改正質問」と著者が名付けた"憲法改正に賛成ですが"という今となっては曖昧な質問が,憲法発布直後では的確な問いかけであったこと,またその当時"戦争放棄の条項を必要とするか"との問いに70%が必要と答えたことなど,今の感覚からすると意外な事実も記載されている.岸内閣当時でも正式の軍隊保有論は完全に否定されていたことも意外だった.最後の方に出てくる出てくる有権者の意見の曖昧さの事実を踏まえて,最終的には「個人的無知から集合的英知」が得られるとの説は納得できるものだ.面白かった.為になった.

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    2018年03月02日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    非常にバランスの良い内容だと思う
    戦後の日本政治の通史について、ニュートラルな視点から、そのダイナミズムを記述しており、決して事実の羅列ではない

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    2026年10月11日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    やっと読み終わりましたーーー!読み終わるのに丸2ヶ月かかりました。新書としてはページ数は多かったのですが、それを踏まえても読むのに時間がかかってしまいました。ジャンルで読むスピードって変わるの私だけでしょうか…?

    哲学者の千葉雅也さんがXで「今の人は昔の社会党を知らないのか。自分も小中学生でしたがそれでもイメージは持っている」との呟きを見かけ、昔の社会党というのが気になったため、今回本書を読み始めました。
    題名通り戦後から現在までの政治史の動きを大まかに捉えられるよう解説してくれていました。政党とくに対立政党がどんどん枝分かれしては合流しということを繰り返しており、意識が沢山の政党名の把握にいってしまいました。この80年間政治では、憲法9条が争点となっていることだけは理解しました。ですが、このことを人に説明するのはまだ無理なので、政治についてまた他の書籍も読んでみようと思います。

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    2026年04月25日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    戦後日本政治史を憲法を軸として記述していた。

    政治の歴史を記述するって大変だったと思うけど、日本のこれまでを知る上では有益であった。

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    2025年10月03日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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     通史の部分よりも、歴史観になるほどと感じさせる点が多かった。
     結局、本質的な面では何も変えられず、ただ選挙だけを繰り返してきたことがよく分かる。
     歴史が現在に近づくほど、あまりにも人材が枯渇していくことが悲しいくらいに痛感される。

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    2023年10月20日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    1945-1960、戦後
    1960-1975、実質的意味の55年体制
    1975-1990、形式的意味の55年体制
    1990-2000、改革の時代
    2000-2020、再イデオロギー化
    と、これまでの歴史を時系列にブロック化しており、非常に分かりやすかった。

    保守党が優位、与野党第一党がイデオロギー的に分極の本質的不変制を保ちつつ、時代はかわっていく様子がおもしろい。

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    2025年12月13日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    政党政治の通史として大変わかりやすいが筆者の予想したネオ55年体制とは真逆の方向に進んでいる
    2025年9月時点では衆参で自民党は敗北しているし(ここでの敗北とは公明と連立しても過半数以上になっていないことを言う)政府の支持率は低いしさらに衆参議院でも少数与党なため決められない政治になっている

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    2025年09月05日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    ネタバレ

    著者は、「実質的意味の55年体制」として1960~80年代をあげ、55~93年の政治を「形式的意味の55年体制」としています。

    50年代は、与野党間のイデオロギー対立が激しく、また90年代は保守勢力内部の対立が激しい時代として、「改革の時代」と呼んで論じられています。

    さらに、今日に至る2000年から2020年を「再イデオロギー化」の時代とし、2012年からの第二次安倍政権、とりわけ2017年からの野党の動きを鑑みると55年体制的だとし、「ネオ55年体制」と呼んでいます。

    …

    50年代のイデオロギー対立ですが、

    保革対立とは、体制選択と防衛政策をめぐる志向の対立だとし、

    一方に、保守陣営の「逆コース」、つまり、占領改革の成果を覆し、戦前体制に回帰しようとする運動があり、そのもう一方に、これに抵抗して占領政策を擁護し、またはさらに急進的な改革を求めたのが「革新」がある、という構図だそうです。

    1955年に、保守は自民党、改革は社会党にほぼ一本化された、という大きな流れが描かれています。

    実質的意味での55年体制の前半は、高度経済成長の時代でもあり、例えば1965年11月から79年7月まで続いた「いざなぎ景気」で、日本の経済成長率は年平均10%を上回るなど、これが7年8か月も続いた佐藤長期政権を可能としたとも論じられています。

    また後半の70年代を、「豊かな社会における貧困な政治」と呼んでいます。経済的には石油ショックも乗り越え、経済大国としての地位を確立する時期であり、経済格差もまだ小さい中、一方で政治の安定=政治の停滞であり、消極的な選択として与党自民党が支持されている傾向が示されています。

    しかしその陰りとして、巨大な世界国家となった日本の没落の危機も指摘されていたようです。

    …

    改革の時代

    改革の時代と称される90年代の政治は、経済社会の揺らぎと連動しているようです。1990年の湾岸戦争、そして経済的にはバブル崩壊。

    90年代になってくると、個人的にも知っている部分も出てくるので、少し細かく見ていくと、

    まず、1993年の新党ブームの顔ぶれを見ると、今にとても近づいてきた感がありました。

    そこで生まれた日本新党の細川代表を首班として1993年に7党連立政権が始まったとのことです。

    でもその後すぐに、自社連立政権に移行、社会党首班の村山政権が1994年に誕生。でもこれもあまり続かず、1996年には自民党首班の橋本政権に。1998年の自民党総裁選で当選した小渕首班、ここにきて、自民党が公明党と連立を組み始めます。同時期1998年に野党再編があり、(第二次)民主党が生まれます。この民主党が都市部にも躍進する中、自民党から改革を巻き起こす形で小泉純一郎政権が誕生します。野党はさらに2003年に再編され、自由党が合流した民主党が野党の対抗軸として成長します。

    2001年から2006年まで務めた小泉首相は、「郵政民営化」を含め、多くの改革を主導する中、経済格差の広がりも浮き彫りになってきますが、2001年の同時多発テロどうでの国際情勢が不安定化する中でも外交・安全保障面でも画期的であり、政治的人気も保ち続けていたようです。

    そして小泉首相が勇退した後が、安倍政権。憲法問題の争点化がなされ、「戦後レジームからの脱却」が目指されます。2006年からの第一期は短く、2007年には福田首相に、2008年麻生首相に、そして2009年に政権交代で鳩山政権。2010年菅政権。2011年東日本大震災と、野田政権。地方では2010年に大阪維新の会が誕生し、2011年には国政政党の日本維新の会が誕生。民主党への失望が2012年12月の自民党政権再来。

    ネオ55年体制!?

    2020年9月までの8年間の安倍長期政権。アベノミクス。

    野党の迷走?民主党がいつの間にかなくなって、2017年10月立憲民主党が誕生、2018年5月国民民主党結党(民進党、希望の党)、それがまた2020年9月改めて立ち上げられ、国民民主党の一部が合流した立憲民主党(150人)と、減った国民民主党(15人)が同盟だけれども新党として誕生したという、きちんと追っていないとなかなかついていけないですね。

    2020年9月に菅政権、2021年には単独過半数を取った自民党。2022年9月岸田政権。2022年7月に安倍元首相銃撃死。

    今月2024年11月に石破政権になった、その流れを少し知れました。

    でも今の時代を過去の歴史を分析するように、同時期を見ることってとても難しいなーと思います。そのような視座に少しでも近づけたらと思いますが、正直内容は難しかったです。

    あとがきでは、とても初歩的な内容であり、「本書の内容程度の知識があれば、日常の社会生活を送るうえで大きな不足はないはずだとも思う」と書かれていましたが、私としては、なかなかそんな人いないのでは、と思うぐらいの内容でした。

    勝手ながら本書を読んで思うのは、政治は、政策というより、政治駆け引きで溢れているのかもしれない、そんなやり取りや人間関係、出来事を追うのは一苦労ですね。まあそれが政治なのか。

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    2024年11月23日
  • 戦後日本政治史 占領期から「ネオ55年体制」まで

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    戦後から2022年までの日本政治を通史的に取り扱う。
    現代の自民一強、多党脆弱な野党というのは55年体制と変わらず、ネオ55年体制と呼べるべきもの。この背景には日本政治に憲法問題がビルトインされており、野党間での意見の隔たりがあるためであるとする。これは政治改革を経ても変わらない日本の政治構造とのこと。

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    2024年07月20日
  • 憲法と世論 ──戦後日本人は憲法とどう向き合ってきたのか

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    この観点は面白かった。

    過去の世論分析という、統計上のバイアスとも戦っている。
    一般的な改憲しますかという質問はアバウトすぎる。
    全体的な改憲なのか、一部なのか、一部なら、どの部分なのか。

    筆者さんは、頑張った。
    乏しいデータと、社会情勢などから、かなりいい結論を引っ張ってきてると思った。

    日本は、何だかんだ言いながら憲法体制を変えてきたし、世間はそれで満足してるのであった。
    別段不磨の大典でも何でもない。

    ただ、この先、今よりもバカが政権取った時に、ダメになる可能性がある。詰まるところ、世間を無視して都合のいい憲法原理主義を振りかざす奴が出てこないとも限らない。

    だから、大切なところはきちんと明文化すべきだと思う。
    何より、どこの改憲論でも、日本とはどうあるべきか、将来どこへ進むべきかってのをちゃんと議論しないとダメでしょう。
    国民投票とかいう前に、ちゃんとした、誰にも恥ずかしくない、条文案作ろうよ。
    そのための憲法学者じゃないのかよ。

    とは思っている。

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    2023年02月08日